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多摩川河川敷②

二子玉川駅の高架下にある兵庫島公園から、多摩川左岸の河川敷を上流方向へ歩きます。

グラウンド地帯

河川敷に何やら「世田谷区」「渋谷区占有地」などと書かれた杭が、縄張りを主張するかのように立っています。

ここは世田谷区。
でも地図を見ると、この辺りは渋谷区営の運動場になっています。
杭はその境界を示しているようでした。

渋谷区営野球場A面
境界に限らず、「世田谷区」単独の杭も多い

このあたりの多摩川河川敷はグラウンドだらけ。
野球場、少年野球場、サッカー場、テニスコート、多目的の運動場。
ほとんどは世田谷区か渋谷区の区営ですが、さらに上流の宇奈根の河川敷には、目黒区営の運動場もあります。
多摩川の広い河川敷を、流域の町に限らず、近隣の自治体でシェアしているんですね。

世田谷区と渋谷区のグラウンド群
目黒区のグラウンド群
河川敷とは思えないほど広いグラウンド


きぬたまあそび村

兵庫島公園から約1kmほど上流まで歩くと、河川敷のグラウンドが途切れて、動物のオブジェが配された原っぱが現れます。

ここは「きぬたまあそび村」。
NPO法人が運営する、子供向けのプレイパークです。
2019年10月の台風19号襲来で多摩川が氾濫した時、一度流されてしまいましたが、その後、再建されたそうです。

ツリーハウスが仕掛けられた大きな木は、濁流に耐えて残ったものでしょうか。

ツリーハウスのある木
ポンプ式井戸  子供が遊ぶ用

通常のメンテナンスかもしれませんが、いまだにここでは、いつ行っても、整地車が地面をならしているのを見かけます。

この付近の河川敷はかなり幅が広く、きぬたまあそび村も多摩川からだいぶ離れています。
それでもここが水没したというのだから、2019年の多摩川の洪水がいかに凄かったことか。

また台風や豪雨で多摩川が氾濫することがあれば、きぬたまあそび村は再び沈んでしまうのでしょうね。


孤独な…

それで思い出したものがあります。

二子玉川駅の高架下から、きぬたまあそび村とは反対の多摩川下流方向へ約1.5km行ったところ、野毛の河川敷にぽつんといる彼は
「孤独なライオン」。

孤独なライオン

ちょっと有名になってしまい、Googleマップにも掲載され、そのクチコミを見ると、わざわざ見物に訪れる外国人もいるようです。

草陰から覗く姿はサバンナのライオンのよう

以前は周りに他の動物もいたけれど、2019年の洪水の際に流されてしまい、このライオンだけが残ったのだとか。
真偽は分かりませんが、そんな噂があります。

孤独なライオンは、きぬたまあそび村の動物たちよりももっと多摩川に近いところにいます。
多摩川が増水すれば、簡単に沈んでしまうでしょう。
放置されているのはちょっとかわいそう…
でも、彼はある意味、多摩川の災害遺構になりました。
有名にもなったし、簡単には動かせないかも。

がんばれ、孤独なライオン。


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