おっぱいが詰まった2/2 助産師さんのゴッドハンド
子育て回想備忘録30
助産師さんの助産院は車で行かないと行けないところでした。
なんとか、長男を乗せて車で行く!
と言ったのですが、
主人は痛がる私を見てそれは到底無理と仕事を午前休取って送り迎えしてくれました。
友だちにもらった地図を頼りに、車を走らせること30分、到着しました。
助産院というより普通のお家。
駐車場がないため、主人は、私と長男を送り届けると駐車場のある近くの喫茶店で待っていてくれる事になりました。
中に入ると、電話で感じたとおりの優しい40歳代の笑顔の助産師が出迎えてくれました。
「つらいでしょ。
おっぱいを良いコンディションにしましょうね。」
と、助産師さん。
部屋の中は10畳くらいで、赤ちゃん用ベットとマッサージ用のベット、脱衣カゴ、赤ちゃんの体重計、ソファ、テーブル、助産師さんの机と椅子、手洗い場、蒸しタオルのケース…と、所狭しと置かれていました。
長男の母子手帳をわたし、今までの経過を話し、いよいよおっぱいマッサージ。
長男は赤ちゃん用ベット。
私はマッサージ用のベットに。
「ほんと詰まってしまったわね。」
と助産師さん。
「私の何が悪かったんでしょうか?」
と私。
「自分のせいだと思わなくていいのよ。
これからどうするかだからね。」
と凹む私に優しい助産師さん。
「まず、おっぱいの様子を診て、
うん、いろんなところで詰まってるみたいね。
順番に、通していきましょう。」
「はじめは蒸しタオルをおっぱいにあてて、しばらく温めて循環をよくするね。母乳も血液と一緒で温めると、循環がよくなるのよ。」
そして、おっぱいを手のひらで包むようにマッサージ。
昨日の痛かったマッサージと違ってさほど痛くない。これはどういう事?
しかも、おっぱいが楽になっていく。
しばらく、マッサージして母乳を絞ってみると少し出てきた。
すると、お腹を空かした長男が泣き出し、
「お腹空いたわね〜。ちょっと待ってね。
ママのお腹に乗ってなさい。」
と助産師さんは、長男を私のお腹に乗せました。
おっぱいを探している様子の長男ですが、なぜか、助産師さんが話しかけるとひとしきり泣いたあと、長男は泣き止みました。
その後も、マッサージが続き、
おっぱいが急激に楽になったと思ったら、
私のおっぱいから母乳が噴水のように吹き出しました。
助産師さんは私の母乳を頭から浴びながら、マッサージを続けていて、
「すみません…」
と私。
「いいのよ。」
助産師さん。
「すごく楽になってきました。」
「良かったわ。」
私のお腹の上に乗っている長男の
顔にも母乳が水鉄砲を浴びてるかのように当たっていて、ちょっとくすっとしてしまいました。
笑える余裕が出ていました。
部屋の様子をよく見ると天井に白色点がいっぱいついている事に気づきました。
これは、お母さんたちの母乳か!
そして、私のおっぱいは、岩からおっぱいへと戻りました。
その後、
長男の体重を測ってから、
授乳しました。
長男は一生懸命におっぱいを飲みました。
「あら、〇〇くん(長男のなまえ)もママも、まだおっぱい初心者ね。」
どうやら、授乳の仕方に問題があったのです。
「もっと深くくわえて飲もうね。」
今までの飲み方ではしっかりと吸えないとのこと。
しかし、それに慣れた長男は、直ぐに、浅くくわえてしまいます。
「出産後、母乳が吸わなくても良く出たんじゃないかしら?」
と助産師さん。
「そうなんです。噴水のように勝手に出てきて、困るくらいでした。」
「だからね。〇〇くんはあまり吸わなくても母乳飲めたので、浅くくわえてるのよ。
吸う力がいる哺乳瓶があるのでそれを、湯上がりの白湯を飲ませるときに使って練習するといいわ。これね。」
と、母乳相談室という乳首の大きい哺乳瓶を紹介してくれました。
授乳が終わり、長男の体重を測って、
「うん、しっかり飲めたね。〇〇くん偉かったね。」
と助産師さん。
こうして、おっぱいは楽になり熱も下がました。
ニコニコして助産院から出て来た私に、主人はホッとした様子。
帰り道でおすすめ哺乳瓶を購入。早速、使用。
授乳も長男と一緒に改善。
6日後におっぱいマッサージを受けて、おっぱいの様子と、授乳の様子を診てもらいに行きました。
おっぱいも良いコンディションで、長男も上手におっぱいを吸っているとのことで安心しました。
その後は詰まることもなく過ごせました。
ほんとうに助産師さんには助けられました。感謝しています。助産師さんの手はゴッドハンドでした。
そして、近くに先輩ママがいてくれたことも感謝。
もちろん、心配してくれた主人にも感謝しています。
授乳のスタイルが変わったとき、長男が困りながらも頑張っているのを見て、
長男よ、偉いぞ!こうやって色々頑張って成長してくれるといいな。
と大げさだけど思いました。