初投稿!東大阪の長屋空き家を改修した話 その6
町の交流拠点へ
助成金を獲得する過程を終え、同時に進めてきた設計も終盤に差し掛かってきて空間の説明をしたいと思います。今回、改修を手掛ける事になった店舗付き長屋住宅はイベントも行える事務スペースを所有しており、場所を管理する人や学生がメインに住戸スペースで生活を営むという形になっております。模型左部分1階(東側)はイベントスペースも行える事務スペースで地域の団体や近畿大学のサークルがイベントを行う際に貸し出しているスペースです。現在ではかなりの賑わいを創出しており、町にとって非常に重要な交流拠点な場所になっていると思います。
町にとってふらっと立ち寄ったり集まれる場所があるのは住民にとっても良い事で、使われることなくそこで建物が眠り続けるよりかは町に還元するためにあったかのような建物だったのではと立地も含めて、今ではそう思います。
しかし、ただ町の中に突如イベントが出来るスペースが現れたとしても活気に溢れるとは到底思えません。利用する人も恐る恐る使っていいのかなって思います。
長い時間をかけてメンバーが自治体と交流して、井戸端会議に出席して、大掃除して綺麗にした場所でプレオープンした甲斐があってこそ、使って貰える価値が生まれたんだと思います。場所を知ってもらい、いつもここに来る学生の顔を知ってもらって私たちの熱意が伝わったから安心して利用してくれていると思います。メンバーの絶え間ない努力の賜物です。
住まうという事
もう一つ重要であることに気付きました。それは”住”です。模型右部分(西側)と2階。つまりそこに住まうということです。あきばこ家は住まう機能も兼ね備えているので常に管理している状態が担保されているのです。それだけでなく町の人が気にかけてくれたりするおかげで単なる集会所になることなく常に誰かがそこにいることが成立するため町からの信頼も得ることが出来たんではないでしょうか。
J pod
事務スペース兼イベントスペースには耐震シェルターJ.Podが挿入されています。今回の物件は6軒長屋の角地側2軒分が対象になっています。地震が来ると角地側に向かって倒れてくる事が予測されていたので生存空間を確保するためにもJ.Podを設置してあります。J.Podはロの字型の木枠リブフレームに四隅を鉄筋ブレースで繋げるため強固な架構が維持されています。J.Podは既存の構造体とは完全に切り離されてシェルター単体で小さなスペースではありますが被害から身を守ってくれる重要な存在です。今ではリノベーションで利用される事例も多くなっています。
to be continued...
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