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2021年印象に残った映画 TOP3

37本という多くも少なくもない年間視聴数(こんな言葉あります?)の中から、3本厳選して紹介したいと思います。去年の冬に見た映画が軒並み面白かった。また、TOP3といいながら順番に意味はなく、3つピックアップしてるだけです。

若干ネタバレありです!すみません😭

「グラン・トリノ」(2008)

ようやく観れました。たくさんのレビューがネット上に転がっている映画だと思うので、あまり触れられてなさそうなシーンをピックアップしたいと思います。

それは主人公が、ある意味「戦場に向かう」直前のシーンです。風呂に浸かりながら一本のタバコを吸っている、ただそれだけのシーンなのですが、このときのクリント・イーストウッドの表情の重さがたまらない。

短くなっていくタバコを何かに見立てているのか、唯一の友との短くも濃密な時間を回想しているのか、単にルーティン的な日々のひとかけらなのか。さまざまな解釈ができ、非常に楽しいシーンです。僕も重大なイベントの前に風呂で一服したいので、将来的には風呂がでかい物件に住みたいです。

「キャストアウェイ」(2000)

時間に縛られた生活を送る、ゴリゴリのビジネスマンが無人島に漂流する話。無人島には腐るほど時間があるわけで、普段の生活と無人島での生活のギャップが際立ちます。

この映画の魅力は「無人島でのサバイバル」があくまでも主人公の人生の一つの過程に過ぎないことです。

「キャストアウェイ」は「主人公がどんなふうにサバイバルしていくのか?」「1人のビジネスマンの変化」この2つの描写がうまく共存している映画です。あくまで主観ですが、海外ドラマ「ロスト」やゲーム「forest」のように、無人島ものは「無人島でのあれこれ」に焦点を絞った作品が多い気がします。

そしてトムハンクスの怪演によって、表現される漂流前、漂流中、そして漂流後の主人公。"戦友"ウィルソンとの別れのシーンは、空気の抜けたバレーボールのように心が萎れてしまうことでしょう。

「天使のくれた時間」(2000)

人生において「もしこのときこっちを選んでたら」っていう決断、あると思います。

主人公は大学時代、ガールフレンドとの生活と仕事を天秤にかけ、後者を選びます。その結果ビジネスマンとして大成功を収め、何一つ不自由がない様子が序盤に描かれます。

しかしある日目覚めたら、普通のお父さんとしての生活が始まっている。しかも奥さんは大学時代のガールフレンド。そう、あの決断のとき、仕事ではなくガールフレンドを選んだ世界に、主人公は飛ばされて(?)しまうのです。

華やかな暮らしから、平凡な父親としての暮らしのギャップに主人公は苦しみますが、段々と「お父さん」になっていく過程は微笑ましくもあり、切なくもある。なぜなら父親としての人生はあくまでも「ifルート」でしかないのですから。

ラストシーンがたまらなく好きで、視聴者は「もしかしたらもう会えないかもしれない、自分の人生を形作った大切な人」に思いを馳せることになります。人によっては「オチはフワッとしてるんかい」とツッコミを入れることになりそうではあるのですが、「ちょっと一息、過去に浸りたいな」ってときに見るとブッ刺さると思います。

おわりに

映画はずっと観続けたいと思っています。見終わった後に頭の中で反芻する時間がたまらなく愛おしいです。時折、考えすぎだよと他人に言われてしまうのですが、それは「あなたは僕のこと、考えすぎじゃない?」と思います。

来年度は上京する予定なので、どれだけ映画という人生のオアシスに立ち入れることができるのか、不安ですが尽力したいです。

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