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OSはなぜ必要か?(前編)

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。2021年6月10日の朝を迎えました。愛媛松山は晴れのいいお天気となっています。とても梅雨とは思えない暗いいいい晴れ間が広がっています。もう夏日や真夏日の日も増えてきて、夏本番近しと行ったところでしょうか?熱中症にかかる方も徐々に増えてきていますので皆さんもお気をつけください。

さて、前回のブログネタでコンピュータを構成する主だったハードウェアはほぼ紹介し終えました。まだ光学ディスクドライブやUSBメモリなどの紹介は終わっておりませんが、最近のコンピュータにはもう光学ディスクドライブはついていないものも増えてきています。一昔前までは当たり前に搭載されていたものですが、現在はUSBメモリにソフトを入れて販売するスタイルや、インターネットを経由してダウンロード販売を行う形態が当たり前になってきました。

さて今日のブログネタは前回お話したとおり、OSについてお話します。過去の記事に何度も出てきた「OS」というワードですが、詳細はお話してきませんでした。コンピュータ超初心者の方にとっては謎のワードとなっていたと思います。タイトルの画像にある様々なロゴですが、これらはすべてOSのロゴです。中には見たことがあるデザインもあるのではないでしょうか?一口にOSと言っても、PCで扱うものからサーバで扱うものや、スマホ用のOSもあります。有料のものもあれば無料のものもあります。今までのブログネタのタイトル画像は何かしら金属部品の写真を使っていましたが、今回はそうではありません。そうです。今回ブログで扱うネタは金属部品ではありません。ソフトウェアです。

前回のブログの締めで申し上げたとおり、OSがなければコンピュータはただの金属部品が詰まった箱でしかありません。PCでもゲーム機でも、スマホでもサーバでもそうです。コンピュータは電子計算機です。つまり計算するものが必要です。コンピュータが計算できるものは数値です。端的に言えば0と1で構成されたプログラムやデータです。皆さんはコンピュータプログラムというものが存在することはもうすでにご存知でいらっしゃると思います。超がつくコンピュータ初心者の方でも、コンピュータはプログラムされたとおりに動くということは、コンピュータを扱った映画を見たことがあったり、コンピュータゲームで遊んだことがある方であればピンとくると思います。コンピュータは指示されたとおりに動き、超高速で計算間違いが一切ない状態で結果を出します。結果が間違っているのならそれはプログラムかデータが間違っています。そして計算指示を与える指示書がプログラムです。プログラムの種類は多岐にわたりますが、その中でもコンピュータの根幹を動かす指令書がOSとなります。

ではOSについて深堀りしていきましょう。OSというのは略称で、正式にはオペレーティング・システムといいます。日本語では基本ソフトとも言われます。頭文字を取ってOSと呼ばれているわけですね。やっと謎が解けました。オペレーティング、つまりコンピュータを「運転・操縦する」ためのシステムです。車で言えば運転・操縦を行うのはハンドル・アクセル・ブレーキにギアチェンジを行うシフトレバーということになりますが、コンピュータの運転・操縦を行うのは入力機器となります。例えばPCやサーバであれば基本的にはキーボードとマウスです。ゲーム機であれば標準で付属する専用コントローラです。スマホであれば画面でもあるタッチパネルです。今回は主にPCで説明していきますが、最近のゲーム機やスマホでも同じですので、置き換えて見ていただけると幸いです。

ではなぜOSが必要なのか?ということですが、一昔前のコンピュータは以前ブログネタでも申し上げたとおり、プログラミング環境をそのままOSとして利用していました。OSという概念はまだなく、BASICというプログラム言語の開発環境がROMに入っていて、それが簡易OSとして機能していました。どういう事ができたのかというとファイルのコピーや削除・ディスク(HDDやフロッピーディスク)の初期化(フォーマット)・アプリケーションソフトの読み込みと実行が可能でした。画面表示は黒バックの画面に文字入力を促すカーソルが点滅しているだけで、マウスはまだ存在していません。わかりやすく言うとエディタソフト(メモ帳)を起動したような感じの画面が全画面表示されていて、そこにコマンドと呼ばれる命令をキーボードから入力してPCに命令を出していました。メモリの容量がまだ非常に少なく、余計なデータやソフトを記憶できなかったり、CPUの処理能力も貧弱で1つのソフトを動かすのがやっとの状態だったのです。つまり、ゲームを動かしている間はゲーム以外のソフトは動かないというわけです。ゲーム機も同じ状態でした。

ゲーム機に関してはBIOS(バイオス)と呼ばれる簡易的な入出力プログラムが搭載されていましたが、これらはあくまでもゲーム機本体の設定を行うためのもので、OSと呼ばれるものではありませんでした。ゲームソフトに本体を動かす主だったプログラムが入っていて、ゲーム機はゲームソフトのプログラムに従って動いています。ゲームを起動するとコントローラが入力機器としてゲーム側に認識され、ゲームを動かすことが可能になります。ファミリーコンピュータのようにBIOSすらないゲーム機も存在しています。これらのゲーム機もメモリ容量が少なく、CPUの処理能力もまだまだ貧弱であり、ゲーム1つを動かすと他のゲームを同時に動かすことはできません。物理的にゲームソフトをゲーム機に差し込む場所が1つしか搭載されていないということもありますが、マシンパワーとしてもとても貧弱でした。初めてOSらしきものが搭載された代表的なゲーム機はプレイステーションでしょうか。それまでのゲーム機は基本的にゲームソフトを何らかの形でコンピュータに読み込ませなければ、コントローラは入力機器として動作しませんでしたが、プレイステーションはゲームソフトがない状態でも起動することができ、コントローラーを入力機器として認識し音楽CDプレイヤーとして動作したり、メモリーカードへアクセスしてゲームのセーブデータのコピーや削除が行えました。PS2からは本体の設定を行うBIOS的なメニューも搭載され、時刻の設定やモニターへの出力設定(4:3のスクウェア型モニターへの出力か16:9のワイドモニターへの出力かを選択可能)が可能になりました。

その後PCはどんどんハードウェアが進化していき、メモリの容量も増えていき、CPUの処理能力も上がっていきました。そうなるとコンピュータが処理・制御できる情報量や幅が増えるため、徐々にコンピュータの構成自体が複雑化していきます。例えば、今まではワープロソフトで作成した文書をモニターに表示することがやっとだったPCですが、メモリの容量が増え、HDDが搭載され、CPUの処理能力も向上し、物理的にプリンタを接続してPC側で動作の制御することが可能になっていきます。そうすることで利便性も増えますが、複雑化したコンピュータを人の力だけで制御するのは難しくなっていきます。そこでOSの必要性が増していくわけです。初期のOSは基本的にマウスが存在しておらず、キーボードからのコマンド入力で動くものでした。一見すると一昔前のPCのような感じでしたが、プリンタやHDD、プリンタを接続してPC側で制御することができるようになっていたり、ファイルシステムが構築されていたりして実際には複雑化しています。現在のOSのファイルシステムの基礎はこのときに築かれたと言ってもいいでしょう。

しかしファイルシステムが構築されたOS環境でより複雑化したシステムを扱える人は限られていました。やはり文字を打って命令を出す環境下でPCのシステムの全貌を画像のように頭の中に展開できる人はそうそういるものではありません。また当時流行っていたパソコン通信も相まって、PCはいわゆるコンピュータオタクが使用するものであり、電文を使用しての情報交換や連絡のやり取りを行うというのは一般の人からはよくわからない世界として長らく敬遠されていました。当時はまだネット専用回線がなく、PCをネットワークにつなぐためには電話回線を使用していましたが、PCがネットにつながっている間は電話が使えない状態になります。当時はまだ携帯電話はなく固定電話のみの時代ですので、PCで通信していると電話が使えなくなるということと、PCそのものが高価なものでしたので、PCを持っている人でもなかなかパソコン通信を行える人は少なかったと思います。PCもネットワークにつなぐこと前提で作られているわけではなく、主にスタンドアロン(ネット未接続)の状態で、仕事やゲームで遊ぶために使っていました。

乱暴な言い方をすると日本ではゲーム専用機は子供のおもちゃ、PCはオタクのおもちゃという認識がどんどん広まっていきました。企業では業務専用のコンピュータが導入されていて、それを使って業務を行っていましたが、基本的にデスクワークはまだまだ電話とペンと書類が主役でした。しかしそこへ革命が起きるわけです。長くなるため今回はここまでにしたいと思います。次回はOSの歴史の後編とその利便性についてお話していこうと思います。今回はOSというものが登場して、コンピュータの利便性が格段に良くなったという認識を持っていただければ大丈夫です。それではご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それでは失礼いたします。

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