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スケジューリングを売る数理系ベンダーへの提案

単一工程でのスケジューリング、意味ないですよ。
複数工程もある?それ、協調が前提ですよね。
同じ社内でも工程間は協調じゃなくて非協調ですよ?
つまり、複数工程のスケジューリングはゲーム理論ですよ?

パレート最適(全体最適)解を出してませんか?
現場の答えはナッシュ均衡です。


◯ポイント
・複数工程にまたがるスケジューリングは駆け引きである。
 つまり非協調ゲームである。
・スケジュールは必ず狂う。
・各工程の熟練者はサボらないが、自工程の為に活動する。
 現場の判断を舐めてはいけない。そんなに悪くない。
 再計算の暇があれば、現場の判断の方が速い。
・各工程は評価指標が異なり、部分最適である。
・シワ寄せは後工程に行き、大抵はコストアップになる。
・コストアップの犯人は物流費である。


ジョブショップ型の現場では一人が複数工程を持つ場合があるので、この現象は起こりにくいのです。
フローショップ型の現場で複数工程が跨ると、中間製品の置き場一つで前後工程が場所を取り合って非協調ゲームです。(その無駄な陣地取りの結果、本来は不要な外部倉庫を使う羽目になったり)


24時間生産体制の現場ではA,B,Cの三班が12時間交代でシフトを組みます。すると昼勤と夜勤の間でも競争が働くので、製造条件の悪い仕事をお互いに押し付け合おうとしてスケジュールを崩します。ここも非協調ゲーム。

例)12時間中に10回機械切り替えがあると、稼働率は10%程度に落ちるでしょう。だから、少しでも大ロットの仕事を自分の勤務内に着手したいと思うでしょう。何故ならば、現場の評価指標は自分の班の生産量/月だもの。

だとすると現場のこうした行動を抑制するには、スケジューリングと同時に評価指標を変えてやらないとならないのです。そうでないと、生産計画なんて誰も守りませんよ。


どうして現場が生産計画を守らなくてもいいのか、意味が分からなかったら勉強が足りませんね。


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