見出し画像

苦手意識の扱い方

私はつかまり立ちするより先に言葉をおぼえてカタコトを喋っていたらしい。大家族な上に来客の多い家だったので自然と言葉を覚えるのが早かったのだと思う。

第一子の長女なもんだから、過剰に世間体を気にする家の躾は厳しく、大人たちに人見知りして泣き、それを咎められて叱られては泣き。泣いてばかりいるからまた叱られて小さい私はカオスであった。

叱られたくないから子供ながらも懸命なサービス精神で大人に混じって喋っていると今度は「調子に乗るな」とか、「邪魔」「黙っていなさい」と叱られた。
だいたい、子供が加減よく振る舞えるわけがない。なのに営業成績の上がらない社員みたいにしゅんとしたことをよく覚えている。

課せられるミッションが高すぎたというか、いつも判定ジャッジがつきまとっていたので、今どんな受け答えをするのがいいか、どう話すと良い評価が得られるのか、そんなことばかり考える小賢しい子供であった。

私のコミュニケーションはそのような環境に大きく影響を受けて形成されたので小学生の頃は同級生が子供っぽく感じてしょうがなかった。
けれど、高校生辺りでようやく違和感に気づく。

周りの友だちの話題に合わせることはできるのだけど、誰と何を話しても楽しくない。
表面的には冗談を言ったり同調して繕えるけれど、何だかいつもつまらない。自由に、好きなことを話すという楽しさが自分にはわからない。
一緒に笑って話しているのにポツンと一人。そんな感じ。

この感覚をどう説明していいかわからず、10代後半は会話に落ちこぼれているのを悟られないよう頑張っていた。

話すことだけでなく、絵を描くのも、作文を書くのも、何を書きたいかより、どう書くのが正解なのかが気になってしょうがなかった。
ニーズに沿えない自分には価値がないと思っていたのかもしれない。

コインの裏表みたいに、『思いのままに』『自由に』への苦手意識と欲求が交錯している感じだった。

社会人になってからは必要とされるスキルを習得して枠に収まっていればいいので、『自由に』とか『思いのままに』から解放されたように思えた。
でも一方で、批判されたり、つまらないと思われるんじゃないかという強迫観念と緊張で、暑くもないのに脇汗にまみれていた。

こうして振り返ってみると、10代20代の頃の無気力だった原因が今はよくわかる。たぶんセルフネグレクトってこういうことなんだろう。
自分につきまとう妙な罪悪感や怒りもきっとこれのせい。
『自分を大事にする』ということがまるでわかっていなかった。


昨年4月から週一回スタエフで配信を始めた。
一年間続けた。
動機はシンプルで好奇心だけなのだが、たぶん自分の苦手意識をちゃらにしたい願望があったように思う。

音声配信は『自由に話して楽しむ』という苦手意識ブロックを外すことができるツールかも?と期待していた気がする。

で。
毎回、ざっくりテーマだけを決めて30~40分程度、思いつくまま話してみたのだけれど。半年過ぎた頃には飽和状態になった。何がしたいのか、どうしたいのかわからなくなった。

喋るって、実はそれほど好きではないのかな?と思ったり。自分の話すことをつまらないと感じるもう一人の自分がいた。

話す楽しさがわからない。「楽しいって、これでいいのかな?」と正解を求めて戸惑う私。
自分の話したいように話せているのか?それもよくわからないというありさま。

それでも一年間続けられたのは、ずっと変わらないテンションでアシストしてくれた仲間(ユハコさん)がいてくれたからだ。

けれど、一年間続けてみて、自分をジャッジするもう一人の自分に嫌気がさして気持ちが萎えてしまった。
発芽するはずだった芽はすっかりしぼんでしまった。

これが八か月前、の私。



【一人芽🌱】
毎回、話し終えた後に残る憂鬱さや落胆を抱え、一方でそんな自分を「ばかじゃないの」と哂う。
そんな邪な配信だったのに、ずっとエールを送って下さる方がいた。

先日、ユハコさんのライブに参加しているとき、彼女に「話しませんか」と気づいたら呼び掛けていた。速攻でOKの返事がもらえた。

そしたら、何だか元気が出て来た。
ずっとエールを送り続けてくれたみらっちさんだったからかもしれないし、獅子座パワーかもしれない。
私は火のエレメントにいつも救われる。

話したい気持ちが湧いて来たというより、「アプローチを変えてみたらどうだろ?」と、しぼんでいた風船がふわっと膨らんだみたいに好奇心がムクッと首をもたげて来た。

私のエネルギーの成分は好奇心と怒り。

怒っているときに洗うと、鍋の焦げ付きなんかも「ホントはこんなにキレイだったの⁉」と、ビビるほどにピカピカになったりするし、好奇心も強い衝動を発動してくれる。この二つが揃えばたいていのことはやれる気がする。

『オラクルカードを引きながら話してみる』という提案をもらって、みらっちさんにカードを引きながら進めた。

みらっちさんは笑い声のバリエーションが豊かな人だと気づいた。
もっとその笑い声が引き出したくて「ヒトがキライなんじゃないですか?」と思わず突進してしまった。

言いながら、それは私の方なんじゃないの?と思った。
誰かと話すということは自分の無意識を見つけることでもある。

みらっちさんとはもっと『刺激』に対する『反応』に預けてみてもよかったかもしれない。

思うままに、自由にって、そういうことだったりするのでは?

獅子座は人生を愉しむことを教えてくれる王者なんだもの。



【二人芽🌱】
sou.さん。
彼女は射手座。やはり火のエレメント。

彼女の配信スタイルは『思うままに』『自由に』である。私に足りないものを当たり前に持っている(ようにみえる)。
※ほとんどアーカイブも残さないのが彼女のスタイル。

「え?自由って酸素のことですよね?」と、すんとして言いそうだ。


『青菜に塩』というが、射手座にとっての塩は『窮屈』

彼女の『思いつくままに』に便乗してみた。
納豆の糸みたいにずるずるだらだらとどこまでも話していられる妙がある。
しかも若いのに違和感がない。実は魂が大年寄りなのかもしれない。

自分がラクに乗っかれて愉快だった。

その裏付けになるのが「ほいで」だと気づいた。

ほいで:それで。 そういうわけで。
前の話を受けて、次の話をうながす順接の接続詞。

※方言というわけでもない

私の特徴的な口グセらしい。
ぜっんぜん気づいてなかった。無意識にそう言っている。

「言ってないです!」と反論してみたものの、アーカイブで確かめたら連発していた。

どうして「それで」を「ほいで」と放っているのか謎。
私の地元の方言だと「ほんで」なんだけど、なぜか私は「ほいで」と言っている。

リラックスして話せているときのひとつの目安なのかも。

KIKIさん、気づかせてくれてありがとう!
やっぱり乙女座♀は繊細な視点がありますね。

めちゃくちゃハズいです。


そうして

【三人芽🌱】
乙女座登場。西野圭果さん。

スキあらばけしかけたがる双子座をものともせず、奥ゆかしくかわして行く姐御肌の乙女座。

「そうですよね?」「いいえ、違います」
意見の相違をソフト~に打ち返せる技の妙は乙女座ならでは。後半の私はそんな彼女に何かを売り付けようと粘る勧誘員みたいになってしまった。

私はちゃんと会話が出来ているのだろうか。



人にはそれぞれ何かしら苦手意識があって、たとえそうは見えないとしても内側には色んな葛藤を抱えていたりする。

私が「人見知りする」「話すのが苦手」と言っても誰にも信じてもらえない。「詐欺罪に相当するぞ」と笑った人もいた。もうどうでもいいけど。

苦手意識は克服しないといけないと思い込んで半世紀。ようやく、そんなことしなくてもいいと思うようになった。
苦手なら苦手のままでもいいし、嫌わないで観察してみるのも悪くないかもしれない。

苦手意識は自分が見たくない感情の蓋なんだと思う。
開けて見れば案外そんなに怖いものではないかもしれない。忌み嫌って遠ざけているからよけいに怖くなっていただけかもしれない。

苦手な野菜も調理を変えれば実は美味しいとわかったりするし、歳を取って感性の幅が出来ると「あれ?何でキライだったんだろ?」ということも少なくない。

「話す」も調理を変えてやってみようということで。
色んな方をゲストにお呼びして星座を切り口に『おたねと発芽🌱』を不定期、単発的にやろうと思っています。

※12星座コンプリートを目指しています。

noteでの交流も不思議なことにリアルなお付き合いと同じで『射手座』『乙女座』『牡羊座』が圧倒的に多い。

で、

お客さまの中に『天秤座』『水瓶座』の方はいらっしゃいませんか?

いらっしゃいましたら
お近くの客室乗務員までお知らせください~


3000文字かけて実はすべて最後の呼びかけへの誘導だったのかと怒らないでください🙇
あなたの星座は何ですか?



いいなと思ったら応援しよう!