サハラ砂漠で年越し(2020年-2021年)
2020年の年越しはサハラ砂漠で過ごした。
砂漠で年を越す経験ってあまり想像がついていなかったのだが、せっかくだし、シャウエンで凍えながら年越しするより何か面白いことをしよう!と思い立ったのだ。
調べてみるまで知らなかったが、砂漠での年越しは人気らしい。
砂漠ではキャンプをするらしい、星が綺麗らしい。などなど、グーグルには溢れんばかりに魅力的な情報が詰まっていた。
まずは長距離移動
ということでワクワクしながら、モロッコ北部のシャウエンから、南部のメルズーガまで丸1日かけてバス移動した。
バスの走行距離は約700km。
日本で言うと東京都から青森県へ移動するくらいの距離である。遠い。
ただ、出発地も目的地も田舎のためバスしか交通手段がない。
朝の7時にシャウエンを出発して、翌日の朝5時に到着した。
モロッコのバスはCTMとスプラトゥールという比較的運転が丁寧な会社のバスを利用したが、いかんせん道が悪いため揺れる。
長距離での疲れもあり、2回吐いたのも、今ではいい思い出である。
12/30はメルズーガのホテルに一泊
12/30の早朝にメルズーガのホテルに到着。
サハラ砂漠での年越しツアーも斡旋しているところだったため、翌日の大晦日はホテルから出発だ。
明日のために今日はホテルで体力回復である。
ホテルは珍しくちゃんとしたリアドを選んだ。
モロッコにきて初めて人の家ではないところに宿泊!私のテンションは爆上がりである。しかもプール付きテラスもある。綺麗、快適!
宿泊したホテルとても良かったのでご紹介。
日本人は2020年では初めての宿泊客だったらしい、「コロナあるのによく来られたね!」とスタッフにびっくりされた。
ホテル名:Dar Tafouyte
<公式HP>
https://www.dartafouyte.com
<Tripadvisor>
https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g304017-d1477520-Reviews-Dar_Tafouyte-Merzouga_Draa_Tafilalet.html?m=19905
1泊宿泊:5000円くらい、朝夕食付き、シャワーお湯出ます
メルズーガはサハラ砂漠がすぐ隣にある小さな街で、砂漠以外特に何もない。
おおー異国に来たなあ、という景色である。
(暖かそうに見えると思うが、冬なので夜は普通に寒い。0℃とかだ。)
大晦日はラクダ移動で年越しキャンプ開始
さて翌日だ、大晦日だ!体力回復もバッチリだ。
まずはラクダに乗って砂漠の真ん中のキャンプ場まで移動する。
5頭くらいの繋がれたラクダにそれぞれ乗って揺られながらのんびり移動。
私のアラビアンのイメージがこのラクダ移動だったので、なんだかもう楽しくて仕方がない。
乗るにはある程度の体幹が必要らしく、夫はバランスを保つのに悪戦苦闘していた。
1時間半くらい乗る。本当にずっと果てなき砂漠。砂の世界だ。
途中で休憩がてら見送った夕日が感動するくらい大きくて綺麗だった。
一緒にラクダに乗っていたヨーロッパのご家族にビールをもらい、私たちのことを沢山聞かれる。
仕事辞めて日本から来たと話したらめちゃくちゃびっくりされたし歓迎された。
砂漠でグランピング&初日の出
ヨーロッパご家族からいただいたビールのアルコール度数が強すぎたのか、全員で歌いながらラクダに乗っていたら、いつの間にかキャンプ場に到着。
ここでご家族とはキャンプ場が別々のようでバイバイ。良い交流ができた。
私たちが宿泊したキャンプ場はこちら
期待してなかったが、グーグル先生がレコメンドしまくっていたおしゃれグランピングである!テンション再度爆あがり。
テント内はクイーンベッド(電気毛布付き)、水洗トイレ、シャワー付き。
なんだここは!砂漠なのに超VIP待遇じゃないか!
私たちが予約した砂漠キャンプは、ホテルにお任せしていたのでキャンプの質は到着するまで全くわからなかったこともあり、期待していなかったのも良かった。嬉しさマシマシだ。
夕食は大きなテントがレストランになっているスタイル。
食事はもちろんタジン。お酒は出ないけど、もっと野蛮なキャンプを想像していたので大満足である。
夕食後は外にある焚き火を囲んで宿泊客が談笑している中、ベルベル人のスタッフが太鼓と歌で雰囲気作り。
誰かが太鼓を叩くとそのリズムに合わせて他の太鼓と声が重なっていく感じ、芸術的だった。
ここでも日本人珍しい!という空気感でめちゃくちゃ話しかけられる。
宿泊している人はコロナ禍なのでだいたい国内の方が多く、日本人に会うの初めて!と好きな日本の漫画の話題で同世代の兄さんと盛り上がった。
ちょっと疲れたら途中で抜けて、離れたところにある休憩スペースで星を眺めることもできる。
この日は月がギラッギラに輝いていて星はあまり見られなかったが、空が広く、風もなく、自然のパワーに満たされながらぼーっとした。
カウントダウンはまた焚き火の周りに戻り、皆さんと共にパッピーニューイヤー!
ここでもモロッコのご夫婦にシャンパンを分けてもらう。
なんだかもらってばっかり。モロッコ人優しい。
初日の出。砂漠の砂以外なにもないところから大きな太陽がこんにちは。
今年もよろしくお願いします、と夫と話しつつ眺める。
毎年ちゃんと北海道の実家に帰省して、家族みんなで年越しをしていたことを考えると、今年の年越しは現実味がないなあ。
そんなことを考えていた気がする。
今年のゆるい目標は「たくさん笑う」にした。
人生の中で一度くらいは、砂漠で年越しも面白いものである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?