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生きてあれ


まがり書房のInstagramに載せる俳句は毎日店主が捻り、そして明朝体で書いている。
でも今日の俳句は店主のではなかった。

「生きてあれ冬の北斗の柄の下に」加藤楸邨

昨日の朝に旅立った友を思っての引用だ。胸がつまる。なんだよもう、涙がでるじゃないか。

今日は仕事が終われば、病院から自宅に戻った彼女に会いに行くことにしていたのだが、足取りは重い。家をでると、「いつも行くみたいに会いに行こう」と気持ちも足もついていかない私の前を店主はスタスタと歩いていく。「待って」という前にインターフォンを押してしまった。

闘病とはよく言ったもので、真っ直ぐ闘い切った友と家族にはただただ心からの敬意しかない。冬の星座を見るたびに必ず彼女を思い出そうと思っている。

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