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ゲーミングPCにおけるメモリの重要性

 おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。5月も終盤に入ってきました。もうすぐ梅雨入りかと思いきや、その前に夏の暑さがやってきましたね。私も先日扇風機を出しました。やっぱり快適でいいですね。皆さんも熱中症には充分お気をつけください。
 さて、前回のブログではゲーミングPCでのCPUの重要性についてお話させていただきました。ほとんどのゲームではグラフィックボードが重要視されるのですが、中にはCPUの性能が必要なゲームもあります。また、OSや各種ソフトの起動・計算、ネットワークを介したやり取りなどに関してもCPUは重要なので軽視するのはいかがなものか?というお話でした。

メインメモリの役割とは?

 しかしながら重要なのはグラフィックボードとCPUだけではありません。ゲーミングPCに限らず普通のビジネス向けのPCでも重要な部分があります。それがメインメモリです。メインメモリと私が常に書いているのは、メモリというものが様々な部品に組み込まれているからです。マザーボードにはUEFI-BIOSを記録するROM(リードオンリーメモリ)がありますし、SSDも基本的にはメモリです(EEPROMの発展型のフラッシュメモリが使用されています)。HDDにもディスクへ記録したり読み出したりする場合に一時的にデータをプールするためのメモリがついています。CPUにもキャッシュメモリというデータを一時的にプールするメモリがありますし、グラフィックボードにもグラフィックを記憶するためのグラフィックメモリがついています。
 それらと区別するためにCPUが計算した結果をプールするいわゆる商品解説欄に記述されている「メモリ」のことを私はメインメモリとブログに書いています

 少し前置きが長くなりましたが、メインメモリについての話を続けましょう。さて、メモリとは言いましたがメモリにも揮発性と不揮発性のものがあります。揮発というのは電源を切ると記憶内容が消えるものを言います。
 先ほどの前置きの話ではROMやEEPROMというものを例に出しましたが、これらは不揮発性のメモリです。要するにデータが記録されると基本的にはずっとそのデータを記録したままでいるというものです。ROMについてはこちらをご覧いただけると幸いです。
 メインメモリは揮発性メモリです。データを「記録」ではなく「記憶」します。情報処理試験の問題では「主記憶装置」と呼ばれています。感覚的にはストレージのほうがメインの記憶装置のように思えますが、実はCPUが計算に必要とするデータを読み込んで記憶しているのはメインメモリです。CPUに対して保存の命令を出すと、そこで初めてメモリの内容をストレージに記録します。Windowsではタスクマネージャを見ていただくとわかりやすいのですが、ディスク0(C)を見ていただくとおわかりの通り、ストレージに対してはほぼ負荷がかかっていないはずです。私の環境ではソフトの起動やストレージへの保存が行われていない場合は使用率はほぼ0%です。
 少々専門的な話になりましたが、要するにメインメモリとはCPUが計算するための材料だったり、計算した結果を一時的に記憶しておく部品です。これはゲームに限らず、PC上で動作するソフトはOSも含めてすべて同じ動作を行います。よくメインメモリはCPUが作業を行うための作業台というふうに言われますが言い得て妙だと私は思います。

メインメモリの容量はどのくらいがいいのか?

 ではメインメモリの役割がご理解いただけたところで、容量としてはどのくらいがいいのか?ということが最大の悩みになるでしょう。メモリの容量も2022年5月現在では最低8GBのモデルが多く売られています。場合によっては4GBのモデルもあるようですが、私は8GBより下のモデルはオススメしません。ビジネスモデルでも最低8GBはないと厳しいと思います。最近のモデルでは16GBのメインメモリが搭載されているビジネス向けのPCも多いですね。
 ゲーム用途や動画編集用途になると最低16GBは必須です。アプリの容量そのものも肥大化していますし、アプリ上でデータのやり取りや作成を行いますので、余裕を持って動かすためには16GBくらいはないと快適な動作が見込めません。メモリ容量が低いせいでフレームレートの値が安定せずに低くなる場合もあります。CPUの性能が良くてもなるのです。
 PCではゲームのデータ以外にもOSやドライバ・その他のユーティリティソフト・バックグラウンドサービス・ブラウザなどの各種ソフトがゲームと同時に動作しています。それらのすべてはメインメモリに記憶されるため、最低でも16GBはあったほうがいいということになります。これはゲームのジャンルは問いません
 ちなみに私の環境ではブログ執筆中はゲームを立ち上げていませんが、それでも8.2GBくらいの容量を消費しています。ウェブブラウザのタブを11個くらい開いているせいでしょう。OSや各種ドライバ、常駐しているアプリを入れてもだいたい4GBくらいは消費しています。ゲームを立ち上げるとだいたい10~11GBくらいのメインメモリ消費量になります。ちなみに容量のデータはWindows標準搭載のタスクマネージャのパフォーマンスタブ内にある「メモリ」からのデータです。

メインメモリのデータ転送速度とは?

メインメモリの容量についてはだいたいどの程度あればいいかがおわかりいただけたかと思います。では次に重要な要素としては何でしょうか?DDR4やDDR5と言った世代でしょうか?私個人としては2022年5月現在ではまだメモリの世代について言及する状況にはないと考えています。というのも、DDR5メモリはまだ出始めで、各ソフトがDDR5メモリに関して最適化されていないという背景があります。せいぜい最適化されているのはWindows11くらいではないでしょうか?いろいろ調べていると、「ゲーム・動画編集・ビジネス系ソフト」に関してはDDR4が。画像編集に関してはDDR5が優秀であるという話を聞いたことがありますが、2022年5月現在ではまだDDR4の方が優秀なのかな?という印象があります。
 少し話がそれましたがデータ転送速度のお話です。そもそもなぜデータ転送速度が重要なのか?ということになりますが、ストレージやCPUからのデータの受け取り速度が遅いとソフトの読み込みやデータの読み込みに時間がかかり、結果としてイライラするというところにつながっていきます。

 ソフトの起動に関してはそもそもスタートラインに立つのと同じですが、スタートラインに立つのが遅いとそれだけゲーム開始が遅れます。それにゲームにはどのようなグラフィックエンジンを使っているかとか、どのようなCPUやグラフィックボードに最適化されているかなどの情報を出す必要があります(一応ゲームもメーカーにとってはビジネスなので)。ゲームのタイトル画面が表示されるまでに何枚かのそのようなスポンサーだったり、メーカー外部のグラフィックエンジンが使用されている場合はそれぞれの企業からゲームのどこかでそれらのスポンサード企業の名前を出すという条件でゲームを作成していいですよという承諾を得られるわけです。これらは飛ばすことができるゲームもあればそうでないゲームもあります。それらの表示はどのようなゲーミングPCでもだいたい同じ時間ですが、読み込みに関してはゲーミングPCのメモリ転送速度によっても変わって来る場合があります
 また、画面遷移時もやはりストレージから次に表示する画面のデータを読み込む必要があり、それに関しても時間がかかります。とりわけRPGでオープンワールド系の広大なマップを読み込むもの、MMORPGでオープンワールド系ほどマップは広くないが画面遷移が多いもの、FPSやTPSなどのバトルロワイヤルの舞台となるマップなどに関してはメインメモリのデータ転送速度が遅いと読み込みが遅れてしまい、メンバーを待たせてしまうということも起きてしまいます。それに何と言っても自分自身の精神衛生上よろしくないことこの上ないですね。PCの立ち上げ時やブラウザでのウェブブラウジング時など普通のPCとして使う場合にも影響します。

メモリ転送速度はどこを見ればわかるのか?オススメの速度とは?

では、具体的にメモリの転送速度はどこを見ればわかるのでしょうか?具体例を出してみます。皆さんもよろしければこのブログを読みながらご一緒に試してみてください。
 まずBTOパソコンの場合です。今回はドスパラという「ガレリア」というゲーミングPCブランドを例にとってみましょう。すでに買いたいモデルがある方はそれを見ていただいてもいいですし、特に買う予定がない方は適当な製品を見ていただいても大丈夫です。
 ドスパラさんのガレリアのサイトへのアクセスは、ヤフー検索やグーグル検索などのポータルサイトで「ガレリア」と入力して検索していただくと、「【公式】ドスパラ/GALLERIA」と書かれたリンクが一番上に出てくるはずですので、それをクリックします。次に広告が表示されます。画面を下にスクロールするとメニューが出てきます「PRODUCT」と書かれたリンクをクリックするとデスクトップ型かノート型を選べるのでデスクトップをクリックします。画面を下にスクロールすると各ゲーミングPCの詳細情報が別タブで開きます。OSやCPU、グラフィックボード、メモリ、ストレージのスペック表が出てきますが、その中に「製品仕様の詳細をみる」という項目があります。そこをクリックします。
そうするとベンチマーク・仕様という詳細情報が出てきます。その中にある「メモリ」の欄を見てください。ほとんどの製品の場合「16GB DDR4 SDRAM(PC4-25600/8GB×2/2チャネル)」という記載があるはずです。
 これを日本語に要約すると、「メモリは16GBでDDR4世代を使用しています(SDRAMは無視して問題ありません)。PC4-25600という転送速度です8GBのメモリが2枚ささっていてデュアルチャネルで動作します」という意味になります。
 この中に出てきた「PC4-25600」というのがメモリの容量の次に重要なデータ転送速度となるわけですが、この記述では早いのか遅いのかがまったくわからないと思います。PC4というのはDDR4の意味なのですが25600というのはなんでしょう?
 データ転送速度は通常「3200MHz」のような書き方をします。もしくは「3200MHz」と「PC4-25600」のようなセット表記ですね。「PC4-25600」のみの表記はあまり多くは見かけません。もし「PC4-・・・」で始まる表記のみの場合はその数字を8で割ってみてください。25600の場合は8で割ると3200になります。こうすることでMHz単位の速度に変換することができます。現在DDR4の最大速度は4800MHzですが、ゲーミングPCにはだいたい3200MHzの転送速度のメインメモリが載っています。2133MHzや2666MHzもあるのですが、2022年5月現在ではもう遅い速度になるので、できれば3200MHz以上の転送速度のBTOパソコンを選びたいところです。
 自作する場合やメモリの交換などの場合はAmazonなどの通販サイトには商品紹介欄に記述されています。PC専門店で実物を見る場合には箱に記載されています。私の場合は前PCのメモリのデータ転送速度が「2133MHz」でしたが、新PCで「3200MHz」にしたところ、ゲーム性能が約7%ほど向上しました。あくまでFF14暁月ベンチマークでの測定になるため、他のゲームでどの程度上がるかはなんとも言えない部分ではあります。

X.M.Pとはなにか?

では最後にX.M.Pに関して簡単にお話しておきます。X.M.Pに関しては以前ブログに書いたため、詳細はこちらをお読みいただけたらと思いますが、通常「3200MHz」と記述のあるメモリでも、定格は「2133MHz」であることが多く、実際に3200MHzでの動作をさせるためにはマザーボードのUEFI-BIOSでX.M.Pをオンに設定する必要があります。なぜほとんどのUEFI-BIOSでX.M.Pがオフになっているのか?ということですが、X.M.Pはあくまで「メモリのオーバークロック」であるということだからです。
 CPUでもそうですがオーバークロックするということは通常よりも電力を注ぎ込んで通常動作以上の速度で動作させるという意味になります。そのためシステムが不安定になりやすいのです。そのため通常はオフに設定されています。オーバークロックはあくまでも自己責任ということになります。私の環境ではX.M.Pをオンにして使っていますが、システムが不安定になったことはまったくありません。ただし、メモリ特有の仕様だったりマザーボードとの相性で不安定になる場合もあります。特にUEFI-BIOSの設定をいじっていない方は2133MHzで動作している可能性が高いので、一度設定を変えてみてはいかがでしょうか?1時間ほどゲームを立ち上げてみて動作が不安定(ブルースクリーンが出たりゲームが強制終了するなど)が起きた場合はX.M.Pをオフにすればメモリ転送速度は下がりますが、システムは安定するようになります。

まとめ

今回はゲーミングPCにおけるメインメモリの重要性をお話しました。容量に注目しがちですがこれからはデータの転送速度に関しても注目してみてはいかがでしょうか?また、メインメモリは通常、2枚1セットでデュアルチャネルというかたちで実装されていることが多いです。単純にメモリを2枚にすることでCPUとのデータのやり取りを行う窓口を2倍にしています。窓口の数が増えればその分データ転送量が上昇します。BTOパソコンの場合はほとんどの製品がデュアルチャネルを採用しています。
 そして容量ですが64GB以上はどうなのか?と思われるかもしれません。メインメモリの容量が大きければ大きいほどPCの動作速度が速まると思われがちですがそうではありません。皆さんが作業をする作業台が広すぎてもあまり意味がないように、PCにとってもメインメモリの容量が大きすぎるとメインメモリの管理をする時間が取られたり、メインメモリを使用していない部分に関しても電気が通電しているという無駄が発生してしまいます。
 ゲームやその他のソフトの推奨メモリ容量か、その倍くらいの容量があれば充分です。ゲーム目的なら16GB~32GB程度でまったく問題ありません。個人的には今後Windows11を導入したり、Windows11がバージョンアップしていくことや、今後出るゲームが16GBのメモリを要求してくるであろうことを考慮すると32GBが最適だと思っています。
 では次回のブログですが、マザーボードに関してのお話を行う予定です。メモリよりも軽視されがちなマザーボードですが、すべての部品や周辺機器はすべてマザーボードに接続されます。ゲーム用途のマザーボードであればどのくらいの水準であれば問題ないのかなどをお話させていただけたらと思っていますので、ご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それでは失礼いたします。


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