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箱根駅伝2024-25「負ける気がしねぇ」シリーズ

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2021-22は「男になるのはお前だよ」、2022-23は「パワフルパワー」、2023-24は「前人未踏」シリーズでした。 箱根駅伝2024-25「負ける気がしねぇ」シリーズで行…
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2023年2月の記事一覧

長門俊介「復活の道のり」

長門俊介「復活の道のり」

「かつては強かった」。スポーツにおいてこうした表現をされることは多々ある。駅伝においても今回2位に入った中央大学もまた、その類いに入るチームであることは間違いない。
日大・大東文化・山梨学院……実名を出して申し訳ないが、こうした大学は「かつての実績」とは裏腹に現在は……といわれてしまうことが多々ある。

山の神を擁するなど、都度11度も箱根駅伝で優勝を果たした順天堂大学もまた、そうした声があったこ

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前田康弘「歴史を変えた出会い」

前田康弘「歴史を変えた出会い」

2018年秋。この年を境に國學院大學の評価が急上昇を遂げていた。
「今年の國學院大學はいいらしい」
「いい練習を夏に積んできて予選会に臨む」
前回大会の箱根駅伝で駒澤大学が全くレースプランがハマらずにシード権を落とした中で臨んだ予選会ということもあり、ひそかに話題を集めていた。
一方、國學院大學は鶴見中継所でタスキがつながらず総合14位と涙をのんだ。

翌年、ふたを開けてみると予選会を4位通過で往

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原晋「反発の男」

原晋「反発の男」

箱根駅伝に限らず、お茶の間でもすっかりと話題の一つとなっている青山学院大学の原晋監督。その存在は多くのファンを作り出してきた。近年の箱根駅伝の盛り上がりを支えている最大の功労者といっていいだろう。
一方で、「指導者として」ではあるが一つ大きな分岐点を迎えそうな予兆がある。

それは、3位に入りながらもこれまでの青山学院大学には見られない「惨敗」だったからだ。この1年、青山学院大学はどんな反発を生み

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藤原正和「苦闘の6年」

藤原正和「苦闘の6年」

2位で悔しいと思えるチームと、果たして中央大学はなることができたか。それとも……次はやれると思えるチームになれたか。

この選択肢どちらが正しいか、というのではない。そういう次元に中央大学が戻ってきたという事実に、私は感慨深さを覚えた。率直に言えば、ここまでのチームを作り上げるとは思わなかった。
6年前、右も左もわからないまま監督に就任した中で迎えた箱根駅伝予選会。前回大会、1区で快走を見せ、鉢巻

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藤田敦史「藤色の番頭」

藤田敦史「藤色の番頭」

誰もが納得する人選となったのではないか。

3冠という素晴らしい99回大会で身を引く大八木監督の跡を継ぐ人は、おそらく彼しかいないだろう。なぜなら彼は「藤色の襷」を名門へ引き上げ、そして名門駒澤大学を作り上げた大八木さんの「長男」なのだから。

そんな彼が、なぜ「長男」と呼ぶことができる存在と言えるのだろうか。それは、彼の駒澤大学で歩んできた軌跡を見れば誰もが納得いくものだからだ。

決して高校駅

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