【レビュー巡礼】そのおっさん、訳ありにつき
こんにちはイコマタヌキです。
マイクロ・WEB🕷️・ライブラリー『Raccoon Dog Library』より、Web小説投稿サイト、カクヨムの作品を紹介します。
紹介作品
作品名:私のおっさんとフリーメイソン
著者:久里 琳さん
ハードボイルド、そしてアンダーグラウンドな世界(フィクション)に精通しつつ、歴史やSF、詩歌など幅広く展開されている多彩な書き手、久里 琳さんの新作です。
私自身もまだ読みきれていないけれど、最近の文体は柔らかく感じます。
今回紹介する作品には、「後にも先にもこんなキャラクターは生まれないだろう」と思わずにはいられないキーパーソンが登場します。
それは下品な部類ですが、何故か頼もしく感じてしまう……
突き抜けてしまうと、もはや「個性」に辿り着くのだな、という好例です。
随所にチラつくその要素が、後述するレビュー内容の「程よい抜け感」を生み出しています。コメディー一歩手前くらいの塩梅で。
ストーリーはシリアスで、キャラクターの行動原理はハードボイルドですが、その要素が奥に秘められた「人間味」を感じさせる入り口にもなっています。
要は完璧な人間ではなく、ツッコミどころがある、ということ。
これなら親近感を感じる方も居るんじゃないかと。
イコマタヌキ舎レビュー
以下、カクヨムに掲載した589のレビュー文です。
ちなみに、久里 琳さんのことは、「旅エッセイ」を探している時に、こちらの『殺し屋日記』を見つけて知りました。
まず「『エッセイ・ノンフィクション』ジャンルで『殺し屋』ってどういうこと!?」と意表を突かれるところですが、フィクション上の人物のエッセイという体裁です。
基本的に目に映るものに想いを馳せ、漂う香りに唆られ、味覚を噛み締める道中記です。
ただ、主人公の「殺しの手法」もまた意表をつくものだからこそ、不本意にも仕事で赴かねばならない土地の風物を全力で楽しまなければやっていられないという程に食う、そんな風にも映ります。
もちろん殺しを認可・推奨するものではありません。
TOP画像について
『Raccoon Dog Library』のレビュー巡礼では、紹介する作品にマッチするお写真を『みんなのフォトギャラリー』からお借りしています。
写真提供:kaworukumadaさん(kaworukumada11)
『私のおっさんとフリーメイソン』には、ある箱が登場します。
そこでキーワード「箱」でみんなのフォトギャラリーの検索をかけたところ、TOP画像のレゴ写真を見つけました。
この写真が掲載された『ジャック四方山話』には様々なジャックが蒐集されています。言葉の由来などにも触れられており、最後に展開される小噺も面白かったです。
レビュー巡礼とは
レビュー巡礼については、こちらの記事を参照ください。