もし相性占いがそんなに当たるなら、人間関係に悩む人はもっと少ない【現役占い師の本音】
どーも。
占い師の前田王子です。
占い師として日々いろんな方から依頼を受けてますが、中でも多い依頼が、
「相性」について。
本やテレビや色々で散々言われてるので、やっぱり気になりますよね。
「相性」ってものがあるなら、そりゃ良いに越したことはないです。
だけど、実際のところ相性がいいとか悪いとか、そんな話だけで人間関係って語れないんですよね。
占いでは相性がいいって言われても、ムカつく奴はムカつくし、嫌いな奴は嫌いだし。
相性が悪いって言われてても、好きな奴は好きだしデキる奴はデキるし、いい奴だってたくさんいる。
相性ばかりに目がいって、人間関係においての大事なところが疎かになってしまったら本末大転倒なわけです。
というわけで、占い師目線での「相性」について、僕の考えを書いていきます。
「相性」とは、ドアと鍵の関係
相性がいいとか悪いとか、それってどの部分の話してんの?って話なんですが、やっぱりお付き合いの序盤だったり、新入社員についてだったり、なんだかんだで序盤の話が多いです。
逆に、熟年カップルがわざわざ占い師に相性を見てもらうって、聞いたことないですね。
あとは、
「私たちケンカばっかで、相性悪いんじゃないかしら・・・?」
なんて思う場合に気になるのが、相性です。
相性がいいから上手くいって、相性が悪いから上手くいかない。
そんな都市伝説的イメージが、「相性」という言葉にはあると思います。
でも、「相性」という言葉の守備範囲とか、どこまでの話をしてんの?ってところは、意外と語られていません。
相性を語る上で、まずそこをハッキリさせておかないといけないですよね。
占い師として活動している中で、相性については、「ドアと鍵の関係」だと捉えています。
人間関係を戸建住宅と例えるなら、相性はドアと鍵の関係、みたいな。
居住空間において大事なのは、開けて入る瞬間ではなくて、その先にある住み心地や生活です。
だけど巷で言われてる「相性」って、どうも開けて入る瞬間の話をしてるように感じるんです。
占い師ですら定義が曖昧な「相性」という言葉ですが、それがさも人間関係の全てのように言い放ってしまうので、受け手は誤解してしまいます。
だからまずは、「相性」の定義というか守備範囲については、「ドアと鍵の関係」という認識にしておくといいです。
長く続くかどうかは、お互いの理解度による
これも「そりゃそうだ」って話なんですが・・・
仲が良くなるにつれて、時間が経つにつれて、人は同じ関係じゃいられないです。
第一印象で人当たりがいい人でも、ただのいい人ってだけで超つまんない奴ってことはザラにあるし、ずっと無口でつまんないと思っていた奴が、実は結構な音楽通で超リスペクトできたり。
人間関係って変化していくんですよね。
それこそ、相性がいいとか悪いとかそんな話じゃなくて、お互いの理解度によって変化します。
あくまで「お互い」がどう理解し合っているかが重要です。
例えば、分かろうとしない(分かってくれない)相手に対して、こっちが一生懸命理解を重ねても、一方通行になってしまって疲れるだけです。
そしてそんな状態を、一般的には「相性が悪い」って表現することが多いです。
「相性」って便利な言葉で、そうやって言い放ってしまえば楽なんですよね。
相性が悪いから改善を放棄できるし、相性がいいから多少のことは目をつぶれる。
だけど、そうやって本質を追求することから遠ざかると、ただただすれ違っていく未来しか待っていないです。
だって、相性って話で探究すべき人間関係を終わりにしちゃってるから。
そんなことしてるから、いくら占いで相性が良いと言われた相手でもキライになれるわけです。
ドアと鍵の関係が良くても、その奥の住み心地や居心地は、模様替えしたり家具を入れ替えたりするみたいに、フレキシブルに改善していくことが大事なんです。
そしてお互いの理解度によって、いくらでも改善できるということ。
相性の話をしてしまうと、ここに目が届かなくなってしまいます。
「私と彼、相性いいって言われたのになんで!?」
「あの本には相性いいって書いてあったのに、アテにならないわあの本・・・」
こんなことを言いがちだけど、実際はそういうことじゃないんですよね。
お互いに相手をどこまで理解しているか、そしてその理解がどこまで的を得ているか。
結局のところ、これが大事なんです。
「相性」って言葉に惑わされないこと
仲のいい友達や気になってる異性が、自分にとって「相性のいい人」なんて言われたら、そりゃ僕だって嬉しくなります。
でも、だからといっていつまでも仲良く幸せに関わり合っていけるか・・・というと、それとこれとは話が違います。
相性がいいなら何しても許してくれるのか?ってことを考えれば、どこまでいっても親しき仲にも礼儀ありなわけで。
結局のところ、礼儀とか心遣いができるかどうかなんですよね。人間関係って。
相性がいいって言われたのに上手くいかなくなったんです・・・って、それはアナタの失礼な態度が相手を怒らせた可能性が大いにあって、失礼かどうかを分かっていなかったアナタの落ち度なんです。
あ、読んでくれてる貴方のことじゃないですよ。架空の「アナタ」という人の話です。
そして、その「落ち度」その都度改善していくから、いい人間関係を築きやすくなるわけです。
占い師が言う相性って、ドアと鍵の関係までの効果範囲であって、そこから先はお互いの理解度なんですよね。
相性が悪くてもいい人間関係は築けるし、相性が良くても悪い人間関係にはなります。
人間関係に絶対なんてないんですよ。
相性が悪い人との付き合い方
とはいえ、相性が悪い人との付き合い方もやっぱり気になりますよね。
だって相性が悪いって言われてしまっているわけなので、なんとかしたいですよね。
相性が悪いってことは、要するに噛み合わせが悪くてなかなか開かないドアと鍵、と捉えると分かりやすいかと思います。
ドアと鍵の関係において、鍵のかかったドアを開けるのは鍵ですよね。
つまり、ドアが相手、鍵がアナタです。
鍵穴を取り替えることはできないので、鍵側が滑りを良くしたり、ドアに合う形に少しでも近づくことなんです。
”相性が悪い状態”というのはつまり、ドアを開ける時の癖やちょうどいい角度が、アナタ(鍵)にはまだ分かっていないということなんです。
無理やりガチャガチャやって開くものじゃないんです。
そんなことしてたら鍵穴も鍵も、両方傷んでしまいます。
鑑定の時にお客さんによく言ってますけど、今できないということは、決して悪いことじゃないです。
「今できない」というだけで、これからできるようになればいいんです。
だから、いわゆる相性が悪いと言われる相手に対しては、今現在は「相性が悪い状態」というだけです。
そしてそれは、ドアの癖やちょうどいい角度がまだ分かっていないアナタがいる、というだけの話です。
その上で、悪いと思ってる相性を頑張って良くするのか、相性が悪いってことにして、合わせようとしないでいるか。それはアナタ次第なんです。
飛ばない豚はただの豚よろしく、開かないドアはただの板です。
とりあえず開かなかったら、別に無理に開ける必要もないのでは・・・?とも思います。
そんなことより、開けやすいドアや居心地のいい場所をもっと大事にした方がいいんじゃない?と思います。
「そんなこと言ったって、相性最悪の人が上司なんです!」
そんな相談を何度がいただいたことがありますが・・・
上司という鍵が、アナタというドアを開けられないんなら、無理して開こうとしなくてもいいのでは・・・?
と回答しています。
自分から見れば、鍵が自分でドアが相手、相手から見れば、鍵が相手でドアが自分なわけです。
アナタの心のドアを開けてくれない人なら、わざわざ心を開く必要もないわけです。
考え方次第で見えてる世界はどれだけでも変えられます。
相性という言葉自体、そもそも定義がクソほど曖昧なわけなので、自分の都合よくカスタムしちゃっていいです。
占いはその性質上、「相性」というものを出すことができます。
だけど、それはその人たちの関係値を完璧に言い表すものではなくて、あくまでドアと鍵の関係性、なんならそれ以下の情報でしかありません。
当たる当たらないの前に、そもそも「相性」という価値観自体が超いい加減なものなんです。
そこではなくて、もっと相手が喜ぶためには、相手が笑ってくれるためには何をしたらいいのか、そういったことを常々考えていくと、自ずと良質な人間関係が築けるようになります。