ポンコツ旅行記5
孤独じゃないグルメ 第一旭本店の特製ラーメンと551蓬莱の豚まん
恐れていたほど待たされることもなく、関空快速は10分遅れ程度で大阪駅へ着いた。
京都方面の新快速は15分間隔で走っているはずだから、案内表示を見て直近の新快速に乗り込む。ここでも無事座席に座ることができた。幸先よしパート3・・・というよりやっぱり復路の「はるか」の指定席は要らなかったのではないか…、まあ今さら考えないようにしよう。
30分程度で京都である。京都駅は何だか広い。延々歩いてやっと外に出た、というか京都駅は内と外の境目がよくわからない。改札機で区切られているものの内と外がシームレスな感じがする。以前ガメラとイリスに破壊されたせいで外壁がないのだろう(嘘)。時刻は17時45分ぐらい。目の前には京都タワーが光っている。
※京都駅を設計された方が最近亡くなられたそうで、なんだか死者にディスってすいません。デザインは個性的でかっこいいと思います。ただ京都っぽいかというと…(結局またディスる)。
順調に行っても京都につくのは17時30分前後の見込みだったので、この日はもともと夕食を食べてホテルに行っておしまいの予定である。夕食は何が良いか妻に訊いたら「京都のラーメンを食べてみたい」とのことだったので、天下一品という線もあったが、ここは京都ならではの店で京都駅からも近い第一旭本店を選択する。
皆さんは食べログで3.75という点数を見たことがあるだろうか?もちろんそういう店を狙って検索すれば出てくるのだろうが、普段お店探しをしていて3.5を超える店に出会うことはほぼない(田舎暮らしだからか?)。第一旭は20年以上前に来た時にタクシーの運転手さんに紹介してもらった店である。しかも食べログで見てみても3.75という高得点を叩き出しているし、京都でラーメンを食べる店としては申し分なかろう。
おおよその場所は確認済みであったが、ここは念を入れてGoogle MAP先生を召喚することとする。先生の趣味なのか自分たちが道を間違えたのか妙にうす暗い裏路地へ誘導される。途中、やんちゃな格好の若者が何人か集まっているところがあってちょっとだけ身構えるがもちろん何事もない。
お店のある道へと曲がってみると、覚悟はしていたが18時ぐらいですでに店の前には明らかな行列ができている。早朝から開いている店だから必ずしも夕食時間にこだわらない客も多いのではと期待したが、観光客には関係のない話であった。すぐ前には明らかに修学旅行らしき高校生のグループがいて、京都でわざわざラーメンとはなかなか渋い選択をする高校生もいるものよと自分たちを棚に上げて感心をする。
20分ぐらい待ってやや肌寒くなってきた頃、若い店員さんが店から出てきて前方の客から何かを回収しているらしい様子が見える。そういえば旅行前に確認した食べログのレビューで、食券制に変わったとあったことを思い出した。これは事前に食券を買ってあらかじめ店員に渡しておく方式に違いないと見ていると、どうやら前の高校生たちもそういう説明をされているようだ。そこで妻に事情を説明し、食券を買いに走らせる。何を頼めばよいかと訊くがメニューが手元にあるわけでもないので20数年前にも頼んで記憶にあった「特製ラーメン」を指定する。
さらに10分ほど待ったところで食券を回収され、そのうちに店内に案内された。20数年前の記憶以上に狭い。これは行列も仕方ない。さほど待たないうちに特製ラーメンができてくる。麵が見えないほどチャーシューが上にぎっしり並んでいる。そうそう、こんな感じだった。
チャーシューを1かけ口に入れ、スープをすする。豚骨というより豚肉そのものの出汁と醤油を感じる。一瞬くどいかも、と思うがすぐに消え次が飲みたくなる、そういうスープだ。麺はやや太めの低加水ストレート、小麦を感じるおいしい麵だ。大量の豚肉の合間にときどきもやしが姿を現して、よいアクセントになっている。たださすがに豚豚しいのでネギ味が欲しくなるが、記憶ほどネギが載っていない。あれ?こんなだっけ?京都と言えばネギだろう?もっとネギも大量だった記憶があるけれど、これはちょっと自信がない(お店の公式ページに乗っている写真では倍ぐらいネギが載っていた。これも物価高のせいか、写真はイメージですというやつか。ネギ多めで注文すれば良かったのか?)。
20年以上前に食べたときには感じなかったことだが、半分ぐらい食べ進んで少しきつくなってきた。それでも何とか完食したが、あとから調べたら特製ラーメンはチャーシュー麺の麺大盛りのことだとか。前回も特製だったしその時は何も感じなかったのでそのまま頼んでしまったが、さすがに年齢的に適量を超過したようだ。
夕食が終われば後はデザート。この日のミッションはもう一つ、551蓬莱の豚まんを買ってホテルで食べることである。特製ラーメンで満腹ではあるが豚まんは別腹。京都駅に551蓬莱が入っているということなので、豚まん好きな妻のためにここは買っておかねばならぬ。ならぬのだが、その場所がわからない。駅ビル内にあるアスティというエリアらしいという情報はググるとすぐ出てくるが、中央口にいる自分たちの周りにはポルタとかいうショッピングモールと伊勢丹があるばかりでそれらしい表示はない。
八条口の方かもしれないとも思ったが、八条口側への行き方もよくわからない。さすが仙境である蓬莱の名は伊達ではなく、修行の足りない者にはたどり着けないらしい。中央口付近をうろうろした挙句、結局駅ビル案内の人に訊いてアスティにたどり着いた。やはり新幹線のりば&近鉄線の方であった。そういえば551の豚まんを新幹線に持ち込むのはありか無しか論争とか起こっていたではないか。“551を探すなら新幹線の近く”、われわれは新たな知見を得たのだった。