メラトニンを摂りすぎるとどうなるか?
メラトニンの過剰摂取が急増している記事を『BBC』が紹介している。
私たちはスマホのブルーライトを浴びながら生活している。研究によれば、それはメラトニンの分泌を妨げ、睡眠に壊滅的な影響を与えている。
メラトニンは、身体の睡眠覚醒サイクルを調整する上で重要な役割を担っている。メラトニンは「真夜中のホルモン」とも呼ばれ、昼間は分泌量が少なく、夜になると分泌量が増える。何百万人もの人々が、不眠症や時差ぼけ、夜勤明けの睡眠困難と闘うために、メラトニンのサプリメントを利用している。夜通し眠れるようにと、小さい頃からメラトニンの「グミ」を与えられている子どももいる。
しかし、メラトニンは安全ではないかもしれないという不安が高まっている。メラトニンの過剰摂取で入院する子どもの数が急増。2022年の研究によると、2012年から2021年の間に、小児のメラトニン過剰摂取による毒物管理への年間問い合わせ件数は530%増加した。26万件のメラトニン過剰摂取を調査した研究では、300人近くの子供が集中治療を必要とした。そのうち5人が人工呼吸器を装着しなければならず、2人が死亡した。
「すべての薬には副作用があるので、睡眠治療に使われる他の薬と比較すると、メラトニンは非常に安全だと考えられています。しかし懸念点は未だ分からないことがあるということです。発育途中の子どもに投与した場合、10年後にどのような影響が出るのかは私たちにはわかりません。」と、ボストン・メディカル・センターの准教授で睡眠障害センター長のサンフォード・H・アウエルバッハ氏は言う。
大人の不健康な習慣とその対処法が、発達途中の子どもにも強制的に適用され、健康に大きな被害を及ぼしている。子どもの健康に気を配るのであれば、大人の習慣を見直すことから始めるべきなのだろう。
出典:BBC