この手紙へ5日以内に返事をくれたらいいことが起こるかもしれない、、、起こらなかったら笑ってゆるして。
※1,750文字 長めです、ご容赦ください。
拝啓
エアコンのタイマーが切れて30分もしないうちに
暑く重い空気がまとわりつく寝苦しさで
日の出を待たずして目覚めてしまう今日この頃、
体調など、お変わりなくお過ごしでしょうか?
改まって
このような手紙をしたためておりますのは
こちらの記事に
妙に惹かれるものがございまして。
いやはや何と申し上げましょうか、
気恥ずかしさはぬぐえないものの、
衝動に動かされるまま、
そして何のネタも思い浮かばないまま、
書き始めております。
しかし衝動のままに書かなければ、
私は一生書くことはない小心者です。
ですので、手前勝手は承知のうえ、
ただただ、私の「うまい!」一杯へ
ご高配を賜りたく
恐れながらお便り申し上げます。
まず、礼儀として私自身のことを少々
お伝えしなければと思うのですが、
出自について語るのは
若干の抵抗がございます。
これは私に限らず、
この地に生まれ育った者の
共通の感覚やもしれぬと感じております。
出身県名を訊かれ、おずおず答えれば
「え?」
と、二度聞きされることもしばしば。
巷では耳慣れない文字並びなのでしょう。
仕事をしておりました頃には
全国会議で本拠地の東京へ
定期的に招集されておりました。
ここだけの話、地方から行く私たちはこれを
「参勤交代」と呼んで鼻白んでおりました。
当初は不本意ながら、
県名を名乗るだけで注目を浴びてしまい
入れそうな穴を探したものでございました。
まるで子供が鴨川シーワールドの生シャチを
初めて目の当たりにするかのような瞳を
向けられた経験は、おありですか?
「わー!私、そこの出身の人って初めてー!」
私はあります。
人口が最も少ない民ゆえ、
大都会東京でさえも出会う確率といったら
砂の中から欠けた歯の詰め物を
探すようなものでしょう。
ですので、
そのような反応は致し方のないことと
受け止めてはおりますけれども。
また、ここの良いところなどを訊かれて
「いや~、なんも無いですけど・・・」
と答える割合も全国一位の自信がございます。
少数派には
「なんも無いのがええんだ」と
答える者もおりましょうが、
それは悔し紛れを含みます。
いずれにせよ「なにも無い」は
主観的には事実、ということでございます。
マスコミの街頭インタビュアーが
肩をすくめて呆れるほど
自分が矢面に立つのを拒む県民性は
時を遡ること戦国時代、豊臣秀吉による
「兵糧攻め」に遭った黒歴史の屈辱から
「安易に外もんを信用するもんでない」
という警戒心を
DNAに刻み込ませたのやもしれません。
思いつくままに書き連ねていると
前置きだけで終わりそうです。
悪いクセです。
このお手紙の主旨と申しますか、
お願いがございます。
もしあなたがこのような私に
「飲みに行きましょう」と
お誘い下さることがあるとして、
「そうですね!今度ぜひ!」
非常に、あいそよく答えたとしても
「今度」とは「永遠に来ない時間」
そうご理解頂きたいということです。
あなたを嫌ってのことではございません。
これが我々県民の習性でございます。
一球目は見送る、というのが
我々の常とでも申しましょうか。
ですが、
心を開き、本当に打ち解けた暁には
「今度」とは言いません。
「いっ、いつにしますか?」
おずおずと恥ずかしそうに答えます。
あと蛇足ではございますが、
古事記に登場する「赤はだか」にされる
ウサギのことをご存じでしょうか?
サメを騙して自業自得ってお話です。
一般的には狡猾なイメージですが、
このウサギを嫌う者はここにはおりません。
私が近畿エリアへの移動手段として利用する
JRの特急は「スーパーはくと」といいます。
車内メロディもあの童謡「大国様」です。
そのほか、店、旅館、公共施設、海岸まで
ここにはやたらに白兎の
ネーミングが目につきます。
土産菓子にもそんなものがございます。
息子も幼少時にはこの名称の児童施設に
通っておりました。
なぜだか、みんなが好きなようです。
この白うさぎゆかりの神社と海岸は
うちからはクルマで15分ほどのところです。
ちなみに「大きな砂場」へも20分ほどです。
以上、
いつかお目にかかれることを楽しみに、
私の、いわゆる「トリセツ」として
お読み頂きますと幸いです。
あなたの「トリセツ」も
心待ちにしております。
あなたのことをもっと理解したいのです。
台風などの懸念も増える折柄にて
どうかご自愛下さいますよう。
長文にて失礼致します。
敬具