鑑賞する力
対話型鑑賞という言葉を聞いたことがありますか?
ざっくりと説明をすると、アートの鑑賞方の1つで、
絵や作品を見て思ったことや感想をグループで対話する鑑賞方です。
作者や技法などアートの知識を求めるわけではなく、グループでのコミュニケーションを通して、作品の見方を深めていきます。
そして、想像力や考える力、伝える力、聞く力などを育みます。
でもこの対話型鑑賞はあくまでも鑑賞の入門で、もっと楽しむためには楽しくアートや美術の知識をお伝えする必要があると思います。
お恥ずかしながら、今まで美術畑にいたので、人よりかは美術の知識があるので、初めて美術鑑賞した人が、そのあとどうしたいんだろう、というところまで考えが及びませんでした。
世の中には「演劇」「文学」「音楽」「漫才」「コント」など沢山の表現が溢れています。
最近、私が思うことは、ある一定までは知識がなくても楽しめますが、もっと楽しみたいと思った時に、知らなければならない教養がたくさんあるということです。
例えば、この作品は何かのオマージュがある、日本人の耳馴染みの良い七五調になっている、このコンビは今まで違う雰囲気のネタをやっていたからこのネタが光るんだ、とか。
もっと楽しみたいと思うと、その世界のことを知る必要があります。
そして、鑑賞する力を養うことでまた新たな楽しい発見や気付きがあるんじゃないかな?と思います。
私は、美術以外の分野で鑑賞をして、その先が気になるようになってからやっと対話型鑑賞の先の活動に目を向けることができました。
これは余談ですが、空気階段の単独ライブ「anna」は、映像の作り込みも面白いしネタも時間経過を感じさせるところも本当に素晴らしく面白い作品でした。DVDも5月に発売されますので是非見て欲しいです…!
話はズレますが、どの年代の大人でもこんな事を言っている人を見かけます。
「今時の音楽の良さがわからない」
「第七世代が誰もわからない」
わからないは思考放棄で、鑑賞する力がなくなっている時だと思います。
新しいものを探求する気力も体力もなくなると、簡単に引き出せる過去の楽しかった思い出した楽しめなくなってしまいます。
この時代に生きることは大変だし難しいことですが、うまくリフレッシュして、新しい文化も取り入れて、新しい楽しみを見出してもらえたら嬉しいなあなんて思っています。