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マガジンガーZ Vol.011 発信

新聞をスクラップ始める段階では特にテーマは決めず、気になる記事を集め全体を俯瞰して編集するってのがマガジンガーのスタイルなのですが、今週は結果的に「人手不足とか健康とか」って内容になりました


人手不足 滞る設備投資 計画未達12年ぶり水準

2023年度の設備投資の計画と実績の差が東日本大震災で供給網が混乱した11年度以来、21年ぶりの大きさになっている。人手不足や資材高騰が足かせとなり、意欲はあるのに実績が追い付かない「計画倒れ」の構造が強まっている。日本経済の成長のボトルネックが需要不足から人手不足に転じつつある

日本経済新聞 2024年2月2日

世の中の仕事は今でもやはり単純に「そこに人がいて初めて出来る事」の方が圧倒的に多く、そこに人がいなくては話にならない。ついでに言えば高齢者や女性の活用も声高に言われますが、現場の感覚だと「ウチだとちょっと難しい」と総論賛成各論反対状態。資材高騰はともあれ人手不足はどこからか湧いてくる訳でもなく、しかも円安で「日本で働く」魅力も乏しいとなると国内に今ある人手で何とかするしかなく、これまで生産現場でやたら強調された「現場力」やそれを支える「熟練工」「職人の技」を一度全否定して「誰でもすぐにできる仕組み」を再構築しないとダメじゃないかと感じるところです

ボーイング「現場力」苦境 5期連続最終赤字 品質問題響く 大量リストラで打撃

航空機製造大手の米ボーイングの生産・開発力が低下している。小型機の胴体に穴が開く事故が起きるなど、ここ数年は製造品質問題と、新型機開発の遅れが目立つ。31日発表の2023年12月決算は5期連続の最終赤字だ。ライバルの欧州エアバスの背中は遠のき、部品を供給する日本企業への影響も懸念される

日本経済新聞 2024年2月2日

先ほどは日本の「人手不足」問題を取り上げましたが、アメリカの一部企業でも同様の問題が発生しているようです。この記事ではボーイングとエアバスの2社を比較していますが、コロナ渦でリストラを行ったのは両社ともに同じ。ただし欧州企業のエアバスは労働者の保護が米国より手厚くボーイングほど徹底したリストラを行えなかったことが需要回復局面で有利に働いた可能性も指摘されています。この類の話は「結果オーライ」なことが多く、ボーイングが何か決定的な下手を打ったとも考え難いのですが、モノを作るのも買うのもヒトだと考えると結局、「安心して人を生み育てる」という一つの企業では賄いきれない大きな視点が必要とされるかが見えてきた気もします

育休中 手取り全額保証 イオン1歳まで、年内導入 男性取得促す

イオンは育児休業する社員を対象に、子供が最長1歳になるまで休暇前と同水準の手取り額を保証する制度を2024年から始める。収入減の不安は男性の育児休業取得が伸び悩む要因になっている。国の制度に先行する取り組みで男性の育児参加の向上が期待される

日本経済新聞 2024年2月2日

人口政策は「一つの企業では賄いきれない」と書いたところですが、出来る事の取り組みの一例がこちら。現在は手取りの8割程度、25年からは全額保証(ただし28日分)される予定の育児休暇中の賃金保証を、24年から最大一年間の導入です。確かにこれと同じことを国にやってくれと言えば「財源の問題」がクローズアップされるところ、一つの企業であれば、出来るのであればやればよい事。しかも全ての従業員が必ず行使する制度でもないので、就活など世の中的インパクトや人手不足による弊害を考えれば十分に回収できそうなコスト。このような取り組みをいち早く実施する「知恵とカネ」が求められますね

高知発 勤務医働き方改革 残業規制4月義務化 大学病院→開業医に「逆紹介」■チーム医療も徹底

全国の医療機関に厚生労働省が残業規制を義務づける「勤務医の働き方改革」が4月に始まる。残業時間の上限を過労死ラインの年間960時間。月平均で80時間に抑える野が主眼だ。こうしたなかで全国の大学病院や一部の民間病院には、患者への理解を深めておこうと、4月を待たずに医療職の働き方に工夫を凝らす動きが出てきた

日本経済新聞 1月31日

今回の残業規制で「過労死ラインの960時間」に制限ですから、これまで私たちはお医者さんの文字通り「命を削った」働きに支えられてきたと言う事になります。先に紹介したイオンの取り組みでと一緒で、このような振り返ってみれば「当たり前の取り組み」に真剣に取り組む企業や組織は当然、「そこで働きたい」人を呼び込む事になり、その結果は「人の集まる企業・組織」を生むことになります。もちろん綺麗ごとだけでは無く一方で「人が集まらず立ち行かなくなる」企業や組織も生まれてくるでしょう。ただ今のように「人口が減っている」時代、経済と同じく人手についても「神の手にゆだねる」しかないのかも知れません

欧州製薬ノボノルディスク 時価総額5000億ドル突破 肥満症薬が好調

デンマークの製薬大手、ノボノルディスクの時価総額が31日、5000億ドル(約73兆円)を突破した。5000億ドルの突破は、高級ブランド最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン次いで欧州では2社目だ

日本経済新聞 2024年2月2日

ノボノルディスク社の好調を支えるのは「肥満症薬」と「糖尿病治療薬」の2つ。先天的な疾患であれば仕方ないのですが、そうでなければ個人の心がけや生活習慣で予防できそうなもの。治療が必要な状態の方は必要な薬剤を用いる、そうでない方は治療アプリなどを用いて「薬を必要としない状態の維持」に意識を向けることが大切でしょう。73兆円といえばカナダの国家予算と同程度。それを極端に言えば「糖尿病と肥満が支えている」と読むと、ちょっと大変なことだよなと感じます。自分のためにも予防できることは予防しませんか

マイボトルで9割減 カップ全廃に挑戦 湘南国際マラソン

スポーツ大会も地球環境への配慮が求められるなか、給水カップを全廃してゴミを大幅に減らしたのが毎年12月に開催される湘南国際マラソン(神奈川県)だ。ランナーの理解を得ながら、いかに環境に優しい大会を実現するか。難問と向き合った取り組みには、サスティナブル(持続可能な)運営のヒントが満ちている

日本経済新聞 2024年1月30日

湘南国際マラソンは私がフルマラソンデビューを果たした大会でもあります。給水所ではトップランナーのごとくスピード緩めず給水所に飛び込み、乱暴にカップを掴み水を含むとカップを路上に投げ捨ててました(そして後半、電池切れして給水所で座り込んで水を飲む)そういう1秒を削る行為はプロに任せ、お金を払って出走する市民ランナーは「ゴミのあと片付け」まで意識を配って、そこからゴミを出さない・大量のボランティアの支えが無くても成立できる。そういう大会運営に加わらないとダメですよね。人口はすぐには戻らないのですから、まずは今の人手で出来る事を見直す。そして人の手を煩わせない健康な日々を過ごす。これが大切なのではないかなぁと今週号を編集しながら考えました

浮世亭から

人手不足を現実として日々、感じるようになってきました。スーパーなどでかなりご高齢の方が立つ姿は日常ですし、事務系の派遣などでも50歳を超える方が紹介されるのも日常茶飯事
従来だと「長く働いてほしいから」を理由に断られ来ただろう高齢者も、企業自体の「長く続く」前提が崩れている現実を前に少しづつ意識が変わってきているのですね
これから高齢者になっていく多くの人にとって「さらに働くことを求められる」時代になる一方、「こんな仕事もできるの?」って仕事が向こうからやってくるかもしれません。いたずらに年を取ることを恐れず、ただ健康には留意して日々を過ごしていきましょうね

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