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作家 西村賢太
西村賢太の作品が読みたくなった。
BARでその話になったのだ。亡くなった人の話になるときには、できるだけ楽しい話で埋め尽くしたい。
亡くなってからも人々の話題に上がる。本質的に死んでいないと感じた。
次の日、本屋に足を運び彼の本を購入しようとした。しかし置いてはいなかった。
仕方なく古本屋に行った。な行の「に』を見に行ったが、西村京太郎が山のように置かれているだけ。西村賢太の作品はない。
100円コーナに向かった。角が擦れた本、黄ばんだ本、破れた本が山積する中で、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を見つけた。
コレはいい本だとマ・クベのようになる。
手にっとってノスタルジーにふけていると、苦役列車を思い出す。100円コーナを探すが彼の作品は1冊もない。
西村賢太の作品はない。
今度でもよいかと思う。その場を去ってカフェに向かう。
それでも西村賢太の作品が読みたい。
彼を忘れることはない。