箱根駅伝2024-25春17「順天堂大学」
絶対的エース・三浦龍司選手を擁しながらもまさかの17位という結果に終わった名門の順天堂大学。背景には三浦選手を始めとして「駅伝に強い選手」が育ち切らなかったことにある。
もちろん学生スポーツでかつトラック競技などが多い競技において駅伝に強いという理由だけで採用・強化をするというのが正しいわけではない。だが、だからこそここからの復活を期待もしたい。
それくらいの選手層と力を秘めているのだ。
2023-24シーズン
出雲駅伝 9位
全日本大学駅伝 11位
箱根駅伝 17位
最後の最後まで何かかみ合わないまま終わってしまった駅伝シーズンだった。箱根駅伝でも区間1桁で走れたのが吉岡大翔くん以外おらず、どことなくエンジンがかからないまま終わった印象さえ残った。
トラックレースでは当然三浦選手が引っ張っていくという形だったと思うが、どことなく比重が駅伝でなくそちらに置かれていたというのがチームとして狂った部分もあったのではないかなと思う(当然これは、長門監督を始めとしての順天堂大学側と三浦選手が決断し選択したことなので、否定する気は毛頭ない)。
ただし、今シーズンは力のある新入生たちが続々入学してきている。巻き返しへと向けて当然十分な戦力はそろっているはずだ。
関東インカレ
関東インカレでは相変わらず強い順天堂は今シーズンも総合優勝を達成。その中でも長距離トラックでの活躍は見事で、特に1500メートルと3000メートル障害では表彰台に選手が上がるなど大活躍を見せた。
1500
3着 塩原匠 3年 3'46"49
11着 大野聖登 2年 3'49"38
3000SC
1着 村尾雄己 3年 8'40"43
4着 山﨑颯 3年 8'45"71
5000
16着 池間凛斗 1年 14'04"11
25着 永原颯磨 1年 14'14"52
29着 川原琉人 1年 14'18"09
10000
8着 玉目陸 1年 28'13"67PB ※順大歴代3位
21着 海老澤憲伸 4年 29'06"26
25着 吉岡大翔 2年 29'23"19"
ハーフ
12着 小林侑世 2年 1:04'55
27着 荒牧琢登 2年 1:07'07
DNF 鬼澤大樹 4年
監督
個性派集団を作り上げてきた名伯楽。おそらくだが、三浦選手のような比重を置く先が駅伝でない選手が今後増える中かつての「戦友」も加わった。彼もまた、巻き返しへと向けて気合を入れている。
長門俊介
オリンピアンの育成と駅伝での結果を両立してきた個性派軍団の大将。パリオリンピックにも卒業生2名を送り出すことはほぼほぼ決まっている中、かつての「戦友」でもある今井正人さんと、田中秀幸さんがコーチ就任が決まった。
まだまだ若さがある青年監督にとって、現役を退いてまだ間もないコーチの就任は大きなプラスとなるはず。そういった点でも巻き返しを大きく期待できるだろう。
負けてたまるかプレイヤー
一度落ちたエネルギーを再び点火させるには相当な「何か」が必要だ。そのカギを握るのは新入生であり、そして関東インカレでは新風を巻き起こしてくれそうなルーキーが自己ベスト更新した。
玉目陸
1年生、いきなりの大舞台で自己ベスト更新、8位入賞を達成した期待のルーキー。都大路の出場こそないものの、そのスピードとポテンシャルの高さは中学時代から評価されていた。
中学3000メートルランキング1位になったポテンシャルの高さそのままに、1年生から早くも駅伝に殴り込みをかけることができるのか。順天堂にはそれくらいの勢いが今は必要でもある。