【ブックフェアついに開催!】絵本作家タイで絵本を売る!その5
タイの各地で毎月行われるブックフェア。100%ローカルなタイのイベントで、果たしてまえだゆうきさんの絵本は売れるのでしょうか??
絵本販売
5月31日(金)
待ちに待ったイベントが始まった。
ブースの準備もバッチリだ。
タイ各地のイベントの中でも、「ウドンタニーのイベントはよく売れる」と、出店者の間では評判なので、心なしか会場には期待の熱気がこもっている。
私もグッと気持ちを引き締めて、お客さんが入ってくるのをブースでじっと待つ。
10:00
イベントスタート。開店と同時にチラホラとお客さんが入ってくる。
平日の日中だというのに、なかなかにお客さんの入りは良さそうだ。
早速チラシを片手に呼び込みを行う。
「こんにちは!サワディカッ!日本から来た絵本作家のゆうきです」
「ポストカードに日本語でサインをします!」
「このブースの商品はすべて私が作りました!」
「くじ引きもありますよ~」
などなど。お客さんが気になるであろうワードを並べて、なんとかブースに誘導するのだ。
「絵本販売のイロハ」
そんな絵本のブース販売。
そもそも私がタイで絵本の物販を始めたのは今から1年半前。
セントラルシラチャ(デパート)でのイベントが始まりだ。
自分の描いた絵本が果たしてタイの人に手に取ってもらえるか。
ドキドキしながらの初出店だったが、3日間のイベントで絵本は6冊しか売れず、結果は惨敗。
売上は2,000バーツにも届かなかった。
完全敗北を味わった私は、どうすれば絵本が売れるようになるか、徹底的に考え、見直しを行った。
①まずは絵本の価格
私が出版社から出版している絵本の価格は1冊230バーツ。
この価格では富裕層にしか買ってもらえない為、1冊100バーツの安価版の絵本も販売。
選択の幅を広げた。
②グッズの製作
そもそも、映画やアニメや音楽などのメディア系は、グッズ販売が儲かる事は周知の事実。
私も絵本のキャラクターを缶バッチやキーホルダーにして販売した。
③ターゲットの特定
2~3回目のイベントあたりで、自分の絵本や商品に興味を持ってくれているのは、主に「女子高生」「女子大生」「20代半ばまでの女性」「アート・サブカル系の男女」だという事が分かった。
その為、彼らのお財布事情に合わせた価格の商品を作成する必要がある。
(大体20~50バーツ)
④ポストカードの作成
以上を踏まえて、1枚20バーツ、サイン付きのポストカードを作成&販売したところ、なんと、これが当たった。
1日平均100枚。多い時では300枚のポストカードがイベントではけるようになり、土日はトイレに行く暇も無くなるぐらいだ。
手応えを感じた私は、ついで買い用の商品を追加し、営業トークを練り、チラシを改良し、少しずつ今のスタイルに近づけ、現在に至るのである。
再びウドンタニー
さて、肝心のウドンタニーのブックフェアだが、来るわ来るわ、お客さんが来るわ。
午後16時を過ぎる頃には学生さんの姿も増え、閉店の21時まで終日大忙しだった。
結局、金・土・日の週末は、連日1万バーツ以上を売り上げ、イベント前の心配も杞憂に終わった。
残り7日間。
ブックフェアの日々はまだまだ続く。
(おまけ)物販のテクニック
これから自分の作品を販売してみたい!オリジナルのグッズを作ってみたい!というクリエイティブな読者の方に、(聞かれてもいないのに)絵本作家の台所事情を明かすおまけコーナー。
今回はブックフェアでの物販のテクニックについて、もう少し深掘りして話していきます。
チラシ
物販をする上でかなり有効なのがチラシの配布。
特に私のような、販売者 = 作家の場合は、作者のバックグラウンドやストーリー性を伝える事が何より重要だ。
チラシを受け取った後に文章を読んで戻ってきてくれるケースも多いし、YouTubeチャンネルを登録してくれたり、LINEスタンプを購入してくれたりと、副産物も多い。
ただ、タイは日本に比べて総じて印刷代が高いので、コスト計算は必須。
(私はA4カラー両面コピーを2万部単位で発注する事で、1枚2バーツまで値下げしてもらっている)
サイン
サインをする事の販売効果は計り知れない。
自分の場合、ターゲットが学生さんなので、サインを受け取った学生さんが次の日クラスで友達にそれを見せて、友達を連れてきてくれる。といった事がよくある。
しかも、日本人の私が実際に日本語でサインをしている様子は「エンターテイメント性」があるようで、写真や動画で撮影してインスタやFacebookでシェアしてくれる事もしばしば。
サインするだけで、商品の価値を高めるだけでなく、お客さんを増やし、情報を拡散する事に繋がるのだ。
くじ引き
タイ人の方が意外と大好きなのが「くじ引き」。
(タイ語で「ジャップ チャラン」というが、「ガチャ」とか「ガチャポン」でも通じる)
運試し。といってくじ引きを勧めると、大抵の人がノリノリでやってくれる。
くじ引きをシャカシャカ振って番号を読み上げる様子も、やはり、必ずと言って良いほど動画に撮られるので、情報拡散も◎。
とまぁ、細かいテクニックや戦術を書き連ねたらキリがないぐらいだ。
こういった1つ1つのアクションは、地味で細かいものばかりだが、それらが積み重なって売上に繋がっていく様子は作家冥利に尽きるというものである。
くじ引きの1等賞が当たった(当てられた)瞬間。
この記事を見ているクリエイターの皆様も、ぜひ、自身の活動の参考にしてもらえたら幸いである。
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