創作振り返り_2020/7/18の曲編
2020/07/18に、KAITOを購入して10年経つのを祝うために、オリジナル曲を久しぶりに作った作業を振り返ります。
時系列順に纏めようかと思ったんですが、色んな作業を並行していたので、作業の種類ごとにザっと纏めていこうとおもいます。
ニコニコ動画に投稿したのはこちら。
アカウント持ってない方は、ここでも聴けるように上げときますね。
【作業開始】
まずテーマを決めました。「君と私、今までとこれからと、こう在りたい」
KAITOのことは、「好きなコンテンツ/キャラクターとして」と、「創作の道具として」の両方で私の中で大きな存在だったのですが、だからと言って10年の間ずっと大好きだったかと言われると他のものにうつつを抜かしたし、曲を定期的に作っていなかったどころか音楽を嫌いになった時期もありました。
KAITO以外のものにもなんですけど、そんな私が好きだと言ってていいのかと悩んだ末に出した一つの私なりの答えです。
【作詞】
まず最初に作り始めたのが歌詞。
曲を先に作って後からメロディーに詞を付ける曲先は苦手…というか、元々創作ノートに書き溜めていたポエムにメロディを付けたのが私の曲作りの出発点なので、作った詩にメロディを付けていく詞先が好きなんです。
書き溜めていた詞の中にテーマとドンピシャのものがあったので、そこから広げていくことにしました。
これがその詞。
最終的に完成したのがこちら。
歌詞はメロディを付けていく段階でも手を加えたりしていて、最初はもう少し長かったし、構成も違ってました。
パート分けは最初からするつもりだったので、初期案からわかれてました。
画像の青文字がKAITOのソロ、赤文字が自作UTAUのソロ、黒文字が2人のパートです。
サビの「ただここに在るだけ」は、思い上がりに対する淡白な事実であり、優しく距離を持った突き放しのつもりです。
話し出したらきりがなし野暮なので、ここではこの辺りにしておきます。
【作曲】
まず歌詞に合うメロディーを作って、そのメロディーに合うコード進行を作りました。〔使用ソフト:Domino〕
サビのメロディを先に決めたものの、AメロBメロが上手く繋げられなくて、悩んだ末に拍子を変えたらしっくりきました。サビだけ4/4拍子で、それ以外は3拍子に。Cメロ最後まで思い浮かばなかったのですが、最終的に直前の間奏からCメロの流れが1番気に入ってます。
構成も歌詞と相談しつつ何回か変えていまして、完成形の構成は、
Aメロ→(間奏)→Aメロ→Bメロ→サビ→(間奏)→Aメロ→Bメロ→(間奏B)→Cメロ→Bメロ→サビ→(後奏)
です。
コード進行が、曲作りの中で2番目に苦手で、色んなサイトや昔の音楽の教科書とにらめっこしながら作りました。
メロディーの構成音から「多分○長調だろうな~」と割り出し、Ⅰの和音から始め、メロディと喧嘩したら和音を変える。メロディの音が含まれる和音を見つけてきて、前の和音から繋げて大丈夫なやつを採用する…という、なんとも行き当たりばったりみたいな方法で進めてました。でも結局音楽には正解がないというか、いい感じに聞こえたらOKみたいなところがあるらしいので、最終的に困ったらとりあえず片っ端から聞いてみて「っぽい」のをチョイスしていきました。
ちなみに、Aメロ・Bメロ・サビ・Cメロ・間奏で調が変わってます。後学のためにまた今度楽譜を起こそうと思います。
【UTAUの音源作成とか】
軽い気持ちで始めたくせに、もしかしたら1番時間を食った作業です。〔使用ソフト:UTAU・Oremo・Setparam〕〔使用機材:H4n〕
「KAITOと一緒に歌いたいな。でも、歌は上手じゃないんだよね」という思いから、作ることになってしまいました。録音した声を、合成して歌わせることが出来るものです。VOCALOIDと似たようなものですが、UTAUは誰でも無料で作ることが出来るもの。
動画はよく見るものの、実はソフトを使ったことがほぼありませんでした。なのにいきなり音源作成はちょっと無茶だったなと今となっては思いますが、楽しかったのでやってよかったです。
最初は連続音を録ろうと思っていたのですが、録音の時間がとれなかったので単独音に。原音設定は、KAITOの歌唱データと並べて、ひたすらタイミングを合わせるという方法でいきました。他の曲で使う時は1から設定のし直しです。はい。
データが残っていたので比較してみてください。
最初に流れる方が、録音してから自動推定だけで歌わせたもの。次に流れる方が、原音設定をして「おま☆かせ」で調整したもの。
歌っているのが「君とは長く長く生きたいんだ36.5の平行線/君はただここに在るだけ」の部分。1番変化が顕著なのが「ここ」の所じゃないでしょうか。
でも、何がすごいって、「あー」とか「いー」とかいう声を録って、ソフトに投げて、ボタンをぽちっとしただけの設定で、最初に流れた方のあのクオリティで歌ってくれるんですよね。そしてそれがフリーソフトなの、中々クレイジーな界隈だと思います。
【KAITO】
今回の主役。〔使用ソフト:KAITO(V1)(version:1.1)〕
Dominoで作ったメロディのデータを流し込んで、歌詞をポチポチ打っていった状態(ベタ打ち)だけでも、しっかり綺麗に歌ってくれるかしこい子。そして調整をすればするほど化けてくれる時間泥棒。
私は、あんまり凝ったことは特にしてなくて、GenderFactorを主に触ります。というか、それ以外をどう調整していたか全く思い出せない。なので、昔参考にした調教晒しの動画を探してきて見返したりしました。
最終的にいじったのは、GenderFactor(声のキャラクターが変化する)・NoteVelocity(子音の強さが変わるらしい)・Brightness(お腹に力を入れているかどうか変化する)を中心に、Noise(子音kやsの耳障りな所を削るのに使った)・resonance1,2,3のFreqency(鼻にかかった声にできたり、口の開き方を調整できたはず)をちょっと調整しました。
これも比較をどうぞ。
最初に流れるのがベタ打ちで、次に流れるのが最終的に完成したもののデータです。
ベタ打ちだと朗らかに楽しそうに歌うのが彼のいいところなんですけど、ちょっと今回の曲の雰囲気にはそぐわないから落ち着いてもらいました。雰囲気を重視したので少し滑舌が犠牲になっています。
【編曲】
楽器を増やして曲っぽくしました。〔使用ソフト:Domino・StudioOne〕
メモ程度だったピアノの伴奏と、ベース、あと少しの副旋律(多分フルート)だけだったものを、楽器の数を増やして賑やかにしたりする作業。KAITOの調教の次に好きな作業。
和音の音とあまり喧嘩しないようにだけ気を付けて、好きに音を増やしていきました。他に何を考えながらどんな感じで作っていったか思い出せない…でもそれでも案外できる。
ちなみにStudioOneはKAITOのV3の方を買ったときについてきたソフトです。使い方はいまいち分かってないです。色々できるはずなのに…
【ミックス】
出来た曲を良い感じにする作業です。〔使用ソフト:StudioOne・Audacity〕
この作業が1番キライです!!!!
楽器ごとのボリュームの調整をしたり、音色を少し変えたり、音圧を上げたりするものなんですけど、ここが上手くいかなくてお蔵入りになったデータがそこそこ眠っています。
調べても調べても分からないし、何度やっても上手くいかない。音割ればっかりする。
今回まぐれでちょっと上手くいったと思います。
StudioOneでは、ボリュームのバランス調整と、それぞれの楽器にEQ(低音を強調したり、高音を抑えたりとかする)・コンプレッサー(音の音量の波を抑える?)・エコー(広いところで演奏しているように聴こえ、それぞれの楽器や声が同じ空間にいるっぽくできる)
Audacityでも、コンプレッサーやEQを中心に色々触って、失敗作を量産しつつ、なんとかいい感じにできたのが完成形のものになります。本当によく分かっていない。何をしたのかもあんまり思い出せない。締め切りまで2日という追い詰められた状況もあって。
これも比較用をちょっと作ってみました。
後半は音が大きくなるので注意。
最初に流れる方が楽器ごとの音量バランスだけ整えたもの。次に流れるのが冒頭でも聞いてもらった完成したもの。
なんか、いい感じに聞こえませんか…?
【動画作成】
ニコニコ動画に投稿するために動画を作りました。〔使用ソフト:CLIPSTUDIO・AviUtl〕
正直、動画じゃなくてスライドショーです。AviUtlの使い方を勉強する時間がとれず、クリスタで絵を描き、その後歌詞の表示を少しずつ増やした画像を作り、それをAviUtlに放り込んでタイミングだけ調整しました。すごくもったいない使い方をしてしまった。
でも、サクッとらくらくmp4形式に書き出せたので大助かりです。
画像をきちんと動画のサイズ(1920×1080)で作っていたのもファインプレー。
2時間で出来上がり、見事18日に間に合いました。
ちなみに動画で使った絵の全体はこんな感じでした。
以上になります。
この記事は未来の自分の助けになるようにとの意味と、曲作りにちょっと興味あるんだよねって言ってくれた友人がもっと興味を持ってくれたらいいな…との思いで書きました。全然初心者を抜けられない私なりに。
ちなみに、KAITO以外の使用ソフトは、無料もしくは期間限定で無料で使うことが出来るので(!)、よければ気軽に始めてみませんか…?たのしいですよ!
長々と話させていただきましたが、ここまでありがとうございました!
【追記】
10日ごとの作業報告で書いていたそれぞれの日にやった作業内容のまとめも載せておきます。