圧倒的最下位の生徒になってしまった今日。抜け殻になった私は、前を行くアメリカ人に追いつけるのか?
メキシコでの語学学校2週目。
月曜日の授業が終わったついさっき、私は公園で泣きそうになっていました。理由は簡単。―――全然ついていけなかったから。
居心地の良さに甘えていたのかも。
先週1週間の授業を無事終えて、クラスメイトとも仲良くなってパーティーなんかして、学校にも慣れてきた今日。
この学校は毎週生徒を受け入れていて(ミニマム1週間から受講可。)クラスメイトの顔ぶれが変わることは何となくわかっていました。それでも、先週のクラスは6人で、話せる人とあまり話せない人が半々。メンバーが多少変わってもまた楽しくやれるだろうな、と勝手に思っていたのです。
それが今日、クラスが始まってみると生徒が15人に。そして当然のように全員イングリッシュスピーカーで、しかも驚くほど話せる人たち。
前半の授業は文法やボキャブラリーを聞いて学ぶ内容だったから切り抜けられたけれど、後半は全部会話&先生が文章を読んでその内容について一人ずつに質問をして答えていく形。皆がめちゃくちゃ話すなかで、私は「すみません。」と「わかりません。」を繰り返していました。
もうダメだ。早く帰りたい。
予習したり復習したり、自分なりには準備していたつもりだったけれど、驚くほどペアを組んだ相手の言葉が聞き取れない。何なら、いつも私を気にかけてくれる先生のクリアな発音さえ聞き取れない。
約4時間の授業終了後、いつもは先生に声をかけたり質問したりして帰るのですが、フラフラと教室を後にしました。
そのまま家に帰る気にもなれず、途中の公園に寄り道。遊びまわる子供たちや犬たちを横目に、基礎の基礎からやり直し。ノートに書いて、書いて、書きまくる。それでも間違える自分に嫌気がさし、ふと携帯を見ると先生からメッセージが。
クラスで何かあった?助けが必要ならいつでも言って。
この先生は、前日一緒に観光したり話したりしていて、「僕たちはベストフレンドになれるかも。」と言ってハイタッチをしてくれた大事なメキシコ人第1号の友達。
その後も、私が不安になっている理由を聞きつつ、役立ちそうな問答集をメールで送ってくれたり。「君のクラスメイトは皆、もともとスペイン語を勉強してきた人たちだから気にしなくていい。明日はもっとヘルプするから、心配しないで。」と元気づけてくれました。
私が泣きそうになっていた理由。
そんなやりとりが何回かあった後、歩きながら暗い気分の根っこについて考えていました。それでやっとはっきりした、残念な理由がこちら。
自分が一番できていないことが明白な中、それを自他ともに知らしめるような授業が続いたこと。
なにそれ。もっと簡単に言うと、
自分でも私が一番できていないとすぐ分かったのに、結局それをクラスメイト全員の前で披露しないといけなかったから。そしてそれが、この先1週間続くであろうと予想できたから。
気分的には、情けなくて、恥ずかしくて、悔しくて、申し訳なくて。誤解を恐れずに言うと、「自分が圧倒的に最下位」みたいな状況になったことがないので、頭を切り替えられなかったんです。
少し劣っている、ではなくて、圧倒的に私と彼らの間に差があることを実感してしまった今日。
で、結局何をするのか??
勉強します。ちゃんと書きまくって、声に出して、反復します。基礎を頭に叩き込んで、ボキャブラリーを増やして、毎日少しずつ成長してみせます。
語学なんて、一瞬で伸びるものじゃないことは分かっているけれど、せめて知っている単語を増やして会話に幅をもたせたい。皆が話していること全ては理解できなくても、「ここがわからない」と明確に伝えられるようになりたい。
心配そうに見守ってくれる元のクラスメイトや、全力でサポートしてくれる先生に、少しずつでも勉強の成果を感じてもらいたい。
どんなに落ち込んで公園でテキストを開いてノートに書きまくっていても、ふと空を見上げた時「あ、もうすぐ雨降りそうだな。帰ろ。」と思える図太さを、良い方向に使います。
家に帰って携帯を見ると、「明日はもっと良くなる。ちゃんと助けるから、不安なことは口に出してね。授業が終わったら直接話そう。」というメッセージと共に、気分が良くなるよ、とボブマーリーの曲を先生が送ってきてくれていました。
外は大雨。濡れずに帰ってきた自分を褒めつつ、前に見つけたUFOでも食べて、納得いくまで勉強しよう。テストのためじゃなくて ”自分のために勉強してる” と確信できるから、まだ頑張れる。