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対岸の島生活02

この町には海がある。それがいい。

町の老人にそう言うと、「他になんにもあらへんど、洲本のほうへ行ったらええさか」と、和歌山弁と播磨弁混じりで言われる。
町民の多くが漁港組合関係者。そうでなければ、海の見える眺めのいい温泉を売りにしている。

コンビニが徒歩20分のところに一軒あるが、スーパーはない。もしスーパーで買い物したければ徒歩2時間歩くことになる。
とはいえ、八百屋や魚屋、酒屋、金物屋があるので、生活には困らない。むしろ大手チェーン店がひとつもないことで、町のひとが生きていられる。

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