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鶏の雛ってどこで買えるの?

31歳既婚男性、突如仕事中に天啓を得る。
「鶏飼いてぇな…」


まえがき

あんまり本筋には関係ないから興味ない人は飛ばしてください。

我が家は昔は祖父母の家だった。
祖父も祖母も施設に行き数年経った後に亡くなった。
大往生だった。

5年以上空き家になっていた祖父母宅をみて
空いてるなら住んじゃえばいいのでは?
家賃もかからないしラッキ~と23歳ごろに移り住んだ。

この家は全体で100坪、ざっくり50坪が家もう50坪が畑だった。
当時一人暮らしで日中に仕事に出ていく自分には50坪の畑を
畑として運用・メンテナンスしていく気力はなく、
夏に雑草が生い茂り森になったらまとめて草刈りして
除草剤を撒くという感じで過ごしていた。

ふさふさに茂るバジル

そんな中結婚をして少し状況が変わる。
嫁が畑をやりたいと言ってきた。

畑を森にして持て余してる自分からすれば
ぜひどうぞどうぞという感じで草刈りをして渡し、
森だった畑も雑草がなくなり畝が立てばとたんに畑にみえてくる。

亡くなった祖母は野菜を育てつつチューリップやスイセンなど
季節の花を綺麗に育てて管理していたのを思い出した。

目が届く範囲で楽しそうに畑いじりをしている姿をみて
自分も畑をやりたくなり1/3ほどスペースをもらった。

もとより牧場物語やどうぶつの森に始まり、ルーンファクトリーやStardew Valleyで育ってきた自分である。
農畜産に興味がないわけがない。

嫁と自分の畝ができ色々な植物を育てて
1年が過ぎて今に至るわけだがふと
畑、まだ手付かずのエリアが多いな…
新たな植物…でもこのエリアは下が岩だしな…
じゃあ動物…外飼いに適しててできればリターンがあるやつがいい…
牛豚は現実的じゃないし山羊…いけなくはないけど好みではないな…
そうだ鶏!鶏なら卵をいただけるしいずれは食肉にもなる!
そうと決まれば情報収集だ動き出せ!
ところで…

鶏の雛ってどこで買えるの?(タイトル回収)

雛はどこで買えるの?


ここからは一般成人男性の私が自力で調べた結果であり、
もっと良い方法があったり私が住んでる岡山県下でだけの状況だったりするはずなので参考程度に留めていただきたい。

方針

まず方針としては、
・飼うのはメスのみ
・一度に飼うのは3羽程度
・偶発的な入手経路ではなく安定して仕入れられるルート
といった感じ。

一つ目の飼うのはメスのみというのは、
調べるまで知らなかったが俗にいう
「コケコッコー!!(爆音)」とまだ日も登らぬうちから叫ぶのは
オスのみの習性だった。
メスは「コッコッコッコッ…」と控えめな声量で鳴くにすぎない。
(水や餌が切れるとだんだん声量が大きくなるらしいが)

二つ目の1度に飼うのは3羽程度というのは
我が家は自分と嫁(+犬1匹)しかいないため、
大量に飼うと消費が追い付かず大変なことになるのが
目に見えている為。
3羽でも次第にたまっていくとは思うが、
そこは卵焼きやお菓子製作で消費していく。

三つ目の
偶発的な入手経路ではなく安定して仕入れられるルートというのは、
鶏自体の寿命は10年を超える場合も多々あるが
採卵用の鶏は本来卵を産む→温める→ヒナが孵る→また卵を産むという自然のサイクルではなく
毎日のように卵を産むように品種改良されている。
そのため卵を産むために力を消費するのか3年程度卵を産み続け
5年もすれば寿命で亡くなっていくパターンが多いらしい。

そのため3年程度で手元にいる鶏が卵を産まなくなるため、
次世代の鶏が必要となる。
その際に「たまたま知人に譲ってもらった」などのラッキー経路だと次もいただけるとは限らないためしっかりとして仕入れルートが必要だった。

ここからは上記の指針を満たした入手経路を探すことになる。
しかし、結論から言うとヒナを変える場所は無かった。
その経緯を説明していく。

実際に動いたこと

まずコンタクトを取ったのがJA。
過去にヒナを取り扱ってるとどこかでみたきがした。
どこに連絡を取るべきかはっきり分からなかったため、
岡山市農業協同組合総務部 総務課に連絡して確認してもらった。曰く「通常ヒナの販売は行っているが鳥インフルエンザの影響で現在は販売を中止している。再開の目途はたっていない。」とのことだった。

次に連絡したのは県内全域のネットに
住所電話番号が載っている養鶏場・孵卵場約10社ほど。
電話して聞いてみたり直接訪問してみたりしたけど、
おおよその解答はこんな感じ。
・そういうのはやってません(シャットアウト)
・鳥インフルがあるからどこもやってないんじゃないかな?
・個人に卸すとこなんて聞いたことないけどなぁ
そもそも連絡を取る前にネットで情報収集して
「養鶏場から譲ってもらいました」という話がチラホラ見かけられたため連絡してみたが、岡山がたまたまそういうことはしていない会社ばかりだったのか、鳥インフルエンザのせいか…

ここで一旦策が尽きてしばらくネットで情報を集めることに。
そこで目にしたのが一般社団法人 日本種鶏孵卵協会の存在。
鶏を飼おうと調べなければ大半の人が知らずに過ごすだろう協会。
ありがたいことにこちらの協会の活動に
「種鶏及びふ卵に関する内外の情報提供」があった。
早速連絡を取り事情を話すと
・昔のように一般家庭に鶏が渡ることはかなり少なくなってきている。
・飼いたい品種が決まっていればその品種の窓口に連絡すれば
岡山県のどこの養鶏場に卸しているか教えてくれるはず。
とのことだった。
私が飼いたい品種は最初に決めていて
よく卵を産み温厚なボリスブラウンという品種だ。
それを協会の人に伝えると、
この品種はアメリカのHi-Line社のもので
日本ではゲンコーポレーションという会社が窓口と
なっていると教えてくれた。

ゲンコーポレーションさんのボリスブラウン
https://www.ghen.co.jp/lineup.html#lineup-02-04

その流れで次はゲンコーポレーション。
今までの話を伝えると「よく調べてますね笑」といわれた。
曰く「ボリスブラウンを卸しているところを教えることはできるが、
もうおそらくどこも個人には売ってくれないだろう」とのことだった。
会社の取引情報とか一般人に伝えて大丈夫なんだ…
とおもいつつも状況は絶望的。
ゲンコーポレーションの方がいうにはあと残されているのは
・低確率でペットショップにながれてくる時もある
・運よく個人から譲ってもらう
・自力で卵を孵す
の3つだそうだ。

とりあえず教えてもらったので
県内のホームセンター(代表1店舗ずつ)と
ペットショップ・鳥類専門の個人ペットショップに
連絡を取ったが全滅。
「鶏は家畜になるので色々書類とか大変で売るのはやめようとなったんですよすみません…」と言ってくれた某大型ペットショップ店のお姉さんありがとう。
変な問い合わせをすみません
いつも犬のおやつでお世話になっています。

運よく個人から譲ってもらう は方針に反するため却下。
となると残すは自力で卵を孵す方法のみ…

孵化させるという選択

卵で孵すと当然だがオスも生まれる。
欲しいメスの数は3だからといって3つしか孵化器にいれると
鶏はオスメス比が1:1らしいので
全部オスだったりそもそも孵化しない可能性もある。
となると少なくとも6個以上は孵化器にいれたい。

オスが生まれた場合どうするか。
田舎とはいえ裏には家がある。
2丁先まで声が届くとか本当か嘘かわからないことを言われている雄鶏の鬨の声を午前3時に町内に響き渡らせるわけにはいかない。

数日悩んだ結果
オスは鳴く前にお肉に変えるという方針にした。
これについては賛否両論だと思われるので
うちはこう決めたという話。

我々はひよこの雌雄鑑定士ではないためひよこの状態で
雌雄を見分けるのは難しい。
なので外見に雌雄の違いがでてくるタイミングを待つ。
その時期は大体3か月あたり。オスはトサカが発達してくる。
さらにボリスブラウンは雌雄で羽の色がメスは茶色オスは白みが強く出ると見分けやすい。
そして雄鶏が鳴き始めるのが4~5か月頃。
つまり鳴き始める前に雄鶏だけお肉に変えられる。
そういうわけだ。

そうと決まればさっそく孵化の用意を。
鶏の孵化には約21日ほどかかる。
時間がかかるものなので早めに動いて損はない。
取り急ぎ必要になるものは孵化器と有精卵

調べるまでカイロや毛布で温かくしておけば孵化するかな?
なんて思っていたけど、実際は温度を一定にするのはもちろん
湿度も必要なうえ数時間に1回卵を回転させて胚が卵殻に癒着するのを防ぐ転卵というのをしなくてはならない。
転卵を数時間毎にするというのは勤めに出ている自分には些か厳しい話だったが、
世の中には便利なものがあるもんで家庭用の孵化器というのがあり
こいつが自動で温度湿度調整・転卵をしてくれる。

自分が目星をつけたのはこの孵化器。

Amazon調べだがこの金額以下のものは途端にレビューの数が減る。
安い奴は転卵したときの衝撃で
朝起きたら卵が割れてましたなんてレビューも。パワフル。

次は有精卵の確保。
これはAmazonには売っていなかった
実際に有精卵を売っていたのは
楽天市場 メルカリ ヤフオクあたり。
メルカリやオークションで卵を買うという発想が
そもそも無かったから勉強になった。
有精卵探しが少し難航したのは自分がボリスブラウンのみを狙っていたため。
メルカリやヤフオクは個人宅で飼っている鶏の卵なので
ボリスブラウンとほかの鶏の混合で送るスタイルが多かった。
なんでもよければもっと楽だったはず。
運よくボリスブラウンのみ12個セットで売っている方を
見つけたのでヤフオクで購入。
卵12個で1400円と送料合わせて2800円ほど。
日々消費する卵と考えるとビックリの値段だが、
今回は孵化目的なのであるだけありがたいな~と思いつつ購入ボタンを押した。

ヤフオクで落としたボリスブラウンの有精卵12ケ 手厚い梱包

まとめ

以上が鶏を飼えという天啓を得てから
実際に手元に諸々が揃うまでの話。

でも実はここまでで一旦終わり。
なぜかというと嫁が食肉に携わる系統の仕事で、
鶏を飼うのはダメじゃないけど避けた方がいいかも…
となったため。

なんじゃそれはとなるかもしれないけど、
自分がここまでたどり着くのにめちゃくちゃ調べる必要があったから、
もし同じような境遇の人が現れたら少しでも手助けできればなと
思いnoteに記しときます。
自分が実際に鶏飼い始めたらまたこの記事に繋げて続きを書きます。

この記事のおかげで助かったという人が実際にいたら
サポートしてくれると幸いです。

世の鶏飼いのたまご達に幸あれ。

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