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最難関中合格の秘訣 親の役割・塾の役割

(25回目)
Ⅴ.最難関中合格の秘訣

[3] 塾は子どもの社交場でもある!
 塾という場所を別の角度から見ると、子どもたちの社交場という性格があります。このことはその塾の性格を捉える上で非常に重要なことです。何故ならば、子どもたち同士で交わる内容やその話しぶりがお互いを刺激し合い、受験に向かわせる大きなモチベーションの昂揚になるからです。そして、その行き着く先が最難関中合格なのです。
 希学園で日々、子どもたちがどんな話をしているかをお伝えしましょう。
 例えば「ぼくは脳神経専門の外科医になるんだ」と言う子がいます。それに対して別の子が「何故なの?」と聞きますと、先の子は「いま、この分野が医学界で必要とされているんだ」と答えます。こういうやり取りがその塾独特の雰囲気を作り上げていきます。
 今の子どもたちはこの情報化社会の中で、かなり具体的な人生目標や職業設計をしているのです。昔のように「末は博士か大臣か」といった抽象的な目標ではありません。しかも、世の中で困っている人、弱い人の見方になって自分の能力を生かしたいという希望を持っています。医者になる願望を抱いていたとしたら、その仕事の社会的意義などを十分に理解した上で夢を語ってくれるのです。
 医者を目指す子どもだけではありません。研究者を目指す子、それから最近増えてきたのがITの世界、さらにAIの世界を目指す子、それぞれが自分の能力を使って活躍したいと考えています。
 ITに強い関心を持っていた子で忘れられないのが希学園5期生(関西)の登大遊くんです。彼は筑波大学に学びながら「ソフトイーサ」という会社を作りました。マスコミでは「日本のビル・ゲイツ」などといわれています。現在は経済産業省の下にある「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」のサイバー技術研究室長として海外の政府関連の交渉等も担っている若き日本のエースです。彼と希学園時代の話をすると必ず出てくるエピソードがあります。彼は小学校時代からかなり変わった子で、満足に宿題もせず、コンピュータのプログラミングばかりやっていました。私が宿題のプリントを出しても、そこに問題の答えではなくプログラムを書いてくるのです。その頃から「ぼくはITの世界で生きていく」と宣言し、私に挑戦状を送り続けていたわけです。

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