もしも『ストレンジャー・シングス』が『映画クレヨンしんちゃん』だったら

Netflixオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス』

現在、シーズン3まで配信されている人気ドラマ。ストーリーはざっと以下のような感じです。

時は1980年、アメリカはインディアナ州の田舎町・ホーキンスに暮らす仲良し４人組マイク、ダスティン、ルーカス、ウィル。ある日、国立研究所付近の森でウィルが失踪する。ウィルの母・ジョイスは息子を探すべく奔走し、警察署長ホッパーが捜査を始める。そこへ、研究所から逃げ出した坊主頭の少女イレブンが現れる。研究所では、裏側の世界を探る研究がされているらしく、謎の怪物・デモゴルゴンが街に現れ始める。友人をデモゴルゴンに連れ去られたナンシーもジョナサンと共に行動を始める。皆はウィルを救うべく、“裏側の世界”に近づいていく。

観てない人には、なんのこっちゃって話ですが、まぁこんな感じのお話です。

一方、『映画クレヨンしんちゃん』は大人気アニメ・クレヨンしんちゃんの劇場版シリーズで、今年も28作目の『映画クレヨンしんちゃん 激突！ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』が公開を控えています。

そんな『ストレンジャー・シングス』と、そんな『映画クレヨンしんちゃん』。実は相性いいじゃね？……というのは常々思っていました。どちらも「ある街を舞台に子供たちが頑張る話」ですし、「日常に異世界が侵食してくる」辺りも重なります。

そこで、今回は『ストレンジャー・シングス』を可能な限り『映画クレヨンしんちゃん』にしていこうと思います。それも、クレヨンしんちゃん外伝という「別物として」ではなく、現在のしんちゃんの設定を踏まえた、あくまでも映画クレヨンしんちゃんの新作として『ストレンジャー・シングス』を再構築していきます。

まずはタイトル。

本家のタイトルは『ストレンジャー・シングス  未知の世界』

まぁ、かっこいいんですけど、英語を知らない子供たちにとっては少し難しいですかね。タイトルロゴもなんか暗くて重いですし。あくまで今回は映画クレヨンしんちゃんなので、しっかりタイトルも子供に寄せて、分かりやすく楽しくしていきます。そんなタイトルがコチラ。

『映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ 失踪！？ベカスカ大捜索』

どうでしょうか？シーズン１の肝となっている「失踪」を前面に出したタイトル。「ベカスカ」という聞き慣れないが、言いやすく、心地よい語感。「失踪」のあとの「！？」が醸し出す、コメディ感。「裏側」からヒントを得て、ロゴにオセロを入れ込むワンアイデア。さらに「カスカベ」を反対から読んで「ベカスカ」にする一工夫。『ストレンジャー・シングス』らしさと『映画クレヨンしんちゃん』らしさを兼ね備えた、いい塩梅のタイトルではないかと思います。

そんな『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 失踪！？ベカスカ大捜索』ですが、つづいては、設定を考えていきましょう。

『ストレンジャー・シングス』の舞台はコチラ。

インディアナ州の架空の街・ホーキンスですが、『ベカスカ大捜索』では、もちろんコチラ。

埼玉県の実在の都市・春日部市。この埼玉県は春日部を舞台に、ありとあらゆる不思議な現象が次々と起こっていきます。

そして『ストレンジャー・シングス』の時代設定は、1983年ですが、

『ベカスカ大捜索』は、あくまでも映画クレヨンしんちゃんの新作ですので、時代設定は現在、すなわち2020年のお話として展開してゆきます。

さぁ、それでは肝心の登場キャラクターを考えていきましょう。

マイク・ウィラー

はい、実質主人公ですね。オカルトや宇宙が大好きなSFマニアの少年。あのオモチャだらけの地下室憧れますよね。あと優しいんです、彼。謎の女の子・エルを自分の部屋に親に内緒で匿ってあげるんですよ。子供っぽさと、大人な部分を兼ね備えたマイク、『ベカスカ大捜索』だとこの人。

風間トオル

風間トオルくんですね。意外でしょ？「あ、そう来る！？」っていう……はい、主人公ですが、ここはあえてしんのすけには致しません。確かに、マイクは風間くんっぽいですよね。ちょい大人な一面がありつつも、実は凄く子供で。強い正義感が、逆に仇になっちゃう感じとか。結局、真面目なんですよね。ということで、マイクは風間くんです。さぁ、どんどんいきましょう。

ダスティン・ヘンダーソン

サブカル大好きでお茶目なダスティン。猫を飼ってるダスティン。意外と歌が上手いダスティン。ここぞというときMVP級の大活躍をするダスティン。優しい優しい愛されキャラダスティン。『ベカスカ大捜索』だったら、コチラ。

佐藤マサオ

ピッタリじゃないっすか！？マサオくん。てか苗字あったんすね。マサオくんはダスティン味が強いんですよね。いじられキャラであり、ナメられキャラなんですが、「ここぞ！」ってときに覚醒する。『ジャングル』では何百頭のワニの上をパンツ一丁で駆け抜け、『オトナ帝国』では誰よりも華麗にバスを運転し、川をも超えていく「いざとなったらやる男」中の「いざとなったらやる男」。アイちゃんに一途な部分もダスティンっぽいですよね。

ルーカス・シンクレア

パチンコが得意なマイクの近所の少年。最初は、突然現れたエルを受け入れられなかったりするんですが、結局はいい奴。『ベカスカ大捜索』では、この人。

ボーちゃん

ごめんなさい消去法です。どっちも、ねぇ、坊主ですし。可愛げがある部分とかも、近いっちゃ近いですし。まぁまぁ、気を取り直して。次で、仲良し４人組ラストです。

ウィル・バイヤーズ

でましたーウィル・バイヤーズ。少し静かな性格のウィルですが、彼の失踪からこの壮大な物語は幕を開けます。シーズン１の#1のタイトルが「ウィル・バイヤーズの失踪」ですからね。謎の怪物・デモゴルゴンに遭遇し、姿を消すキーマン・ウィル。裏側の世界へ引きずり込まれる、このウィル、『ベカスカ大捜索』だと、この人。

野原しんのすけ

そうなんです！この『映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ 失踪！ベカスカ大捜索』、なんとしんのすけが行方不明になるところから始まるんです。しんちゃん消えた春日部、そしてしんちゃんを探す為に走り回る人々を描く、映画クレヨンしんちゃん……面白そうっすよね。で、内省的なウィルを、おバカ活発５歳児のしんのすけにすることで「裏側の世界」すなわち「ベカスカ」での大冒険も見せて行きます。表の「カスカベ」で大捜索するカスカベ防衛隊や大人たちと、裏の「ベカスカ」を探検するしんのすけ。これを交互に展開してったら、相当いいような気がします。

はい、ここでカスカベ防衛隊が揃いました。この子たちが、

こうですね。

「あれ、ねねちゃんは？」……そうなんです、『ストレンジャー・シングス』はシーズン２からマックスという、実にねねちゃんっぽい人が登場するんですが、今回はお休みということで。父親の転勤の都合で一瞬だけシンガーポールに行ってることにします。はい、ねねちゃんはシンガポールです。

さぁ、どんどん参りましょう。

ジョイス・バイヤーズ

ウィルのお母さんですね。ウィルが生きてることを信じ続ける健気な母親であり、最後まで諦めずに息子のために奮闘するスーパーヒーロー。ほんとめちゃくちゃカッコイイんです。電球が光るシーンとか声あげましたもん。信じることの大切さをジョイスからら学びました。そんなウィル母、『ベカスカ大捜索』なら、もちろんこの人。

野原みさえ

よいしょーと。ピッタリですよね。前作『新婚旅行ハリケーン』もそうですがここ何作かは、時代の潮流もあってみさえの活躍が著しいですからね。みさえにチェックのシャツ着こなしてほしい。「オラオラオラオラ」つって車ぶっ飛ばしてほしい。そんな思いからもジョイスはみさえです……で、すみません！ここでもズルさせてください。『ストレンジャー・シングス』でのジョイスは離婚してシングルマザーになってるんですが、ここはしんちゃんなんで……

野原ひろし

夫・野原ひろし！！ここは流石に設定を曲げられないので。はい、この2人が行方不明になった息子を大捜索していきます。映画クレヨンしんちゃんは、「あー今回家族の話ね」か「あー今回は友達の話なのね」のどっちかなことが多い（『ジャングル』とか『オトナ帝国』は両方）のですが、これで「友情」と「家族愛」が両立できるようになりました。めでたい。

ここからは周囲の人々。

ジム・ホッパー

ホーキンス警察署・署長。娘を病気で亡くした悲しい過去を持って、今は妻とも別れ独り身の状態。哀愁漂う中年男性なんですが、誠実で実直。親身になってウィルの捜査に協力してくてます。そんなジム、『ベカスカ大捜索』だったら、この人。

組長先生

組長先生ですかね。ある程度権力が必要な役なので。自分たちの園の子供達のピンチに立ち上がる姿を見せてもらいましょう。意外にも、これまでの映画で、あまり目覚ましい活躍をしてないので、あえてここで重要な役を任せてみましょう。あのピンクの猫バスがどのような活躍を見せるんでしょうか。楽しみです。

ナンシー・ウィラー

マイクのお姉さんですね。ほんとコイツはね。ずっと二人の男の間をふらっふらふらっふらしてるんですよ。片方彼氏なんですよ。そんな状態なのに学校のロッカーの前でキスとかはするんですよ。ハッキリしなさい！って言いながら見てましたけど。てか、アメリカのドラマ学校のロッカーの前でキスし過ぎでしょ。せめて隠れてとかさ。えー、そんなナンシー、『ベカスカ大捜索』では、この人。

大原ななこ

ななこお姉さん。マイクの身内という設定はなくします。「お姉さん」には変わりないので許してください。そんなななこお姉さんといい感じなるのが、次のキャラクター。

ジョナサン・バイヤーズ

ウィルの兄。息子が失踪し憔悴する母親を支えるバイヤーズ家の頼れる長男坊。めちゃくちゃいい奴で、凄くかっこいいんですけど、大学の同級生に顔と趣味（カメラ）が似てて僕はあまり好きではないです。そして、ジョナサンはナンシーを盗撮したことをキッカケに恋に落ちてゆきます。そんなジョナサン、『ベカスカ大捜索』ではこの人。

四郎

ジョナサンファンの人本当にごめんなさい。ジョナサンは三浪の末に東京かすかビアン産業大学に合格し、現在は「またずれ荘」で一人暮らししているでお馴染みの四郎です。もう、四郎しかいないでしょ。学生だし盗撮しそうだし。という訳で、ジョナサンは四郎、ジョナサンは四郎です。

イレブン／エル

お待たせしました！！謎の超能力少女・１１（イレブン）通称・エル。極秘施設で育ったんで名前は数字です。超能力を発揮すると鼻血が出ます。クールで無口というか、言葉を知らないんですけど、外の世界でのマイクやジムらと交流するにつれて、みるみる人間・エルになっていきます。何度ドラマを観ながら「エルー」と叫んだことでしょう。そんな、ワッフル大好き圧倒的ヒロイン・エル、『ベカスカ大捜索』では……

すいません！ここだけ、ここだけ新キャラにさせてください。

というのも、このように『映画クレヨンしんちゃん』シリーズには、毎回作品ごとに個性豊かなヒロインが登場します。今回はその枠をエルに入れたいと思います。もしもエルが映画クレヨンしんちゃんのヒロインだったら……を想像しながらパワポで作ってみたイラストがコチラ。

あーっぽい。目が特にクレしんですね。このエルがカスカベ防衛隊に入って、しんのすけを捜索します。

そして、この『ストレンジャー・シングス』シーズン１にはもう一匹、重要な登場キャラクターがいます。それがコチラ。

デモゴルゴン

裏側の世界からやって来たバケモノ・デモゴルゴン。いい感じの気持ち悪さですが、流石にこれだと子供達が怖がってしまって、『踊れ！アミーゴ』の二の舞になってしまうので、アレンジを加えたいと思います、デモゴルゴン、『ベカスカ大捜索』では、コチラ。

オシリプリプリ人（おしりぷりぷりじん）

ちょうどいいですね。面白いと怖いのちょうど間ぐらいのクオリティで。このオシリ部分がパカッーと開いて、肛門で人間を捕食するのです。

では、キャラクターが出揃ったところで、本家のストーリーに『映画クレヨンしんちゃん』のキャラクターを当てはめてみましょう。

時は2020年、日本は埼玉県の都市・春日部市に暮らす仲良し４人組風間くん、マサオくん、ボーちゃん、しんのすけ。ある日、国立研究所付近の森でしんのすけが失踪する。しんのすけの両親・野原みさえとひろしは息子を探すべく奔走し、ひまわり幼稚園・組長先生が捜査を始める。そこへ、研究所から逃げ出した坊主頭の少女イレブンが現れる。研究所では、裏側の世界を探る研究がされているらしく、謎の怪物・オシリプリプリ人が街に現れ始める。友人をオシリプリプリ人に連れ去られたななこ姉さんも四郎と共に行動を始める。皆はしんのすけを救うべく、“裏側の世界”に近づいていく。

うわー面白そう。２回観ちゃいますね。

では、これまで置き換えてきたキャラクターを『ストレンジャー・シングス』のポスターと全く同じ配置で並べてみました。それがコチラ。

うわーめちゃくちゃぽいですねー。見てください、意外と四郎がフィットしてますよ。一番やる気じゃないですか。あと後ろから迫り来るオシリプリプリ人も不気味でいいですねー。

さらにポスターにはキャッチコピーというものが付いてます。本家のキャッチコピーはコチラ。

「ーもし、この世に『裏側の世界』あったなら。」わくわくしますねー。まぁ、これもいいコピーなんですけども。ここは映画クレヨンしんちゃんなので、簡単にこうします。

「しんのすけ、行方不明！？」という。まぁまぁ、話題性が大事なんでね。「春日部に裏側が！？」とか「裏側の世界への入り口だゾ」とか案は色々あったんですが、キャッチー最優先でこのコピーを考えてみました。

さぁ、いよいよ最後です。映画クレヨンしんちゃんの前売り券には、毎回特典グッズがついてきます。ちなみに今年の特典がコチラ。

「ウキウキカキカキ♪オラがクレヨンしんちゃん！」ストラップ。いいですねーラクガキがテーマなんで帽子をクレヨンにするというアイデア、ステキです。特典はアイデアが命、今回の『ベカスカ大捜索』の前売り特典はこうします。

ストラップのみ。「おいおい」「しんちゃんがついてないじゃないか」「そもそも何もついてないじゃないか」……そうなんです。今作の肝はなんといっても「しんのすけの不在」。なので特典からもしんちゃんを消します。これは話題性があります。SNSで話題になったからの夕方のワイドショーで取り上げられまくることでしょう。炎上必至ですが宣伝効果抜群。元々は、大人向けマンガのしんちゃんならではの高いユーモアセンス。普段は来ないような層を劇場に向かわせたいと考えています。

といった辺りで。

もしも『ストレンジャー・シングス』が『映画クレヨンしんちゃん』だったら

いかがだったでしょうか？

僕は早く『映画クレヨンしんちゃん 激突！ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』をユナイテッド・シネマ豊島園で観たい気持ちでいっぱいです。その日が来るまでは、家でのNetflixで我慢したいと思います。

最近面白かったのは『イントゥ・ザ・ナイト』

おやすみなさい！！！