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出産予定日 長男誕生   「花見しに産まれてきよったかよ」

子育て回想備忘録1

先週から私の町でも桜の花が咲きはじめました。
桜の花は皆さんの思い出に彩りを添えるお花ではないでしょうか。

我が家の長男が誕生した日は桜の花が満開でした。

流産、早産の危機もありながら、出産予定日を迎えることができた朝、主人とお散歩に出かけたら桜の花がところどころで咲いていました。日本の春は素敵だなと思ったのを思い出します。

その後、陣痛がはじまりその日の夜に長男は誕生しました。

陣痛は経験したことのない痛さで、それに耐えたあとの出産の瞬間のくるしさもまた経験したことのないものでした。

産まれたての長男を、はじめに主人が抱きました。
主人は、
俺がいちばん最初に息子を抱っこした!
と何度も、自慢げに言っていて、
はじめは、
ずるいなぁー!
と思っていたのですが、そのうち、
いやいや、私はお腹の中でずっと抱っこしてたしね〜。パパより私が先よ。
と心の中でにやにやするようになりました。

出産後、分娩台に寝ている私の左横にやってきた長男は真っ赤な顔をしてなんともかわいい。え!びっくりすることに長男は私の父にそっくりでした。
長男の左手をツンツンとすると私の左手の人差し指を握りかえしてきました。私もきゅっと握りかえしました。
これが長男とはじめておててを繋いだ瞬間でした。
とても小さくて柔らかいかわいい左手はとても力強い力で、今も感触は覚えています。
この時、
母親になったんだ!この子の手をしっかり握って立派に育てよう!
と心に誓いました。

長男は主人の家にとっても私の家にとっても初孫です。
誕生直後は主人と私の両親が勢ぞろいして新生児室のガラスの前で大喜びでした。
なんと言っても、出不精の主人の父もやってきてくれたし、私の父は毎日やってきて、抱っこしたり、何枚も写真を撮ったりで、長男の誕生はみんなを幸せにしました。

退院後、実家にお世話になることとなり戻ると、今度は、私の祖父、祖母も大喜び。
80歳を過ぎて体調を崩していた祖父は、布団の上で長男を抱き喜んでくれました。
祖父はこう言いました。

ほんにほんに、耳の大きいえー子やのー。
こいつは立派になるぞ。
ほんにほんに、良かった良かった。

そして長男にむかって
おぅ、おぅ、花見しに産まれてきよったかよ。

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