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乳頭温泉郷ってどんなところ? 鶴の湯、黒湯、孫六、蟹場、大釜を巡って

乳頭温泉郷のまとめ

温泉に興味のある人であれば、秘湯=乳頭温泉と思い浮かべる人は多いでしょう。秘湯好き、温泉好きには憧れの温泉の一つですよね。私も大好きなんです。
秘湯=アクセス悪いというイメージもありますが、秋田新幹線の田沢湖駅から田舎にしては割とバスの便数があり、アクセスはそこまで悪くありません。

乳頭温泉郷には、鶴の湯、黒湯、大釜、妙の湯(たえのゆ)、蟹場(がにば)、孫六(まごろく)の6つの温泉があり、どこも日帰り入浴が可能となっています。宿泊しなくても十分に楽しめます。

この温泉郷の素晴らしいところは、なんといっても取り巻く自然環境でしょう。
ブナの森に囲まれた清澄な空気、高地特有のすがすがしさ、綿々と紡いできた歴史が、最高レベルの泉質と重なり合い、ここにしかない特別な温泉郷を創り出したと言えます。

次にそれぞれの温泉について私見を述べさせていただきます。

乳頭温泉郷の温泉6つ

各温泉に個性があり甲乙つけがたい中、皆さん贔屓の温泉があると思います。私の感想ですので、違うんだけどなーと思われた方、ご容赦ください。

黒湯

乳頭温泉のなかでも鶴の湯と並び人気が別格で、乳頭温泉を訪れる客はこの2つには必ず入るといわれています。
バス停(乳頭温泉)を降りて、右側のゆるい傾斜の坂道を登っていくと、道はブナ林の間をくねくねしながら2キロ近く続きます。
建物は茅葺の素朴なつくりの湯治場があり、高級路線に走ってもよいのに昔ながらの伝統をかたくなに守っている印象です。
風呂はこれもまた手作り感のある鄙びた湯小屋で、私は特に露天風呂が好きですね。

黒湯というので黒いお湯かと思っていたら、むしろ青白く素晴らしく美しい色合いです。

鶴の湯

宿の入口の門

乳頭温泉郷の写真でよく使われるのが、ここの混浴露天風呂です(上の写真は旅館の入口)。
足元の玉石の間からぷくぷくと新鮮な温泉が湧きだしており、色は白濁してます。
温泉にハマり始めてどこかに良い温泉はないか探している人には、私は鶴の湯をおすすめしています(これからハマる人向けには草津温泉)。
ここはバス停からかなり距離があります。
途中の道沿いにある、鶴の湯の別館に寄って名物の芋鍋を食したり(見出し画像に写っている鍋)、季節によっては湿原の草花を楽しみながら歩くのもよいですが、送迎バスの時間に合わせて乗せてもらうのもあり。

宿に前に着くと、関所かと思うような門に、茅葺の陣屋がずらりと並ぶ、これもよく観光写真に出てくる風景に心がときめきます。
佐竹の殿様が訪れていたという格式の高さもさることながら、オーナーが安易な金儲けや拡大路線に走らず本物を追求していることが伝わってきます。

孫六温泉

露天風呂から母屋方面

ここは非常に行きづらい場所で、それゆえ乳頭温泉郷のなかで別格の秘湯感、ひなびた感を醸し出しています。
受付のある建物など、大きな農家の家のような感じです。

孫六温泉に行くには、終点のバス停から川沿いの道を2キロほど歩かないと行けないです。乳頭温泉や黒湯がバス停から遠いといっても自家用車があれば宿まで行けるのに対し、ここは歩きです。
ただし、近道があるんです。川を挟んで黒湯の対岸にあたるため、黒湯の裏から歩くと400mほどでついてしまいます。
温泉は源泉に作られているので、とにかく湧き立てがコンコンと流れ出ている感じで、新鮮そのものです。
なかでも大きな石組の温泉は秀逸で、温泉を作ったというより、そこに温泉があったので屋根と壁をつけましたといった体の、純朴かつ豪快な湯釜です。
湯小屋からガラリと戸を開けて外の露天に出れば、そこは道からは丸見えですが、だからどうしたと言ってしまう豪放磊落な気分になります。

蟹場温泉

宿の玄関

丸見えいえば、蟹場温泉の露天も丸見えです。
蟹場温泉は田沢湖駅前から出ているバスの終点で、一番奥にある温泉になります。
川沿いに蟹がたくさんいたことから蟹場という名がついたといわれています。
かにばではなく、がにばと濁るところが秋田の語り口に馴染む感じがします。ある種の暖かみをもって、じっくりと心に響いてくるのです。

この蟹場温泉は内湯もいいのですが、露天風呂に入ることをお勧めします。絶対に入るべきといわせていただきます(混浴なので気にされる女性は宿泊して女性タイムに入るのがよいかも)。
この露天風呂には、建物を出てサンダルに履き替え森の中を歩いて行きます。本当に森の中なので、小道は続いているものの一瞬本当にこのまま着くのかと不安になりながらしばらく進んでいくことになります。
実際はそんなに距離はないんですけど、雰囲気ですかね。

大釜温泉

昔の小学校を移築

黒い木造の昔の小学校の建物を改築して温泉にした施設です。
温泉は私が行ったときはお湯が少し黄色がかっておりましたが、写真で見るとそんなことはないですね。
また、ずっとおおがまかと思っていましたが、おおかまと濁らないようです。(公式サイトのアドレスがookama-onsenになっている)

ここは乳頭温泉では珍しい酸性泉なのと、ヒ素が多く入っているせいか、効能に水虫に効くとあるんです。よそではあまり聞かない効能です。

源泉が98度と高温のため水で薄めてはいますが、加熱や循環はしていない質の高い温泉です。

妙の湯

たえのゆと読みます。ここは行ったことがありません。時間がなく他の温泉を優先したり、行ってみたら順番待ちだったとか巡りあわせが悪いです。
蟹場からちょっと離れて妙の湯、横に大釜と行きやすい場所でバス停も目の前ですし、温泉好きの知り合いでここが好きという方がいらっしゃるので、行ってみたいと思っています。

以上いかがでしたでしょうか。

キャンプ場もあるので、キャンプしながら温泉に入るのも良さそうだなと思いました。鶴の湯までブナの森を抜け川を横切って行くちょっとしたハイキングコースもあり、江戸時代の温泉旅行を実感できるかも!

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