戦争の隣でオリンピック

自分の感覚としてはいつの間にか始まっていたオリンピック。元々スポーツ観戦に興味がないので、人生の中でオリンピックを熱心に見るということは今のところ一度もない。

なので今年もスルーして終わるのだが、X(Twitter)でパレスチナの選手が出場していたことを知った。戦争中ではあるが、平和を祈り出場を決めたのだそうだ。戦争中でもオリンピック出れるという新しい知識を得た。ちなみにイスラエルの選手は出場停止命令が出ているらしい。

パレスチナではアスリートが200名以上、戦争の犠牲になっている。その中で出場する選手は何を思うのだろう。(本人はオリンピックのときは戦争のことは一旦忘れたいと答えていたが…)

ロシアとウクライナの戦争もまだ続いている。それでもオリンピックは開催され、普段会話の中にスポーツのスの字も出さない人たちが熱心に観戦している。この状況が自分になんとも言えない薄気味悪さを与えてくる。(そもそもこれまでも戦争中にオリンピックは開催されていたので、自分が今更ハッとしたというだけなのだけれど。なんて鈍い生き物だろう。

私はアフリカウシガエルに生きたハムスターを与える動画を観るのが好きなのだが、人間もハムスターも同じだなと思った。
アフリカウシガエルの前に差し出された数匹のハムスターたちは、横で仲間が食べられても平気で餌を食ったり、毛づくろいしたりする。今起きてる戦争でアスリート200人が死んでる国があることを知りながら、ろくにルールも知らない競技を見て、なんとなく応援したりしてみる猿の仲間の我々とハムスター、やっぱり鈍さに関してはどっこいな気がしてくる。

もちろん、毎日世界の戦争を憂いて鬱々と生活する義理もない。ただふと考えてしまった瞬間、急に自分の平和ボケ加減、無神経さと対峙することになり、罪悪感に少し似た感情が湧いてくる。

きっと日本が戦争に参加して人がたくさん死んでも、関係ない国の人達は今の私のように「そういえばまだ戦争やってんだっけ。大変だな」たまにふと思い出して、それで終わりだ。そう考えるとそれがとても恐ろしいことに感じる。


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