魔導書「影の書(book of shadows)」のお話(; ・`д・´)。
今回はアニメやゲームなんかでも時々見かける「影の書」(book of shadows)のお話を書いていきます。
だいたいは知っている人は多いかもしれませんが、知らない人もいるかもしれないので、ある程度の説明は書いていく予定です。
1「影の書」ってそもそも何?
影の書とは簡潔に書くと「魔術の指示書」です。
たとえば「秘伝の書」とかありますよね?
でも秘伝の書という概念は、あくまで「基本を終えた後に習得するもの」です。
ですが、影の書というのは「基礎から秘儀まで説明したテキスト」になります。
言わば「教科書」的なものになります。
昔は一定の集団のために書かれており、その集団のトップと一部のみが元となる本を保管し、その集団のルールや魔術的な内容を「統一」するために作る本だという考え方です。
例を出すと「A教」というものがあったとします。
そのA教が行う「入信の儀」から始まり、階級ごとに会得する内容から、さまざまな結社のルール、そして最終的な秘儀までを網羅した原本を1冊作り、それを代々の党首が管理する・・・つまり宗教的な教えなども含む魔導書という感じです。
現在では、個人の魔術師が自分の魔術の集大成である本として作ることが多いです。
そういった個人のものは「影の書」とは言わないわけですが、まあ、なんでもありになりつつある時代なのでそれでいいのかもしれませんね。
アンマリコマカイコトイイスギルトオモシロクナイカラ(^'^)
2「影の書」の始まり
これは「ウィッカの父」と呼ばれるジェラルド・ガードナーが魔導書を表す用語として「影の書」という本を出し、言葉を広めたことが発端となっています。
そして自身が開催する魔女の集会において使用したとされています。
ん~こう書くと怒られる時もあるのですが、キリスト教などの「聖書」や他の宗教の「経典」などと同じ感覚です。
1でも書きましたが、原本を一つ作るということは、運営する宗教なり集会のルールなどが「厳格化」できて、しかも神秘的に感じるので、一石二鳥なわけですね。
詳しく知りたい方は→「影の書」Wiki
なお、ガードナーが作成した初期の影の書は、アレイスター・クロウリーやソロモンの鍵、アラディア、フリーメイソンからかなりパクり・・・(いやリスペクトしていると書いておこう(;゚Д゚))であったので、のちにガードナーの集会の大司教となったドリーン・バリエンテという方が「てめえ、新しめの情報パク・・りすぎだろ!古代からの知識とかあんまりないじゃんか!」とガードナーに詰め寄り、大規模な編纂をしています。
※一応「古き時代より魔女達が写筆してきた内容」だという触れ込みだったはずなのですが・・・・まあ、そんなこともあります。
(え?(;´∀`))。
3 作り方
まあ、これ!という作り方はありませんが、とりあえず説明していきます。
まずは考え方ですが、「影の書」はその集団、もしくは魔術師にとって「神聖」なものでなくてはなりません。
そのため、その多くは古いビンテージの紙か羊皮紙を使用し、装飾を豪華に施し、内容にはできれば詳細なイラストを描くことが好まれています。
つまり!自分の中二病を大爆発させて作れ!という事です(; ・`д・´)。
内容に関しては、今となっては、魔術のレシピだけを記入している人、魔術に使用する薬草類の詳細な内容だけのものなどがあふれていますが、それでは物足りないわけです。
ということで、ガチで作ってみようと思っている方のために制作における基礎的な目次の例を書いておきます。
(決してチャカしているわけではないので悪しからず)。
あ、書き忘れてましたが、原本は必ず「手書き」です。
絵からなにから必ず「手書き」で行うことが推奨されています。
(でも字が汚い人とかは、たぶん作っている最中に心が折れちゃうかも)。
1 本のタイトルと(サブタイトルね・・・メインタイトルは「影の書」になるはず?)、製作者の名前、そして集団(宗教っぽく)作りたいなら、その集団の格言などを書き、定めたシンボルなどを書いておくとカッコイイ(*ノωノ)
2 この本を読むにあたり、この本がとても興味深い、もしくはのめり込むような内容のイントロダクション(最初の文言)などを書くとすばらしい(小説だと「はじめに」みたいなやつ)。
3 目次を作っておくことでそれっぽくなる。
4 集団の場合はその集団の入信の儀式内容、個人なら本を読む前に行う身を清める儀式の方法をオリジナルっぽく書いておく。
5 集団ならルール、そして破った際の厳罰内容を説明。個人なら・・・・自分の魔術における概念などを書いておくとそれなりになる。
6 各種儀式や使用する占いの方法、魔術の内容を細かく書いていく、各項目ごとに詳細なイラストを1個づつでもいいので差し込んでおくと素晴らしい(●´ω`●)。
なお、各魔術ごとにその魔術を使用した際のエピソード(たとえば、この魔術を使用した者がどうなった・・・みたいなの)を書いておくとめっちゃかっこよくなる。
7 6で説明した魔術などで使用した道具やハーブなどの解説を書いていく。その本における補助的な辞書のイメージ。
8 本の中に出る言葉などで難しいものなどの説明を補足して書いておく。
あくまでコンセプトは「これから読む初心者向け」であるという事を忘れないようにしておく。
9 最後に著者の本における情熱とか感想っぽいものを短く書いて、終わりのページとする。
たとえば「この本を習得することにより、貴方は奇跡を得る」みたいななんちゃら~って感じで締めくくるみたいな(≧▽≦)。
上記に書いた1から9の内容順に構成していくと、それっぽくなります。
(細かい説明などは、別本作って分離してもよいかも)。
でも、読んで気が付いた人も多いかと思いますが、現代で発売されている魔術関連の本って、上で説明したような感じで構成しているんですよね。
この方がそれっぽく見えるんだと考えて本を作っているんですね(●´ω`●)。
だが、ここで最後の難関が待っています。
上の1から9の内容を作ったら、最後は「関係者しかわからないように書く」ということです。
これは魔女裁判などの問題でそうなっていくのですね~。
(まあ、それは難しいので、普通に書いて良いかと思いますが、中二病満載で行くなら、暗号で書くとか・・・構成をめちゃくちゃにして、読み方を知らないと、なに書いているかわからないようにするとか・・・)。
そうして、作って、装飾などもしっかり作ったら、最後は本に「福音」を与えます。
祭壇を作り、呪文を唱えながら本に「力」を宿すわけです。
特別なものであるように・・・。
ただ、この呪文に関しては絶対コレ!というものは存在しません。
その作り手ごとに違ったりします。
なので、自分で呪文を考えてください(; ・`д・´)。
なお、人気というか多い感じの内容は「この本が他者の目に触れることは許されず、そしてこれからこの本の分身を与えられた者たちの道しるべになるように」的なものが好まれています。
余談ですが、最初の製作者の名前書く際に、その本の制作に費やした時間というか、日数や年数を記載することが典礼的だと考えている方も結構多いです。
(つまり、時間がかかればかかるほど、この本に「力」が込められているというアピールが可能なわけです)。
そして、あえて行うというか、そうしていくというのがありまして、それは「後から編集できる」ようにするということです。
きっちり本にしちゃって、後から編集ができないというのは「気づき」が後から出てきても編集できないから大変なわけです。
まあ、魔術において、後から「これは違ったかも」と思う事が多くあったり、あとは定めたルールが変更を余儀なくされたりする場合があります。
そんなときに編集しやすくしておく必要があります。
(ただし、手書きの場合のみであり、現代は印刷があるから別に関係ないです。こんな世の中ですから、影の書をPCで入力している人なんて沢山います・・・・時代ということなわけですよ)。
現代でよく好まれるのは「バインダー」・・・・・。
なんとも夢が無い(-_-メ)。
あんまりでしょうと思いますが、まあ編集しやすいですよね。
でもここばかりはつまらないので、こちらからいくつか「案」を出しておきます。
1 エジプトで作られていた本の作り方
古代エジプトでは独特のcoptic bindingという本の作り方があります。
これだと、できるだけボロボロにならないように長持ちできる本を作れるわけです。
通常のバインダーだと、めくる行為を繰り返すうちに穴部分がすぐ破れてしまいますが、これならそういう事も少なめです。
↓作り方を紹介しているサイトがあります。
How to Coptic Bind a Book
※英語が読みづらい方は日本語で「コプティック製本」と検索してみてください。
2 和綴じ製本
日本の昔の製本方法です。
意外と頑丈で、なかなか長持ちします。
影の書作りにはちょっと・・・と思うかもしれませんが、けっこう重宝しますよ。しかもコプティックより簡単です。
※ちなみに、和綴じのほうが自分は好みです。
是非、「和綴じ 作り方」で検索してみてください。
3 フレンチリンクステッチ
少し敷居が高い本の作り方ですが、これもあとから編集とかしやすいものです。
French Link Stitch
その他、面白いのは日本の和綴じっぽい感じのものが海外にはあったりしますので、興味のある方は調べてみてください。
そして、本当に自分だけの「影の書」を作ってしまったのなら、保管する箱も超魔術的な箱作って保管すると、それはもう雰囲気バッチリになります(●´ω`●)。
最後に
という感じで説明してみました。
「影の書」と聞くと、古代から伝わる魔術の集大成本とか、古代の英知が詰まった本とか、悪魔が書き記した本物の魔術書とかそういったイメージを持っている人が結構多いと思いますが、実際は魔術集団やその手の宗教のための原本の事を指し、そして「影の書」の表現自体は新しめなほうです。
もともと「影の書」って本の名前じゃなかったのだよ!あとから改名したのだよ!しかも他のものをパクって!・・・という意見もあり、もともとは古代サンスクリット語の占いのマニュアルの中に「人の影の長さ」で占う方法があり、それを記事にした時のタイトルが「影の書」だったことから、ガードナーがそれを見て「これだ!これは良い名前だ!」と、それをパクったのではないか?という話です。
でも、まあ今となっては魔導書の「影の書」のほうの話が強く残り、そして現代では隠された魔術書物の「総称」みたいな使い方されるようになりました。
しかし、ガードナーもセンスありますよね「影の書」なんて名前、占いの話にするより、魔術書の話にしたほうがカッコイイじゃないですか。
デモパクリハダメヨ(・´з`・)セメテスコシカエヨウヨ・・・。
このガードナーの活躍で「ウィッチクラフト」という言葉が出てきて、おかげで魔女も爆増しました。
そしてその「影の書」の誕生後、悲しい魔女狩りに時代に突入していくわけです(; ・`д・´)。
2024年2月補足
↑すこし書き方が悪かったですね(`・ω・´)。
一応、影の書は「むか~しむかし」からあったという主張なわけで、つまり、魔女狩りの時代の前からあったという主張になるわけで。
そういう意味で影の書の誕生後、悲しい魔女狩りの時代に突入していくわけで・・と書いています。
一応、ガードナーの主張の視点で書いているので悪しからず。
※ガードナーは魔女狩り後の人間ですので、決してパク・・・リスペクトした「影の書」の誕生後に魔女狩りがあったわけではありませんので・・・・。
※2次転載は基本禁止で。影の書を作りたい方は、その世界に入りすぎて我を失わないように気を付けてね(; ・`д・´)。
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