iwaSync 公開4周年🎉

2022年11月10日 18:16

初めに

こんにちは、ikuko(@magi_ikuko) です。
「iwaSync」という VRChat 上で利用できるメディアプレイヤーの個人開発を行っています。
他には「SmartCostume」と言うアバターのお着替え設定ツールや「UdonInspector」といったワールド制作で使用できる高度なデバッグツールなど開発・頒布しています。

11月10日を持って iwaSync が公開からちょうど 4 周年を迎えました。
これまでいくつか個人開発を行ってきたことがありますが、4 年間同じ物を制作し続けたことはなく私自身の成長にもつながっているように感じます。
これもひとえに日頃から使っていただけている方々のおかげだと思っています。
まだまだダウンロード数から見て使用者が増えているようで VRChat には驚かされるばかりです。
時々バグを出すこともありますが使い続けていただきありがたい限りです。
不具合の再現報告や機能追加や改善の要望もありがとうございます。
これまで使用いただいていた方はこれからも使用、まだの方は使用の検討いただけますと幸いです。
これからもよろしくお願いいたします。

本題は以上になりますがせっかくなので iwaSync の歴史を書き残したいと思います。

iwaSync の歴史

○2018/11/09 - 基礎技術の確立

イワシクラスタ内でビデオプレイヤーに繋がる基礎技術が確立される

○2018/11/10 - SyncVideoPlayer v1.0 の公開

誰でもダウンロード可能な形でイワシメンバーの自立さんによって公開
※初版は「SyncVideoPlayer」という名前でした
併せてイワシクラスタの作業ワールドに設置
※作業ワールドは通称「鰯潜水艦」と呼ばれていました
※ワールドの正式名称は「iwashi_city」でした
当時、海外製の動画プレイヤーやSDK付属のサンプルも存在していましたが共通して「インスタンスのマスターしか動画を入力できない」という制約がありました。
iwaSync はこういった制約がなく "誰でも動画が入力できる" ため現在の動画視聴文化を大きく育てたきっかけになったのではないかと思います。
また他のプレイヤーでは再生がうまくされないことが日常茶飯事でしたがそういった部分でも技術的改良が加えられており安定して再生することができました。

○2018/12/21 - iwaSyncVideo v2.0 の公開

名称が「iwaSyncVideo」という現在の通称である「iwaSync」が付く形に変わりました。
大きな機能追加として現在と同じ形でVideoとLiveボタンが実装され、Liveを選ぶことでライブ動画を安定して再生できるようになりました。
内部では「iwaSyncStream」というものも存在していました。
この時の外観から現在のバージョンまで慣れ親しんだ操作を損なわないよう大きく UI を変えないようにしています。
アスタリスクの花言葉の9部屋目と言えば見覚えがある人もいるのではないでしょうか。

○2019/08/25 - iwaSyncVideo v2.3 の公開

ikuko がメンテナーとして引き取り、当時最新の SDK に対応したバージョンを公開

○2021/01/10 - iwaSync v3.0.0 の公開

最新の VRCSDK3/U# に対応したバージョンを公開
まだこの頃のものは移植しただけだったため搭載していた機能は v2.x とほぼ同じでした。

○2021/08/24 - iwaSync v3.1.0 の公開

改めて v3.0.0 から全て作り直し様々な機能追加を行ったバージョンの公開を行いました。
巻き戻しや早送り、シーク、などなど現在よく使われている機能が入ったのはこのバージョンからです。

以上のような流れで現在の形の iwaSync に落ち着きました。
皆さんが見たことあるバージョンはどれでしたでしょうか。

私の想い

あまりこういったことを書くタイミングもないので拙い文章ですがここに少し私の想いをしたためたいと思います。

よく「有償で販売しないのですか？」と聞かれることがあります。
これに対しは一貫して "ノー" で、今後も無償で更新を続けていますし配布も続けていく予定です。

歴史でも少し書いたように iwaSync はイワシクラスタのメンバー達による沢山の研究による知見の積み重ねによって生まれました。
当時は公式から詳細なドキュメントが公開されることもありませんでしたし Udon のような便利なものも存在しませんでした。
その頃を知っている人は当時の開発の難しさを知っているでしょうし、非常にたくさんの労力がかかったものが公開されたことは大きな意味を持ちました。
そしてそれによって「可能になったこと」はとても大きく現在の動画視聴のあり方の基礎になったと考えています。
それまでの動画視聴はワールドにあらかじめ決められたものを見る、マスターのような決められた人が入力する、入力できたとしてもうまく再生できない、ということが多く動的なコミュニケーションの話題に合わせて再生するようなものではありませんでした。
今現在では作業中は落ち着いたBGMを流したり、話題のつまみになる動画をその場で流したり、音楽ライブの配信に使われたり、様々な人と人とのコミュニケーションの場で様々な用途で使われるようになりました。
4年前に公開されたことによって示された可能性によってたくさんの未来が開かれ現在のコミュニケーションへ与えたものは大きいと思います。
これからもこのような動画視聴の文化がなくならない限り更新を続けていく気持ちです。

とはいえ、動画再生はパソコンに入っているソフトウェア（※WindowsなどのOSや他に入れているアプリなど）やハードウェア（※CPUやグラフィックボードなど）、VRChat が提供する SDK やそもそもの VRChat のバージョン、果てはインターネット回線などなど、様々な要因から影響受けやすく、不具合が発生しやすいです。そのため手元でも複数の検証環境を用意していますが手持ちでカバーできない場合も多くあります。
この辺りについて寄付してもよいという方は Amazon 欲しいものリストや Booth 上から有料版を購入して頂けることで金銭的な面でサポートできますので余裕のある方は寄付頂けると嬉しいです。
これからも今後も無料版と有料版で配布物の内容を変えたりすることはないので安心してご利用ください。

謝辞

最後に、謝辞になります。

○iwaSync をご利用いただいている方々
○iwaSync の情報を発信してくださっている方々
○iwaSync の外部アセットを公開していただいている方々
○iwaSync へ寄付などサポートして頂いている方々
○イワシクラスタのメンバー

他にもたくさん書きたいことがありますが今回はこの辺りで。
これからも iwaSync のご利用よろしくお願いいたします。