YAKUYOKEに込めた想い
写真家/アーティストの mag(@mag_cinephoto)です。簡単なプロフィールは以下です。
この度新たな写真をベースとしたグリッチ/ジェネラティブアート作品「YAKUYOKE」について、制作の経緯や想いを綴らせてください。
コレクション概要
本作品制作のきっかけ
今回の作品ですが、2024年に自身に降り掛かった不運や災いといった厄を振り払いたい、という想いをきっかけに制作を思い立ちました。
2024年は数週間長引く風邪や骨挫傷など、健康面でのトラブルも人生で一番多かったですが、中でもショックだったのが昨年2024年10月頃、当時約3000USD相当のBTCをスキャムにより盗難されたことでした。
クリプトの世界はDYOR、自己責任の世界であり、誰かを恨むという気持ちはありません。しかし当時は恐怖や落胆、迷惑をかけてしまった周囲の方々への申し訳なさなど、様々な感情が湧いたことを今でも強く覚えています。
スキャムやハッキングといったトラブルは、クリプトの世界では切っても切り離せないリスクです。自己防衛をしながら荒波に乗っていく必要があると感じています。
最近ではウォレットでスキャムを未然にガードするアプリなど、技術的に防止していく試みが増えてきていますが、アーティストである自分にできることはあるのだろうかと考えを巡らせました。
そこで考えたのは、自分のようにスキャムを受けて鬱屈とした思いを感じる人を、アート表現を通じて注意喚起することで減らすことができないかということ。頭に浮かんだのは、「厄除け」という着想でした。
厄除け→スキャムなどの不幸や災厄を取り除くという発想
作品制作にあたって「厄除け」という着想が湧いたのは、2025年になって神社に行った新年の初詣に行ったときでした。
日本には、「厄除け」という、神社仏閣で伝統的に行われている儀式に赴く文化があります。科学的根拠は無いと思いますが、新年が良い年になることを願って厄除け祈願する人が多いのはご存知のとおりです。
厄除けの手法は様々ですが、厄年と呼ばれる運気が低下する年に、神主や僧侶による神様仏様へのお祈りをしてもらって不運や災難を払う、または未然に身に降りかからないように防いでもらうことが一般的です。
冒頭でも書いたように、2024年にスキャム被害にあって憔悴していた自分は、厄年ではなかったのですが、願掛けも兼ねて新年の初詣で厄除けをしてもらうことにしました。
自分の行った神社で行っていた厄除けですが、不運や災難を護摩木という薪にして、神聖な火によって燃やす手法でした。
実際に目の前で力強い炎で厄を燃やし、追い払おうとする儀式を目にしたときには、不思議と淀んだ気持ちが晴れていきました。同時に、厄を炎で燃やしてしまうという手法にインスピレーションを受けました。
そんな実体験を踏まえ、厄を燃やすような表現を施したアート作品を制作できないか?そしてその作品を、クリプトの世界に存在する不運や災難を防ぎ、幸運を祈願するようなお守りのような存在にできないかと考え、制作のアイデアを深めていきました。
コンセプトの構想・制作を進める
どのように厄を燃やす炎のような表現をしていくか。まずは自身の表現の土台である写真をベースに、炎で燃えているような表現ができないかというアプローチで考えました。
ベースとなる写真ですが、こちらは直感で東京の渋谷のストリートに点在した、落書きやステッカーの写真としました。
賛否両論あるかもしれませんが、僕は落書きやステッカーの混沌とした印象が好きでよく写真に撮ります。様々なストリートの人々が思い思いで残していった表現の乱雑な集積が、厄を炎で燃やすためのベースとなる薪として、作品に十分な強度をもたらしてくれるのではと考えました。
そこからはグリッチによる写真画像の破壊や色転換などを通じて、自分のイメージする厄を燃やす炎のような表現に試行錯誤しつつ近づけていきました。
そして炎の色のパターンやグリッチの度合いにもランダム性を加えていきました。トランザクションIDをシード値にしつつ、ビットコインのブロックサイズやトランザクション数もランダマイズの要素に含めたジェネラティブアートとしても成立できるようにしました。
Art on Bitcoin としてのアーキテクチャ
また本作品はOrdinalsで展開することもあり、Art on Bitcoinとして「厄を燃やす」というコンセプトを体現するアーキテクチャを模索しました。
概略図で示していますが、本作品のジェネラティブアートを生成するベースの仕組みは以下の形に至りました。
8枚の写真のinscriptionはすべてBurnされ、譲渡や販売が不可能になっている。
ジェネラティブアートのプログラムは、Uncommon Satsにinscribeされている。
プログラムと写真は、プログラムがParent、写真がChildのParent-Childの関係にある。
Delegate/Reinscribeを利用してParent/Childの関係を構築することで、コードを頂点に、Burnされた写真をコードにつなげ、集約されるような構成をオンチェーン上でも再現している。
ビットコイン上に構築した厄を燃やす炎が、スキャムなどの不幸や災厄からの防護と、幸運を祈願するお守りのような存在になることを願っています。
リリースについて
今回は、ディスカウント価格のWhiteList(WL)プレセールと、パブリックセールの2フェーズでのリリースを予定しています。
いずれもFCFSでのリリースとさせていただきます。
枚数・リリース開始時間
Supply: 256
Start: 1/23(木) 21:30(JST) / 7:30(EST) ~
Platform: Gamma
※ミントページは現在準備中
Phase1: WhiteList (FCFS)
Duration: 1/23(木) 21:30(JST) / 7:30(EST) ~ 1/24(金) 21:30(JST) / 7:30(EST)
Price: 0.0002 btc
Phase2: Public (FCFS)
Duration: 1/24(金) 22:00(JST) / 8:00(EST) +
Price: 0.0003 btc
※予期せぬ事態で開始日時が前後する場合はすぐご連絡します。
WhiteList の対象
以下の自分のOrdinals作品コレクションのホルダー様はWL対象とさせていただきます。
また別手段でのWL配布をいくつか実施しようと思っています。
Ordinal Tokyo Fragments
Recursive Tokyo Vintage 78
Mount Fuji from Tokyo
Deviation
BitFragmentation
RuneScan
Tokyo Substances
Kyoto Raindrops/Dissemination
時間限定WL応募フォーム
自作品のホルダーでない方向けに、ディスカウント価格WLを配布させていただきます。
1/19(日)21:00(JST)/7:00(EST)までオープンしてますので、ご興味ありましたらご覧ください。
https://forms.gle/SrgBGCMJdQ3HRAwH9
おわりに
この作品の制作を通じて、自分の行動の至らなさをふりかえり、不運や災厄に負けず、前向きに進もうと思えるようになりました。
もちろん本作品には不運や災厄を確実に取り除けるような科学的根拠はありません。しかし、お守りのように心の拠り所となるのではと思っています。
今後も不運や困難に屈せずに精進していきたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!このnoteが良いなと思った方は、良かったらRTやいいねで拡散していただけると嬉しいです!!また疑問点や気になることなど、お気軽にご連絡ください!
Appendix
ご参考までに、今まで自分のNFT活動に関するnoteリンクを掲載させていただきます。ご興味ございましたらあわせてご覧ください。