見出し画像

中間倉庫を用いた物流効率化を機械学習で計算する

これは通常、数理最適化の考えで行う。でもそれだと色々と問題がありましてな…(詳細は言えんが) 何とか機械学習で出来ないものかと。

中間倉庫を利用して複数工場から出発した荷物を、場合によっては中間倉庫で混載して場合に寄っては工場から納入地まで直送します。使用可能な車は離散的に変化して一般には大型車にするほど単位あたり運賃は下がります。 この問題を行列分解では難しそうですが、テンソル分解を利用して効率的に解く方法はありますか?

プロンプト

そうなんだよ。2次元の行列じゃぁ表現できないんだよ。
グラフネットワークにするとグッチャグチャになっちゃうし。
数理最適化でも決して分かりやすいとは言えない。
テンソルか…
3年くらい前にMathematicaで計算できないかなぁ?と思ったけど、勉強している途中で頓挫した。
今は生成AIがある!

この問題は「工場→中間倉庫→納入地」の3層ネットワークにおける輸送最適化問題であり、以下のようにテンソル分解を活用することで、効率的に解を導き出せる可能性があります。特に、テンソル分解を用いることで、複数の荷物、車両タイプ、中間倉庫の使用パターンをモデル化し、複雑な関係性を簡潔に表現できます。

テンソル分解によるアプローチ
1. 問題をテンソルで表現する
輸送問題のデータをテンソル形式で整理します。テンソルの各次元を以下のように設定します。軸1: 出発地(工場)
軸2: 中間倉庫(直接配送の場合は「直送」を仮想的な倉庫とする)
軸3: 納入地
軸4: 車両タイプ(小型車、中型車、大型車など)
軸5: 時間帯または日付(可変需要対応)

テンソル要素(エントリ)には以下の値を格納します:配送コスト、または需要(荷物量)、車両利用可能性などを表すスカラー値。

例:3次元テンソルT(i,j,k,v,t)→工場 i, 倉庫 j, 納入地 k, 車両タイプ v, 時間 t のコストまたは荷物量T(i, j, k, v, t) \rightarrow \text{工場 \(i\), 倉庫 \(j\), 納入地 \(k\), 車両タイプ \(v\), 時間 \(t\) のコストまたは荷物量}

2. テンソル分解の適用
(A) CP分解 (CANDECOMP/PARAFAC分解)
CP分解を適用し、輸送コストや車両配置パターンを「潜在的な特徴」に分解します。
T≈∑r=1Rλr⋅ar⊗br⊗cr⊗dr⊗erT \approx \sum_{r=1}^{R} \lambda_r \cdot a_r \otimes b_r \otimes c_r \otimes d_r \otimes e_rara_r: 工場ごとの潜在特徴
brb_r: 中間倉庫(直送含む)の潜在特徴
crc_r: 納入地の潜在特徴
drd_r: 車両タイプの潜在特徴
ere_r: 時間帯の潜在特徴

これにより、複雑な「工場↔倉庫↔納入地」の関係を少数の潜在因子で表現できます。

(B) Tucker分解
Tucker分解を用いると、テンソル全体をコンパクトな「核テンソル」と「モード行列」に分解します。T≈G×1A×2B×3C×4D×5ET \approx G \times_1 A \times_2 B \times_3 C \times_4 D \times_5 EGG: 圧縮された核テンソル(重要な関係性を凝縮)
A,B,C,D,EA, B, C, D, E: 各次元(工場、倉庫、納入地、車両タイプ、時間)のモード行列。

これにより、各次元の重要なパターンを見つけつつ、相互作用を核テンソルで把握します。

3. 分解結果の解釈
分解後のテンソル成分を以下のように解釈します。
工場・倉庫・納入地の特徴マトリックス:
CP分解やTucker分解で得られる行列は、各施設や車両タイプの効率性やコスト影響を示します。
例: 特定の工場から特定の倉庫を経由した場合の低コストルートを抽出可能。
車両タイプ別の輸送効果:
潜在特徴で車両タイプごとの効率性(コスト/荷物量)を評価。
時間依存性の分析:
各時間帯における需要変動や効率性の変化を把握。

4. 最適化への活用
テンソル分解の結果を使って、最適なルートと車両選定を導き出すために以下を実施します。

(A) 混載のパターン抽出得られた潜在特徴を使って、どの荷物を混載するべきかをクラスタリング。
同一車両で運ぶ荷物グループを生成。
例: 「工場Aと工場Bの荷物は倉庫Xで混載し、納入地CとDへ分配」。

(B) 直送 vs 中間倉庫の判断潜在特徴をスコア化して、直送か混載かを選択。
直送条件: コストが倉庫経由より低い、または時間制約が厳しい場合。
混載条件: コスト効率が高く、需要が一定以上の場合。

(C) 車両タイプの選定大型車利用時のコスト削減効果と混載可能量を評価。
テンソル分解後の車両特徴を基に「このルートでは中型車が最適」などの決定。

5. Pythonでの実装例

テンソルの構築
import numpy as np import tensorly as tl from tensorly.decomposition import parafac # 配送データをテンソルに変換 tensor = tl.tensor(np.random.rand(10, 5, 8, 3, 24)) # 工場×倉庫×納入地×車両タイプ×時間

CP分解
# ランク3でCP分解 factors = parafac(tensor, rank=3) # 各次元の潜在特徴 factory_features, warehouse_features, destination_features, vehicle_features, time_features = factors

混載パターン抽出
# 工場や倉庫の特徴を基にクラスタリング from sklearn.cluster import KMeans kmeans = KMeans(n_clusters=3) clusters = kmeans.fit_predict(factory_features) print(clusters) # 各工場のクラスタ割り当て

6. XAIや統計的因果探索の活用SHAP値で重要要因の特定:
テンソル分解結果を入力とする機械学習モデルにSHAPを適用し、コストや混載効率に寄与する要素を解釈。
因果モデル(DAG)構築:
「工場配置→中間倉庫利用→コスト効率」の因果関係を明確化。

テンソル分解は、問題の次元削減や複雑なパターンの抽出に非常に有効です。このアプローチにより、複数工場・倉庫・納入地の間で最適な輸送戦略を効率的に設計できます。具体的な実装やモデル選択の支援が必要であればさらに詳細にお手伝いします!

回答

今日はメモ程度。後日、再チャレンジ!

いいなと思ったら応援しよう!