第100回箱根駅伝出場校紹介(2)「中央大学」
前回の箱根では首位に立つ場面もあるなど見せ場を作った中央大学。チームとして確実に強化が進んでいる一方、次の100回大会は本気で優勝を狙いに行くべき大会になりそう。
白地にCのユニフォームの伝統校でもある中央大学がどこまでやれるか、期待はますます膨らむ。
そういうわけで行ってみよう!
中央大学
1885年18人の法律家によって作られた英吉利法律学校が起源となり、1905年に設立。法律の中央と呼ばれる法学部は日本の大学では名門として知られる。また、法曹の分野にとどまらず多くの財界人も卒業し、前自民党副総裁の高村正彦さん、自民党幹事長を務めた二階俊博さんも同校の卒業生にあたる。
スポーツ関係も卒業生はとても多く、侍ジャパンに選出された牧秀悟選手や川崎フロンターレで活躍された中村憲剛さん、ミスターバスケットボールと呼ばれた佐古賢一さん、バレーボール全日本の石川祐希選手が著名。
陸上部でも東京国際大学の前監督にあたる大志田秀次さん、現監督の横溝三郎さん、創価大学監督の榎木和貴さん、立教大学にて監督を務める上野裕一郎選手、世界陸上で銅メダルを獲得された佐藤信之さんなど卒業生でも一線で活躍した選手が多い。短距離でも飯塚翔太さんなどが卒業し、多彩な人材を多く輩出し続けている。
昨シーズンのチーム成績
出雲駅伝 7位
全日本大学駅伝4位
箱根駅伝では総合優勝まであと少し手が伸びかけた大会だった。駒澤大学のチームとしての選手層に最後は敗れた形となったものの、100回大会に向けて往路を快走した主力選手はそのまま残る形となる。
一方で懸案事項はエースの吉居大和くんのコンディションだけか。彼が万全な状態であれば3大駅伝のこの成績はより2つは順位を上にできたはず。
四半世紀ぶりの優勝に向けて大きな収穫としては彼抜きでもシード権は戦えること、そして若い選手たちも出てきていることはプラスと言える。
監督
藤原正和
中央大学の伝説的選手。前大学生マラソン日本記録保持者にして世界選手権も2度出場した、まさしくエリート中のエリート。唯一日本人選手の中で東京マラソンを優勝した経験を持つ。
現役引退後にすぐ中央大学の監督に就任するも、チームビルディングが上手く行かずに連続出場記録が途絶えた。途中でキャプテンが3度変わる、距離走の目標距離さえも踏めない選手も多い中で堀尾謙介選手などの選手育成と併せてスカウティングも大きく改善。
その後は98回大会では6位入賞、99回大会では2位に入るなど指導者としても名をあげつつある。
穏やかで優しい語り口の一方、声掛けでの情熱的なふるまいが印象的で、実業団でも活躍する選手も現れており、伝統校中央大学の指導者としてでなく「指導者・藤原正和」としての評価も上昇中だ。