見出し画像

クビにならない為の技術屋のマーケティング

最新巻が出ましたね。マーケティング6.0 読みますかね。
しかし、ここでは1.0から行きましょう。


まずは、マーケティングの定義から。
私は印刷業界に入社して、出版印刷畑をずっと歩んできました。
言われ続けたのは
 「現場を効率化しろ・新しい機械を入れろ」
 「新しい機械を入れれば、多く生産できるから儲かる」
これに疑問を感じませんか?私はそうやって育ってきたので、まるで分かりませんでした。ここに足りないのは「売れるようにする」という概念です。


このニュースは最近読みました。しかし、もっともっと前にこの事は書かれていました。👇この本。

記憶で書きますが、レナウンが没落した理由を書きましょう。
①とにかく服を作った。
②作った服を売り場(主に百貨店)に押し込んだ。
③何が売れたのか、売れなかったは調べなかった。


「私達が作った物は、店に置けば売れる」

これをセリングと言います。

ではマーケティングは?

「お客様に買ってもらえるようにする」


興味が無い人が殆どだと思いますが、そういう会社はそのうち衰退して潰れます。


どこでも良いのですが、テレビ業界を参考にしましょう。
昔はブラウン管TVでしたが、デジタル放送になって液晶TVに切り替わりました。シャープ亀山工場という”ブランド”が登場しました。あの頃の技術者は次に何を作ろうか?と模索していた筈です。ハイビジョンテレビの登場です。最初は100万円近くしました。

https://ascii.jp/ascii24-img/2006/08/31/imageview/images818043.jpg.html

その後に出たのは、更に解像度を上げたフルハイビジョンでしたか。多くのお客はそれを買い求めました。つまり、ニーズとシーズが一致した良好な状態だったのです。

確か、その後だったか(時期的に正確な事はここでは問題視しません)3Dテレビとか不思議なものが出てきました。更に。4K、8Kテレビと解像度を次々と上げた製品が登場してきました。ごく一部の大きな会議室とかでは4Kテレビは重宝すると思いますが、日本の一般家庭で4Kテレビの解像度は必要ですか?思ったとおり、そこで売れ筋はピタッと止まりました。これはシーズがニーズを追い抜いてしまったのです。

この本に詳しいので、興味ある方は読んでください。


さて、出版業界。どうなっているかご存知ですね。あなたの町に本屋(TUTAYA、古本屋、ブックオフは除く!)は何件ありますか?うちの町内はゼロです。

理由ですか?
①とにかく本を作った。
②作った本を売り場(主に本屋)に押し込んだ。
③本屋の売り場面積よりも、作った本の量の方が大きくなった。

どこかで見たことがありませんか?少し前に書いた、レナウンと同じです。
印刷会社はこれに便乗してきた訳です。黙っていても仕事は来る。マーケティングって何?そんな活動は不要。気合と根性。そして今に至ります。


ちなみにですが、出版社大手(5社くらい)は黒字です。紙の本で儲ける戦略を辞めて早々にコンテンツで儲けるビジネスモデル(電子書籍ではありません)に切り替えたからです。これには驚きました。凄いですね。


さて、ここまできて確認しますが、あなたは技術屋ですか?
展示会で最近は技術屋さんを良く見かけるようになりましたが、きちんと説明出来ていますか?

「具体的にどうしたらいいんだよう…」と嘆く方は、こちらを読んでください。とてもわかり易い。一般にBtoBマーケティングの説明の方が技術屋にはしっくり来るでしょう。BtoCはなんというか… 概念的すぎる。


あとはそうですね… ARとかVR。あれも展示会に行くと気になるのは「出来ること」ばかり言ってるんですね。私達ユーザーが何に困っていて、それをどう解決するのかを言っていない。だから魅力を感じません。Googleとかマイクロソフトはやはり言い方が巧いですね。


NECさん… とっても不思議で注目しています。展示会に行くと巨大な面積のブースを出していて100万円はするんじゃないか?と。そこに配置されているのが開発者っぽい技術者中心。マニアックな質問をするとそれはそれは丁寧に答えてくれます。助かるんですが、彼らは一切名刺交換をして来ません。何かの研修の一貫なのかなぁ?といつも不思議です。

展示会というのはそれに興味を持ってる客(リード)を捕まえて名刺交換でその資料を得る。その後にインサイドセールスが電話を掛けて、フィールドセールスの面談に持ち込むというのが基本的なマーケティングのテクニックです。それをやらないので、さぞかし壮大なマーケティング戦略なんでしょうね。最近ではQRコード読みをやりますが、それすらも無いんですよ。


六本木に本社を持つ某プリント関係のメーカー。そこで展示会が行われてた時も印象的でした。皆が集められて、今度の新製品はインクジェットの塊が何ミクロンだとかスーパーくだらない話を延々としています。
「それ、最終消費者が欲しい情報?なんのメリットがあるの?高品質って言いたいのは200%分かるけど、だから何?インク粒が何ミクロンだろうと、四角でも三角でも、どうでもいいんですけど。」
これがセリングですよね。機械メーカーにはこういった所が多いです。

対照的なのがビッグサイトで見かけた封入機メーカー。機械スペックとか言わずに、自分たちで考えたであろうイラスト入りお菓子の袋を作る様子を見せてくれました。凄く分かりやすい!機械的なスペックはその後で良いんです。これがマーケティングですよ!


典型的なセリング技術屋の報告。
「品質検査装置を導入したので、100枚/日の不良を発見できました!」
それが何?不良が出るのは変わらないでしょ? 不良の流出を抑止するのは当たり前で、不良が出ない様にするのがあなたの仕事でしょ?
不良件数が100/日だったのが、50/日になりました!っていう報告なら意味が分かるけど。
多分、言われてる方は何故怒られてるのか理解不能でしょうね。

さっさと、セリング思考から卒業してくださいね。クビになりますよ。

いいなと思ったら応援しよう!