高校生の頃の思い出 TOP3
高校のときの思い出です。ちなみに偏差値は50です。
TOP3といいながら順番に意味はなく、3つピックアップしてるだけです。
「珊瑚の出産か!」
高2の夏の授業中、廊下から教室の外側の窓に向かって、さわやかな風が吹いた。前の授業を担当した先生は筆圧が濃かったようで、黒板周辺に蓄積した黄色いチョークの残滓は、勢いよく風に乗って外に飛び出した。
一番前の窓側の席だった僕は、その様子を特等席で眺めることができた。黄色いまんまるなビーズが、重力なんて知ったことかと言わんばかりに、外の世界へ旅立っていく。それは生命の息吹、誕生、何かが起きそうな予感を示唆するような─────
「珊瑚(サンゴ)の出産か!」
無意識に僕は叫んでいた。BBCのドキュメンタルとか、ナショナルジオグラフィックで特集されていそうな、珊瑚の出産を彷彿とさせるような光景を、教室の隅っこで体験したのである。そしてその神秘的な光景は、僕のファースト例えツッコミを生み出したのだ。
ちなみに隣に座っていた柔道部主将しか笑ってませんでした。
花火大会
高2の夏休み、彼女と松戸市の花火大会に出かけた。知っている人も多いと思うが、かなり大規模なもので、警備員の方が駅までの動線を確保する映像が今でも脳内で再生できる。
始まるまで近くの公園で中学生のときの話をした。大したエピソードがない僕は彼女の話を聞くことに徹していたと思う。そんな僕に「もっとおもろい話しろや」と背中を押すかのようにセミにおしっこをかけられそうになった。
そんなセミの思いは届かず、虫に敏感な僕はおしっこを避けることに成功した。彼女は「おしっこ避けるなんて、すごいね!」って言ってくれた(確か)。
花火が打ち上がった。
圧倒的だ。携帯を持っていなかった彼女は、きっと写真を撮ることに夢中だった僕よりも深い感想が書けるのだろう。B'zのultra soulに合わせて花火を打ち上げるという音MADみたいなコーナーがあり、テンションがあがった。隣の男女が「花火で青を表現するの難しい」っていう話をずっとしてた。
帰路に着くと、電車に彼女の嫌いな先輩がいたので、逃げた。すれ違う人に「俺にはこんな彼女がいるんだぜ」と自慢するかのようなその逃避行は、今考えると、痴漢された女の子と追われている不審者に見えるかもしれない。
本当に自分の体験談なのか?フィクションなんじゃないか?と当時も今も思うほど、輝かしい思い出です。
アドリブ応援団
股間にトラブルがある状態で、青春を謳歌できるであろうか?答えは断然NOである(なんだか学生に避妊を呼びかけるキャッチフレーズみたいだ)。
高3の体育祭でのこと。当日の朝、股間に激痛が走り確認すると、大ニキビ。絆創膏で応急処置を施し、家を飛び出した。学生にとって肌トラブルは避けることのできない話題で(股間なら尚更)、しかもこの時は受験シーズン真っ只中であった。「誰がどの競技に出るのか」なんて考える余裕などあるはずもない。つまり色々な角度のストレスが僕を襲っていたのだ。
しかし、このとき驚くべきことにストレスを発散させるための、ある対策を講じることに成功していた(もうほぼ大人ですからね)。それはアルフォートである。チョコレートを啄むことでストレスを逃がそうとしたのである。が、溶けていた!!やはり子供であった。確か9月頃だったのだが、あまりにも体育祭日和すぎたために僕のストレス対策は水泡に帰した。
この残酷な事実が発覚したとき、僕は思わず「なんで溶けてんだよぉ」と声を漏らしてしまった。意図するものではなかったが、絶妙にマヌケな間だったらしく、周りのクラスメイトが笑ってくれた。「朝からついてなかったけど、面白かったからいっかー」とちょっとニヤついていると、応援団の方がやってきてこう言った。「応援団みんな競技にでるから、代わりに応援盛り上げてくれない?」─────────
これが、僕の初めての「場つなぎ」に至るまでのいきさつだ。このときの記憶はほぼないが、溜まりに溜まったフラストレーションを応援に昇華し、なんとか凌いだことはわかる。終わった後、友人に「エンターテイナーだな」と言われ、嬉しかった。違う友人に「ムードメーカーというより、ムードブレイカーだな」と言われ、とても嬉しかった。
おわりに
ありがたいことに、高校では周りの人に恵まれ、みんなに恩返ししたいと本気で思えています。「あのときチヤホヤされたから今がある」「あのときチヤホヤされすぎたからこうなっちゃった」
どっちになるか、自分次第だと思います。
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