【vol.001】 まえがき
父親はしばらく考え込んだ後で、私の人生を大きく左右する言葉をかけてきました。
「お前が死んでも、それは仕方ない」
焼き鳥屋の座敷で、父親に真顔でそう言われた瞬間、私の後頭部がバンっと爆発したのを感じました。
ただでさえ精神的に参っている時だからこそ、最後の最後には寄り添ってくれるはずだと信じていた親から、私の「死」を是認する発言をされたことで、精神的に頼れる存在がなくなってしまいました。もうこの世の中の誰にも頼れない。真っ暗闇の大海原に、独り放り出された感覚になりました