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「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」レビュー(一部ネタバレあり)

Introduction

「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」を見てきました。
これがまためっちゃ良くて、今まで見てきた映画の中で間違いなく五指に入ります。トップかも知れん。
そしてその熱がなかなか冷めやらないので、レビューという形で吐き出して昇華したいと思います。
途中からネタバレ含むので、未視聴の方は要注意。
ちなみに見たのは通常上映です。

プロフィール

まず私のプロフィールからですが、ボカロはガチの黎明期からずっと追いかけています。
「メルトショックをリアルタイムで味わった」といえば、分かる人にはどのくらいの時期か分かるでしょう。
そんなわけでプロジェクトセカイもリリース時からずっと時間を見つけてはプレイしています。
音ゲーはもともとそんなに得意じゃないのでプレイはからきしですが、ストーリーはほぼ読了しています。
ちなみに瑞希最推しで、ニーゴ箱推し。
よって、去年の10月ごろは色々ヤバかったわ……。

レビュー(ネタバレなし)

もう本当に良かったです。
プロセカの映画としても、初音ミクの映画としてもパーフェクトの出来と言えます。
クオリティも非常に高く、以前公開された公式ストーリーがそのまま2時間弱続くと考えていいです。

プロセカファンなら間違いなく見に行って損はないです。
初音ミクファンでも十分に楽しめると思います。
ただ、ベースはプロセカのため、さすがに全く知らないと「なんでミクがいっぱいいるの!?」みたいなことになりかねないので、世界観とキャラクターくらいは公式サイトで見ていくと良いかと思います。
「オレはワンダーランズ・ショータイムの天馬司!」みたいな説明パートはさすがにありません。
あと、これは唯一行く前に知っておきたかったことですが、通常上映でもアフターライブのときはサイリウムが振れます。
本当に振るかどうかはともかく、持っている人は持っていったほうが良いかもしれません。

ネタバレの境界線

ここから先はネタバレありの感想となりますので、再度警告ですが未視聴の方は閲覧非推奨です。

































レビュー(ネタバレあり)

ストーリーはかなり王道的なものです。
映画オリジナルキャラクターの「閉ざされた窓のセカイの初音ミク(以下、バツミク)」が各ユニットと出会い、交流を深めていく。
でも、バツミクは思いを遂げることができずに絶望してしまい、その影響が各セカイや世界にまで侵食してきて大変なことになる。
それを各ユニットが歌で解決しようとし、力が「合わさって」バツミクを、セカイを救う、という流れです。
本当なら力を「合わせて」となるところですが、プロセカの制約的にできないので、そこはちょっとご都合的です。
この辺はちょっと「ONE PIECE FILM RED」を連想しました。

この映画の主人公はバツミクです。
プロセカは初音ミクから作られたものであるため、とても自然な流れだと思います。
プロセカの各ユニットはそれぞれフラットに魅力と見せ場を描かれていました。
強いて言うなら、プロセカの顔ということでレオニ、ストーリーの性質的にニーゴの役割が強いかな、という印象を受けました。
まぁ、つまりはこのユニットのファンなら尚の事楽しめるということです。
反対に、ミク以外のバーチャルシンガーはやや出番が少ないです。
とはいえ、ちゃんと見せ場は用意されています。
ここでもニーゴバチャシンだけ歌唱パートがあり優遇されてるような気がしますが、まぁその前の侵食に抗うところが(セカイ的にもキャラ的にも)ないので、その代わりでしょうか。

そしてプロセカユーザーなら思わずニヤっとしてしまう小ネタも随所に散りばめられています。
中でも本編では(一部を除いて)あまり描写されていない、家の様子が判明したものが結構ありました。
まずは一歌の両親が初登場。いたってすごく普通の両親でした。そのうち本編にも出てくるのだろうか?
その一歌の部屋も出てきましたが、三月八日さんデザインっぽいミクのぬいぐるみが目を引きます。
あとは散々「めちゃくちゃデカいのでは?」と考察されていた天馬家も登場。やっぱりめちゃくちゃデカいです。両親何してる人なんだろう?
ちなみに鳳家もちょっと出てきましたが、こちらは大豪邸だというのがわかりきってるので特に驚きもなく。
それ以外ではきょうだいや親との関係性や、ペットなんかもさり気なく出てきていました。
動きがシンクロする天馬きょうだい、映画でもやり合う東雲きょうだい、対母親のごまかしが手慣れているまふゆなどなど。

そんなストーリーを様々なボカロ曲が彩ります。
プロセカに実装済みの曲もあれば、未実装の曲も。「ハングリー・モンスター」とか実装されないかな。
基本的には日常の間で挟まるアクセントなのですが、1曲だけストーリーにガッツリ絡んでくる曲があり、それが「初音ミクの消失」です。
言わずと知れた初音ミクの代表曲なわけですが、中盤の

「ありがとう……」

(んっ?)

「そして……」

(まさか!?)

「サヨナラ」

(!?!?!?!?)

ここからの展開は本当に衝撃的でした。
そしてこれはフィナーレでもまた使われます。
全く同じセリフで。
全く違うニュアンスで。
とても芸術的であり、とても感動的でした。

最後にライブについても触れないわけにはいかないでしょう。
上でご都合的と書きましたが、そのおかげで怒涛の5+1曲乱れ撃ちです。
見る前は合間合間で1曲ずつ挟んでくるんだろうかと思ったがそんな生易しいものではなかった。
各ユニットの個性がそれぞれ輝いているライブはこの映画最高の見せ場ですね。応援上映はそれはそれは盛り上がったことでしょう。
でもってこれ全部 DECO*27 さんが作っているというのがすごすぎる。
一人の人が作って、それをそれぞれ別の人が編曲するというのはストーリー的にもとても正しい選択ですが。
ちなみに個人的に一番ハマったのはビビバスの「ファイアダンス」です。
開幕にふさわしいバチバチカッコいい曲に一気に持っていかれました。
特にサビにあるこはねの「つかビビってんのか? ha ha-」が普段のキャラからは想像できないほど煽り性能高くて痺れます。
ギリギリ1周目に行ったため、アフターライブもビビバスで、ついでに言えば入場特典の CD も「ファイアダンス」だったため、最後まで大満足でした。

蛇足という名の考察一つ

映画を見ていてちょっと思ったのですが、これは一体時間軸で言えばどのタイミングの出来事なのだろう?
ひとまず進級前なのは確定。これはキャラクターのプロフィールが進級前プロフィールなのでわかります。
季節は夏休み前らしいので、初夏あたりかと。ただ、これは原作でもよくわからんことになってるので、参考にならない。
ポイントとなるのはニーゴの環境ですかね。
まずニーゴカイトが出現済みであり、ニーゴメンバーとも顔合わせが終わっている(っぽい)ので「イミシブルディスコード」後は確定。
でもまふゆが奏と同棲、もとい家出しておらずパソコンも使っているので、「ボク達の生存逃走」前、もしくは遅くても序盤。
それ以上はちょっと絞り込めなさそうですが、まぁ、進級直前の出来事ではありそうですね。
そらこんな大変なことしてたら4人も留年の危機になるわな。

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