#16 大磯ウィンドアンサンブルクリスマスチャリティーコンサート 2024
さて。あと2週間ちょいで本番を迎えます、大磯ウィンドアンサンブルクリスマスチャリティーコンサートですが、今回も演奏する楽曲について少々?お話ししましょう。
いつも書きますが、ホントはもう少しコンスタントに記事が書ければいいんですがね(笑)
なかなかネタもないものです…
…ということでまずはフライヤーについて
今回のデザインについて。
プログラムのメインはドラゴンの年なわけですが、今回はベートーヴェンが深く関わっております。
昨今AIが進歩しまして、このドアップドラゴンもAIが生成してくれました。
あとはその使い方次第ですよね。
ベートーヴェンについては2曲目に演奏する「空知らぬ雨にかかる虹」とコンサート最後に演奏する「不滅のベートーヴェン」が関連します。
各曲については後述しますが、フライヤー内の右上にある月にはベートーヴェンの面影が見え隠れするデザインを作らせていただきました。見えますか?(笑)
あとはなぜドラゴンが泣いているのか…
では各曲のお話にまいりましょう。
コンサートのオープナーですが、今回はヴァンデルローストの
★アルセナール
解説には…
“アルセナール”は、ベルギーのメヘレンに拠点を置く“armonie van het Spoorwegarsenaal”の50周年を記念して作曲されました。
とあります。
平均年齢も高くなってまいりました大磯ウィンドです…がwww
なかなかマーチを軽快に演奏することが苦手になってきましたね。
もともとテンポの速いマーチではありませんが、テンポが速かろうと遅かろうと“軽快に”ってのはなんとかしたいところです。
楽譜自体はそこまで難易度の高い楽曲ではないからこそそういうところまできちんと考えて演奏したいものです。
さて続きまして…
2曲目は…2019年度の吹奏楽コンクール課題曲V「ビスマス・サイケデリア Ⅰ」を作曲した日景貴文氏の
★空知らぬ雨にかかる虹
この曲は私の教え子が顧問をする神奈川県立厚木高等学校吹奏楽部の委嘱作品です。この厚木高校、顧問の他に高校時代の後輩で教え子が今年度教頭先生になるという、なんとも面白いことまで起きまして…
先日のレッスンの際に久しぶりに会えまして、昔話に花を咲かせました(笑)
初演を“予定していた”2020年はベートーヴェンの生誕250周年だったそうで「ベートーヴェンの作品を引用したものを」というオーダーだったそうです。
ところが完成はしたものの2020年はコロナ禍真っ只中。その年の初演は叶いませんでした。もちろんその後きちんと初演はされましたので。
この曲を作っていた当時の日景氏は30歳ちょうどになる頃。ベートーヴェンが30代の頃には“ピアノソナタ第14番”(通称“月光ソナタ”)を作っていたらしいんですね。ピアノの専門家でもない私ですら知っている月光ソナタですが、世界中で今もなお愛されているこの作品を吹奏楽でも…という想いで“これ”をベースにすることにしたそうです。
タイトルにある“空知らぬ雨”というのは、すなわち悲しみの涙のことであり、難聴という深い絶望の中で生きたベートーヴェンの“嘆き”と、音楽への深い意志と情熱をもって苦悩を乗り越えた先に見える“虹”、のちに“楽聖”と謳われた彼の生涯や精神性が描かれています。
…というわけでフライヤーのドラゴンが涙しているのはそういうわけなのです。
その上には虹を架け、さらにはその上からベートーヴェンの面影のある月光が照らしているわけです。
個人的にこの作品は厚木高校の初演を聴いて、大変感銘を受けた作品です。
今回これを取り上げることができて大変満足しております。
当日は作曲者の日景氏も来場予定です。日景氏に会いたい方はぜひ会場にお越しください(笑)
3曲目はワーグナーの作曲しました歌劇ローエングリンより
★エルザの大聖堂への行列
オーケストラでも吹奏楽でも比較的演奏される機会の多い楽曲ですね。
もちろん選曲会議の際にはそんなことは関係なかったのですが、個人的にはとても思い入れのある演奏になるのではないかと思っております。
その話が何かといいますと…
大磯ウィンドでは12年前の2012年にこの曲を取り上げています。
2012年にこのコンサートをやる2ヶ月前。
すなわち2012年3月に、我が家にワンコが降臨しました。
“エルザ”と命名しました。
もちろん命名したときには、このワーグナーの楽曲のことなんて考えていませんでしたよ?(笑)
そして今回2024年。
12年ぶりにこの楽曲を取り上げることが会議にて決まったのが6月…
その翌月である7月に愛犬“エルザ”はわずか12年という短い生涯を閉じました。
悲しみに暮れている私の“空知らぬ雨”…
虹の橋を渡ったのか、虹の橋のふもとでいずれ向かうであろう私のことを待っていてくれてるのか…
日景氏の楽曲とも一部リンクするような状況、エルザとの出逢いと別れ、これらにどんな因果があるのかととても不思議に思っております。
もちろんたまたまです(笑)
わかってます。でもね?何も感じずにはいられないのですよ。
内輪の…内輪どころか私の勝手な事情ですが、そんな経緯もあるんですよってことでお聴きいただければと思います。
ずらずらと書いてしまいましたが、第1部最後にはスパークの
★ドラゴンの年
私は何回目でしょうねぇ…
何度演奏しても同じような壁にぶち当たる、同じような指示ばかり飛ばすことになる…
もちろん難易度はかなり高めの楽譜ですが、やはりプレイヤー側での楽曲に対する理解度、楽譜に対しての成熟度を高めないとクリアできません。
1楽章が難関なのですよ(笑)
パズルのように絡み合ったリズムをミスすることなく1発の本番で決められるように緊張感を持って臨んでほしいものです。“緊張しろ!”ではないですよ?(笑)
あくまでも“緊張感を持って”ということです。
2楽章は体力的にとても厳しいものですが、どこまで壮大に、どこまで美しく演奏できるかこだわりたいところです。
中盤からのテンポは、それはそれは遅く奏するつもりでおりますのでお楽しみに!
プレイヤーにとっては地獄でしかないのは言うまでもありません(笑)
そして3楽章!
これも難易度は高いですね。
若い頃は“速いのは正義”なんて感覚でイタズラにテンポを上げて演奏していたものです。
でも今回はきちんと指定のテンポでいきたいと思います。
いや、指定のテンポでも前述したように平均年齢の上がってきた大磯ウィンドには…
き…び…し…い…(笑)
そもそも金管バンドのために作られたこの作品。
木管楽器で演奏するのですら難しいのに、これを金管楽器でいともたやすく演奏してしまう諸外国人のみなさんには驚かされるばかりです。
お時間のある方はYouTubeなどで金管バンド版のドラゴンの年を聴いてみることをオススメします。
一番のオススメはもちろん“鼻血ドラゴン”です(笑)
この演奏は圧巻です。
すべて金管楽器で演奏してますからね???
日本では2024年は辰年でした。
大磯ウィンドはドラゴンの年で辰年を締めくくります!
じゃ2部は次にしましょう…と思ったのですが、書こうと思ったときに書かないとそのまま書かずに終わりそうなので続けます(笑)
第2部1曲目は…NHK大河ドラマのテーマ曲です。
★鎌倉殿の13人
大河ドラマは好きな方はホントに多いですね。
団員の中にも好きで好きで聖地巡りまでする連中がいるくらいです。
あいにく??私は大河ドラマは見たことがないのですが、エバン・コールの作曲したこの楽曲。なかなかカッコいいテーマ曲だと思います。
(でもやっぱりN響の演奏の方がいいなぁ…www)
2曲目は…
今年東京ディズニーシーでは、新エリアである“ファンタジースプリングス”がオープンしました。(したらしいw)
ディズニーにも疎い私ですが、アナと雪の女王、塔の上のラプンツェル、ピーター・パンがテーマみたいですね。
その中からシンフォニックソング・コレクション
★アナと雪の女王
これは、私もお手伝いをさせていただいておりますネクサス音楽出版の社長でもある渡部哲哉氏のアレンジによる壮大なメドレーです。
アナ雪といえばいろいろな出版社からいろいろなアレンジが出ておりますが、このアレンジは秀逸ですよ!
アナ雪の世界のすべてを詰め込んだと言っても過言ではないほどの仕上がりです。
12分を超える大作ですが、飽きることなく最後までお楽しみいただけると思います。
そもそも渡部氏の在籍していた航空自衛隊音楽隊のためにアレンジしたためか、キツいんですよこれが(笑)
ってキツいのはプレイヤーなんですが、世界観をきちんと表現できるように再度ストーリーを見返してみるのもいいかもしれません。お楽しみに!
続いては少し力を抜いて聴いていただけるかと…
★お酒ソング・コレクション 〜酔奏楽の為の〜
まずタイトルにユーモアを感じますよね(笑)
吹奏楽→酔奏楽ですよ???
ゲバゲバ90分!テーマ〜オペラ“椿姫”より“乾杯の歌”〜北酒場〜また君に恋してる〜ウイスキーが、お好きでしょ〜テキーラの6曲がメドレーになっているのですが、曲が進むにつれてアルコール度数が上がっていくようにアレンジしたようです(笑)
プレイヤーもこれは肩の力を抜いて演奏してくれることでしょう。
本番後の打ち上げのことを考えながら…(笑)
そして!
今回のコンサートの大トリ!
最後を飾るのは…
★不滅のベートーヴェン
ひとことで言ってしまえばベートーヴェンメドレーです(笑)
ただし!真島俊夫氏のアレンジですので一筋縄ではいかないアレンジです。
難しいんですよこれも…
ベートーヴェンの楽曲ばかりですから打楽器はそこまで活躍しませんが、本来弦楽器がやっているであろうことを木管楽器が…
地獄です(笑)
それでも原曲の雰囲気を壊すことなく真島氏の素晴らしいアレンジになっていることは言うまでもありません。
■交響曲第3番「英雄」第1楽章
■ピアノ協奏曲第5番「皇帝」第1楽章
■交響曲第6番「田園」第1楽章
■ピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章
■ピアノソナタ第14番「月光」第1楽章
■交響曲第5番「運命」第1楽章・第4楽章
■交響曲第9番「合唱付き」第4楽章
この7曲のメドレーなのですが、おそらくみなさんすべての楽曲を耳にしたことがあると思います。
最後には所謂“第九”が登場するわけですが、2024年の今年はこの交響曲第9番が世界初演されてから200年のメモリアルイヤーなのです。そして日本人の初演からもちょうど100年なのです。
こんな経緯もあり、今回のコンサートはベートーヴェンとの関わりも深いんじゃないかなぁ〜ということでした。
あらためて“ベートーヴェン”という偉大な音楽家の作品と向き合うきっかけができたことを大変嬉しく思っております。
ましてやそれを吹奏楽でということにも大変興味深く向き合わせていただきました。
第九がそんなメモリアルイヤーなので、ホントはT.マー作曲のファンタジア・イン・Gだったり、“天使にラブソングを”のジョイフル・ジョイフルあたりも演奏したかったんですけどね…
あたしにはプログラムの決定権はないので(笑)
ぜひ次のメモリアルイヤーに!!(はい!生きてませんwww)
…そんなこんなでベートーヴェンのTシャツも作ってしまいました(笑)
本番の日、朝からゲネプロ終了まで着ることにしようそうしよう!
文字数は既に4,000文字を超えています。
最後まで読んでくれる人はいるのだろうか…
いいのいいの。自己満(笑)
最後に…
12月1日に開催されるわけですが、クリスマスコンサートと銘打ってるわりに、クリスマス感のない日程だったりプログラムだったりというのはご愛敬。
アンコールあたりでクリスマス感が味わえるかもです(笑)
2曲ご用意してあります。
長いこと読んでいただきありがとうございました。
読んでいただいたあとに再度このフライヤーをご覧いただき“ほほぉ〜”とご納得いただければ、フライヤーの制作者としても嬉しい限りです(笑)
もちろん!
本番の演奏を聴きに来ていただけることが一番嬉しいですけどね!
みなさん、12月1日にはまだまだキレイであり、よく響く平塚のホールへお越しください!
入場無料でお待ちしております!
どうぞよろしくお願いいたします!!
ではまた〜!
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