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【音楽制作】ボーカル録音[ノイズ除去パワーアップ編2]

ボーカル録音時のノイズ除去をパワーアップしたよ、っていうシリーズの第2回目です。
前回の記事はコチラです。↓

前回は、ノイズ除去向けプラグイン・ツールと呼んでもよいであろう、iZotope社の「RX 10 Elements」を「RX 11 Standard」にアップグレードした旨の話をしました。
今回は「RX 11 Standard」の具体的な使用法について記載します。

Studio Oneにおけるノイズ除去向けプラグインの使用
私が普段から使っているDAWの「Studio One 6 Artist」において、ボーカル録音時のノイズ除去向けプラグインの使用法について書いていきます。
ちなみにDAWとはDigital Audio Workstationの略語で、パソコン上で作曲や録音、ミックスなどの音楽制作を行うためのソフトウェアを意味します。
「Studio One 6 Artist」は、そのソフトウェアの名称で、日本国内でもシェアを伸ばしていると評判のDAWです。

さて、「Studio One 6 Artist」のボーカル録音用のトラックにプラグイン・エフェクトという形で各種ノイズ除去向けプラグインを追加していきます。で、追加したプラグインの並びが以下です。

ノイズ除去用プラグインの並び

上記プラグインに関し、細かく見ていきましょう。

Gate
プラグインの並びの最上位にいるのが「Gate」です。こちらはiZotope社の製品ではなく、「Studio One 6 Artist」に付属するプラグインです。
まずはこれでボーカル録音時に入り込んだ「周囲の雑音」を消すことが可能です。
「Gate」自体は以前から使っていて、特に変えておらず、設定をカスタマイズした画像は以下の通りです。

Gateのカスタマイズ設定

「Gate」に関する詳細は以下の記事に書いています。


RX 11 Voice De-noise
さて、ここからがiZotope社の「RX 11 Standard」のプラグインの登場です。
まずは「Voice De-noise」です。
「Voice De-noise」は、音声のバックグラウンドノイズを軽減して、音声を聞きやすくするためのプラグインです。
この「Voice De-noise」をRX 10からRX 11にアップしました。
設定画像は以下です。デフォルト設定のまま使っています。

Voice De-noiseの設定


RX11 Mouth De-click

お次は「Mouth De-click」です。
「Mouth De-click」は、クリック音や唇を鳴らす音などの口のノイズを検出して低減するためのプラグインです。いわゆる「リップノイズ」除去向けのプラグインです。
「RX 10 Elements」のようなElementsシリーズには含まれていなかったプラグインで、「RX 11 Standard」で漸く使うことができました。
設定画像は以下です。デフォルト設定のまま使っています。

Mouth De-clickの設定

ちなみに、「Mouth De-click」は2重にかけています。これにより、1つめの「Mouth De-click」で除去できなかったリップノイズを2つめの「Mouth De-click」で除去できる場合があるようです。

RX11 De-click
最後に「De-click」です。
「De-click」は、デジタル エラーによって発生するクリック、口の音、携帯電話からの干渉など、さまざまな短いインパルス ノイズを除去するためのプラグインです。
「Mouth De-click」を使えば「De-click」は不要かも、という気がしますが、「RX 10 Elements」のときに使っていたので、一応「RX 11 Standard」の方でも使っています。
「Mouth De-click」と同様に「De-click」も2重にかけています。
設定画像は以下です。RX 10と同様に「Algorithm」には ”Multi-band (random clicks)” を指定します。

De-clickの設定


効果の違いについて

さて、「RX 10 Elements」から「RX 11 Standard」にアップし、「Studio One 6 Artist」にて上記のようなプラグイン設定を行った結果、ボーカル録音時のノイズ除去がどうなったかというと…ハッキリと改善されました♪

特にリップノイズが除去されやすくなったという感じがします。
小さめのリップノイズであれば、以前と比べて除去できるケースが多いです。以前は小さくなるけど、まだ聞こえるというケースが多かったのに対し、今回のパワーアップ版では、聞こえないレベルまで除去してくれることが多いです。
一方、ハッキリと大きめに聞こえるリップノイズは、以前と同様に除去できない場合が多いです。ただ、こちらの方は歌い方で回避しやすい気がします。
なので、小さめのリップノイズの除去率がアップするだけで、個人的にはボーカルの録り直し頻度がだいぶ減った感じです。


さいごに
というわけで、「RX 10 Elements」から「RX 11 Standard」にアップしたことで、ボーカル録音時のノイズ除去が改善されたという話でした。
もしかしたら個人差があるかもしれませんが、「RX 11 Standard」は、なかなか良さげな印象です。

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