オメちゃんのいま。
まず最初に、この記事を読んでくれている皆さんにお礼を。
前回の記事の後、サポートを始め優しい言葉や励ましのメッセージなど沢山いただきました。noteから、Twitterから、インスタグラムから、「強くいよう」と心から思わせてもらうことができました。本当にありがとうございます!
前回の記事で、オメガは「動脈管開存症」の可能性が高いと書きました。寿命はおそらく5~7年とも。しかしその後の検査により、心臓の状態がはっきりとわかりました。
先天性の心疾患。心臓の中に4つある部屋の中で本来行き来するべき血液が、この異常により逆流したりうまく運べない症状。赤血球の量も多いので血液がドロドロしていて、結果的に肺や脳などへの血流がスムーズにいかない、というものでした。
動脈管開存症であれば手術が可能だったのですが、これは心臓内部の構造の問題なので手術不可能。海外で手術の事例がないわけではないが、80%以上の確率で失敗に終わっているとのことでした。
そして、オメガの寿命。
もちろん個体差はあるので絶対ではないけれど、平均的にこの症状の心臓を持つ犬は1~2年しか生きられないとのこと。オメガは今1歳1ヶ月。ということは???
でも大丈夫。
前回の記事の時はまさにオメガが入院中。突然の痙攣からの即入院で、病院でも「このままショック死するかもしれない」と言われた真っ只中だったので、感情が抑えきれない状況でした。
ずっと一緒に過ごせると思っていた存在を、突然何の前触れもなく失う恐ろしさに呑まれる寸前だったのですが、今は違います。
「心臓が止まる瞬間は突然訪れる可能性が高い。寝ている間に、遊んだ直後に、散歩している最中に。パソコンの電源が切れるみたいに、突然 ”終わり” が来るかもしれない。」
担当獣医師にそう言われたのですが、私はむしろそれでいいのかもしれないと思っています。
もともと吠える犬が苦手なオメガ。四六時中たくさんの犬の鳴き声がする病院で5日間過ごし、わけも分からず採血や様々な治療を受けて退院したあとは、外に出るのを極端に怖がるようになっていました。トイレもまともにできず、顔見知りの犬たちも避け、人も犬も生活音も全てが恐怖の対象だった1週間。
その後少しずつ慣れていき、今は元通りの生活が送れていますが、私は二度と同じ思いをさせたくないと思っています。
オメガと共に生きられる日々が残り1年でも半年でも1週間でも、それは考えても仕方がない。もしかしたら奇跡が起きて5年くらい生きるかもしれないし、残念なことに明日いなくなってしまうかもしれない。
だったら、今この瞬間を一緒に全力で楽しもうと思うのです。
死を恐れないオメガを見ていて思うこと。
当たり前のことだけど、動物が自分の命について考えることなんてありません。死を間近に感じた動物が死に場所を探すようなことはあると思うけれど、「私来年まで生きられるかな?」とか「僕の心臓って弱いのかな?」とかは考えない。
あるのは、楽しい!嬉しい!遊びたい!イヤ!怖い!苦しい!とかそういう、今まさにそのときの感情だと思うのです。それはつまり、いずれ遠くない未来に死ぬことを恐れていないということ。これってすごいなぁと思うのです。
私たちはつい、先のことを考えて心配して準備して、それでも不安に襲われることが多々あります。その全部がないって、ある意味面白い。同じ動物なのに、やっぱり違う種族なんだなぁなんてしみじみ思ったりしています。
そんなことをボーっと考えていると、なんだか心配しすぎるのが時間の無駄に思えてきたりして。もちろん、決められている薬や通院など、やるべきことはやる。もし治療法が見つかるようなことがあれば、是非とも試したい。(オメガが苦しまないのであれば。)
でも、それ以外に私たちがやることって、きっとシンプルなことだなって思えるようになりました。オメガが楽しかったら、私も嬉しい。それでいいんじゃないかと。
これからも不安になることはあるだろうし、毎朝オメガが目を覚ましているかをまず確認する日々は続くと思います。
でも、今この瞬間のオメガは生きているし、遊びたい!お腹すいた!と全力でアピールしてくる。そのひとつひとつをこの目に焼き付けていこうと思います。
命の長さなんてわからないし、どんなに願っても代わってあげることはできない。オメガにできるのは今を生きることだけだし、それは私も同じ。
一時期、何もできない自分をやるせなく思ったり、病院でのスペイン語の説明がわからなくて情けなくなったりしていたけれど、そんなことを思って落ち込んでる場合じゃないと思うのです。
誰だっていつかは死ぬし、そんなそれぞれの命のタイミングの中で、ここで出会えたことに感謝するしかない。
私はオメガが大好きで、たぶんオメガも私のことが大好きで。近所の人もカフェの店員さんも、レストランの車誘導係のおじさんも、私たちが通れば笑顔で挨拶してくれる。オメガはちゃんと生きている。おそらく、みんなの記憶に残ってる。
退院時、「痩せすぎ」と言われた体重11.8キロから、約1ヶ月半で「少し痩せたほうがいい」と言われる14.8キロまで増えました。おやつのあげすぎ、幸せ太り。だから今のおやつは人参が中心です。
これから、1日でも長くオメガの笑顔が見れますように。
一緒にシンプルで小さな幸せを積み重ねられますように。
そして終わりが来たときも、号泣しながらそんな日々を思い出して、ちょっと笑えますように。
前回、神様でもドクターでも誰でもいいからオメガを助けて、私の唯一の宝物を戻して、と祈った願いが叶いました。今回の願いはそのときほど難しくないし、自分たちの力で叶えていけるはず。
応援、励まし、本当にありがとうございます!
なんだかんだ書いたけれど、私は今とっても幸せです!!視界の隅、目と鼻の先に常に愛しいオメガがいて、泣けるほど幸せです!!