デリックローズが大好きだ🌹
デリックローズが引退する。僕の大好きなNBA選手。
肉体的、年齢的に厳しいのは分かってはいるけどもう少しだけ見たかったのが本心だ。
デリックローズを知ったのは同じ部活の友達からだった。
当時僕はNBAを知ったばかり。ジェームズハーデンが「人間をやめた」と言われていた頃だった。
知っている選手は各チームごとの主力3、4人ぐらい。
なので当然、キャバリアーズの2番手PGをしてたローズのことは全然知らなかった。
彼のことが好きな友達に、特にスターでもない選手をなんで好きなのかと聞いたら、ブルズ時代のハイライトを見てみろとだけ言われた。
度肝を抜かれた。
今まで見たことないスピードかつ鋭いドライブからの豪快なダンク。
本当に空中を舞っているようなジャンプ。
どんな体勢からでも決めるプッシュショット。
相手チームの選手が彼のためにリングへの道を開けているみたいだった。
苛烈で凶暴に見える彼のことがすぐ好きになって、ハイライトを見漁った。
NBA史上最年少のリーグMVPで、マイケルジョーダン以来のブルズのスター選手。彼のハイライトは本当にたくさんあって、それだけで彼がいかに凄いか、たくさんの人に愛されるプレーをしてきたのかが分かった。
彼と誕生日が一緒だと分かった時は死ぬほど嬉しかった。
けど知るのが遅すぎた。もうあの頃の彼のプレーは見れないのだと分かった。
左膝前十字靭帯断裂と右膝半月板損傷。
それがどれだけ重い怪我なのかは、同じくバスケをしていれば誰もが知っていることだ。
「もしあの頃の自分に何か伝えられるなら無駄なステップはするなと伝えたい」と本人インタビューで語っていた通りだろう。
あのプレーは諸刃の剣だったのだ。
だからこそウルブズでの50点試合は本当に感動した。
全盛期の記録を塗り替えてのキャリアハイ。
ジミーバトラーら主力を欠いたことでの先発出場。あの頃よりスピードはなくジャンプも低い。苦手なはずの3Pのアテンプトも多かった。
あの頃とは何もかもが違っていたが彼は結果を残した。
よく「奇跡のパフォーマンス」と書かれるけど、彼のこれまでの諦めずに努力した過程を思うと軽々しく奇跡とは言いたくない。
感動する傍らでどうしても考えてしまう。
『もしあの頃の怪我がなければ』
彼はきっと優勝リングを一つか二つか手にしていて、カイリーやウエストブルックやカリー等と同等に扱われ、時代を代表するPGとして賞賛されていたんじゃないかと。そんなどうしようもない想像をしてしまう。
でもそうならなかったのが現実で、悲劇にあった元MVPというのが彼のだ。
いやそれだって見方一つだ。
僕の中にはちゃんと、ブルズ時代の暴れまくったローズもいて、ウルブズで一試合50点を取って空に吠えるローズもいる。
僕はローズのことを「悲劇からカムバックした元スター」ではなく、「NBAを知るきっかけをくれた僕にとって一番のスター選手」として記憶したい。
もうすぐ10月4日の誕生日を迎える。彼と同じ誕生日。
きっとこれからも誕生日が来るたびに思い出す。
初めて彼を見た衝撃を。
本当にお疲れ様でした。