
「主食問題 炊飯編」~ 洗米と浸漬時間。
朝ごはんについて書き始めたら思いの他
主食が問題になった
と言う妙な事になってしまいましたが、「お米編」「炊飯道具編」「お米選び」「田植えからの精米の話」「精米機の話」「雑穀選び」と続きましたが今回の記事で炊飯編がやっと終わる…と思います。多分。
…と思ったら炊きあげるまで無理でした。長くなりすぎて…。
おはようございます。
ゆりぽむ@まいにち朝ごはん。です。
お米を炊いて食べる、ただそれだけの事なのに私を悩ませる朝ごはん。
ああ、考え出したらキリがない。
と言う事で、今回もどうぞよろしくお願いいたします!
主食問題お米編や炊飯道具編の所で書いているのですが、我が家には炊飯器がありません。
という生活をもう何年も続けているので、
炊飯道具は鍋です。
土鍋やホーロー鍋、色々なお鍋がありますが長年愛用しているのがこちら。
シリット社のご飯炊き専用鍋「ライスクッカー」
ドイツの会社の製品で炊飯専用鍋というのも今思うと面白いなと思いますが、これが実に良い仕事をしてくれます。
3合まで炊く事が出来ます。何だかんだと10年近く愛用中。
そして今年から仲間入りしたのがこちら、滋賀県にある伊賀焼 窯元「長谷園」の炊飯土鍋「かまどさん」です。
noteスタート時にこの辺の事は熱く語っておりますので、良かったらぜひ。
と言う事で、このどちらかを使って炊飯するという事になります。
軽く研ぐ?しっかり研ぐ?~お米の洗い方。
炊飯の基本は
・洗米
・吸水
・炊飯
・蒸らし
と言う流れになります。
まずは洗米の方法からですが、お米を洗う理由は臭みの原因となる糠(ヌカ)や汚れを落とす事にあります。
手順は
0.ボウルにお米を入れます。
1.きれいな水で1回目のすすぎを行います。
(この時が一番お水を吸います)
2.水を流してもう1度すすぎます。
3.水がほぼ無い状態で20回程度シャカシャカとかき回します。
4.水を注いで2~3回混ぜ、水を加えてとぎ汁を薄めてから水を流します。
5.3と4をもう1度繰り返します。
6.お水を入れた時に薄く濁っている程度になっていれば洗米完了。
お米は「研ぐ」と言う言い方が定着しておりますが、これは掌を使ってギュッギュっとお米同士を摺り合わせて汚れも落としつつ、表面を傷付けて水分の浸透をより良くするためでもありました。
今の時代の精米済みの白米は昔と違って汚れが少ないので、精米済みのお米を購入の場合は、ボールを握るような手でしゃかしゃかと洗えばOKなんです。
が、我が家は自家精米。
しかも5分搗き~7分搗きぐらいで調整しているのですが、お米にしっかり糠が残っていたりします。
といっても、私はその糠風味も含めて好きなので、あまり洗いすぎない様にしています。
後はお米をすすぐのですが、お水が透明になるまですすぐ、と言うのも今ではNGとして扱われています。
洗う時はこの様にボウルとザルを使っています。
これ白米だけしか無い感じですが、実際はこうです。
お米の上にもち麦や黒米を乗せているので、これをザルに流し込んだら
お米が上に来たという状態。
うちのお米は基本雑穀が加わるのですが、古代米や麦などは米と一緒に洗っています。
写真は1度目のすすぎを行って洗米している所。
キビやアワといった粒の小さなものは茶こしに入れて上から水をかけてさっとゆすぐ程度で、あとはザルに5分ぐらい上げて水気を切っておきます。
私はザルを斜めに傾けて水が滴り落ちてこなければ水切り完了と見なして、浸水作業に入っています。
この時の最大のポイントは
浸漬割れを出さないこと
洗米やこの後行う浸水時に気をつけなければならないことは
割れ米を出さないこと
割れてしまうと、お米の成分が水に溶けて炊きあがりがべちゃべちゃになります。
割れ米の原因は
・乾燥した場所に長時間放置する事
・一度浸水後の乾燥
ザル上げの後、長時間放置すると必ずひび割れが起きるので注意が必要です。
これで洗いは完了、続いて吸水のお話です。
吸水の必要性と吸水時間。
お米を洗ったら次は水に浸けて吸水させておきます。
浸水させる理由は「米に水を含ませてやわらかくし、内部に熱を伝えやすくすること」にあります。
そして、その時間は短すぎても長すぎても美味しいお米を炊く事ができません。
吸水時間が短すぎると中に芯の残ったご飯になり、長すぎるとべちゃついたご飯になってしまいます。
吸水速度が水の温度にも大きく影響しているため、
夏30分以上(1時間目安)
冬60分以上(2時間目安)
が目安と言われますが、これは吸収する速度が水温によって異なるためです。
では温度の違いはどんな影響が出るのでしょう?
吸水の理想的な温度帯とは。
お米が一番水を吸うのが最初に水をかけた時、つまり1度目のすすぎの時になります。
なのでこの時に使うお水はミネラルウォーターなどの良いものを使うと言う人も多いかと思います。
では、お米の飽和状態(水を吸わなくなるのはどの時点からでしょうか。
温度帯でもその時間は変わり
5℃・・・120分
15℃・・・90分
25℃・・・60分
でほぼ飽和状態(それ以上水を吸わない)になると言う実験結果があります。(下記リンク先参照)
15℃、25℃の水を使い吸水させ、吸水量の増加速度を実験すると、25℃は急速に水を吸い込み 60分でほぼ飽和状態、15℃では90分、冷たい5℃では120分必要となります。
5℃と言うのは冷蔵庫内のお水の温度で、水道水だと一番寒い時の温度帯がこれに近い感じです。
地域で水温が違いますが、例えば大阪市ですと、
冬季約6℃、夏季30℃
と言う温度の幅なんです。
私の住んでいる場所は北部なので水の最低温度はもうちょっと冷たい4~5℃あたり。
6℃と30℃ってかなりの幅ですよね。
これが食材に与える影響も当然大きいと言う事になってきます。
充分に吸水が終わったお米(飽和状態のお米)は、この様に白くなっています。
吸水前は透明感のある↓この様な透明感のある状態なのでその違いは一目瞭然です。
吸水に最適な温度帯は?
吸水時間が120分だとして、その間のお水の温度帯はどうしたら良いのかと言う話があります。
夏場は~ 冬場は~ と言うのは、あくまでも水道水を使ってそのまま炊飯器だったり外に置いておいた時の話になりますので、放置時間と共にその温度は変化していきます。
温かいお水と冷たいお水、どちらがお米には良いかという話になるのですが、炊飯の裏技で
炊飯時に氷を加える
と言うのがあります。
これは冷水にする事によって炊飯時の水温の上昇がゆるやかになりお米が水を吸収する速度もゆっくりとなる為、もっちりと仕上がると言うもの。
そしてその低温が正しいのかと言うと、そういう問題ではないんですよね。
あくまでも「好みの炊きあがりがどうなのか」と言うお話になります。
もっちりご飯が好きなのか、さらりご飯が好きなのか。
どんなおかずと合わせるのか、どんな食べ方をしたいのか…で、お米の仕上がりも変わってくると思います。
なので、好みに仕上げるためにどの程度の吸水時間や温度があれば良いのか、を知っておけば幅が広がるね、とそういうお話なのでした。
土鍋に入れたままだと土鍋が水を吸ってしまうのと土鍋が傷みやすいので、ボウルに入れて冷蔵庫です。
こっちのお鍋(シリット社 ライスクッカー)を使う際はここにお米とお水を入れて冷蔵庫です。
お米(白米~白米に近い状態)だけを吸水させるのであれば、2時間あれば良い状態になるのですが、雑穀が加わる場合は雑穀の種類によっては豆などが含まれる場合はそれ以上の時間浸漬させた方が美味しい炊きあがりになります。
少量の雑穀であればさほど影響が出ませんがお米に対して2割以上の雑穀を入れている場合は雑穀の吸水状態で炊きあがりに影響が出やすくなります。
なので私は、ここまでの夜寝る前に精米から洗米までの一連の作業を行い、そして
洗米したお米は分量の水と共にボウルに入れて冷蔵庫に入れて低温吸水させています。
また吸水に使うお水は特に夏は冷蔵庫で冷やしておいたものを使います。
その後、冷蔵庫に入れて一晩かけてゆっくり吸水させてから明朝炊飯、の流れになっています。
ここまで出来たら、もう後は朝起きてご飯を炊くだけ!
お米選びから始まって長かった私の朝ご飯問題もやっとゴール目前となりました。
最後までお読み下さりありがとうございましたm(_ _)m
あとがき
お米洗ってから炊飯までってちゃちゃっと書けるはずだったのに…吸水の温度や時間の論文を調べてみたり、手持ちのお米関係の本を読んだりと、文書に起こすために色々勉強する事になりました。
自分がこれまで行っている事を色々な角度から調べてみるというのはとても面白い事でした。
実は次回でやっとの「炊飯」です。
もうそれ以上も以下もなく、ただただ
米を炊く!
と言うお話です。
それではまた!