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蒼木陣くんに2度落ちた話。
推しが突然やってきた。
サッカー、音楽、舞台と様々なジャンルの沼底で生きてる私としては、推しが増えると言う事は恐怖でもあり喜びでもあり悩みでもあり生きがいでもある。物事は何でも隣り合わせ。
私は元々、物事にハマりやすく1度ハマると深く長く続く。けど比較的慎重に沼に落ちるタイプだと思う。じわじわと気になりだして、1回ちょっと離れて様子を見て、調べて調べて調べて調べて、石橋を叩いて叩いて壊して別の石橋を自分で作って、よーしそろそろここの沼に足を突っ込んでも良さそうだぞ、そーれ自分から入水だドボン!みたいな。
いきなり雷にドーーーーンってうたれて、地面がバリバリバリーって割れて、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁって沼に真っ逆さまに落ちて行った経験は「2001年のCSの延長でVゴールを決めた満男さん」の1回きり。鹿島のV6と呼ばれていた79年組で最初に目をつけたのは山口武士だったし、あの頃の私は相馬直樹さんが好きだった。けど満男さんに瞬殺された。
まぁあの瞬間は老若男女、鹿島のサポーターだったら全員が満男さんに恋に落ちた伝説の瞬間だけども。あれから2020年になる今でも、現役を引退をした後でも、1番大好きな人として変わらずに心の中にいる。すごい。(数年サッカーを見ない時期もあったけど)
そしてこの度、久々に雷にうたれるような出会いをしたのだ。あの時ほどの衝撃ではないけど、とても素敵な一瞬だった。
だからずっと忘れないように書き残しておきたい。舞台に出てる役者の話。
※私のTwitterのリンクから来た人のほとんどが鹿島のサポーターだと思うので、サッカーの話だと思ってきた方ここまでお付き合いありがとう。鹿島の話はありません。その先も気になるって方は最後までお付き合いください。
さて本題。
舞台を観にいくようになって約3年。
良い舞台に出会い。
良い役者に出会い。
良い演出家に出会い。
たまにクソみたいな舞台に1万出して虚無…とかを繰り返しやっと落ち着いて自分の「推し」が決まった。
推しの舞台は「刀剣乱舞」と「弱虫ペダル」
推しの役者は「玉城裕規」
推しの演出家は「西田シャトナー」
※「西田シャトナー」さんが演出をする舞台「弱虫ペダル」で「玉城裕規」にハマった、という繋がりのある流れ。私が好きになった頃にはもう出てなかったので後追いで知った。
今回は推し役者の玉城裕規が推し舞台の刀剣乱舞に出る。最高の組み合わせ。
〜ここで刀剣乱舞のざっくりした説明〜
刀剣乱舞は、実在する日本刀が人の姿になった「刀剣男士」が、過去にさかのぼり歴史を変えようとする「歴史修正主義者」から正しい歴史を守るって話。元々はゲーム。
実在する日本刀がモデルだから例えば坂本龍馬の愛刀「陸奥守吉行」だったら、元の主人の龍馬っぽい見た目で性格も似てて、土佐弁だったりする。
サッカーに例えるなら…選手愛用のスパイクが人の姿になって、サッカー界の歴史を変えてやろうとするサッカー界歴史修正主義者と戦う的な。
スパイク男士1「俺は小笠原満男が引退する頃に愛用してたニューバランス442」442くんは主人の引退時期を経験してるからちょっと心に傷を抱えている。
スパイク男士2「僕はKappaのガウディオ。2011年頃に履かれていたスパイクだ」この頃は満男さんは東北の事を思ってプレーしてたから優しい性格で衣装の背中には「東北人魂」の刺繍が入ってる。
スパイク男士3「俺はナイキのティエンポレジェンド。2009年頃に履かれてたスパイクだ」JリーグMVPをとった頃のスパイクだから強気な発言が多い。
みたいな。
※細かいスパイクの名前と時期は曖昧
スパイク男士ってのは元の主人の性格に似るから、その選手の性格とか履いてた時代に影響された言葉を発したりする。良い時代なら前向きだったり、悩んだ時期は気持ちが弱いキャラだったり。スパイク男士の基本的な役目は「正しい歴史を守る事」
だけどそこに人としての気持ちが入ってくる。
例えば鹿島の2017年の歴史を変えたい歴史修正主義者がいたとする。それをスパイク男士達は戦って、本来の結果を守らなきゃいけない。最終節で優勝を逃すあの歴史。でもここで歴史が変わったら、元の主人が幸せになるかも…みたいな葛藤が出てくるわけ。だけど歴史るのが自分の使命…!!という。そんなスパイク男士の成長も含めた物語。
まぁ例に挙げた2017年の最後をやり直す事が出来るなら、私は全力で戦うけど。歴史修正主義者(親玉)が過去に送り込む時間遡行軍(実際に過去に行って戦う実行犯)の末端としてスパイク男士と全力で戦う。時間遡行軍側で!!!!変えたい!!歴史!!!2017年やり直したい!!!全力で歴史変えたいと考える鹿島サポーターの怨念が作り出した魑魅魍魎のようなものとして戦う準備はできている!!!!あぁ憎い!!私の邪魔をするスパイク男士が憎い!!!!
時間遡行軍の末端の私「442よ、お前ならあの日の悔しさがわかるだろう。私と一緒に歴史を変えよう。あの年優勝していれば、大好きな人の引退を1年でも延ばせたかもしれないぞ?」
442「…変えたい…あの日の歴史を変えたい…うぅぅぅ」
そして闇落ちする442は時間遡行軍としてスパイク男士の仲間を裏切り2017年の歴史を変えようと……
みたいな。って考えていくと、どちらにも自分の正義があるから難しいのよね。でも2017年を変えたら2018年のACL優勝が無かったことになってしまうかもって考えたらあれは必要な歴史だったんだよなぁって思ってみたり。ま、2017年も優勝して2018年のACLも優勝できるのがベストだったけどね。強欲。…なんの話よ。
〜スパイク乱舞 完〜
ちょっと寄り道しました。 しかも寄り道が楽しかった。
つまり、最推しの役者が、最推しの舞台に出る。と言っても出演は2回目。前々回のシリーズにも出てる。
だけど私が生で見られるのは今回が初めて。理由がある。
「最推しの役者が最推しの舞台に出たのに見に行けなかった話」
舞台刀剣乱舞のチケットの取れなさは異常で、DVD先行ですら取れない。
しかもこの時の作品は今までの流れの集大成の話で、もしかしたらこの先は続かないかもしれないとも思った。
推し舞台に推しの役者。
しかも推し舞台の集大成。
絶対行くしかないと、早々東京は諦めて平日の京都に絞ってチケットをなんとかギリギリ手に入れた。
先に見た友達からはとにかく辛い物語だから覚悟してと言われていた。
「悲伝」とタイトルがつけられてるだけある。
だけどとにかく楽しみで楽しみで楽しみで仕方なかった。2018年6月18日。
私はその日朝早くから、京都に向かう新幹線に乗っていた。出発して数秒。緊急停止。まだほぼ東京駅。大阪で地震だった。動かない新幹線。よりによって昼公演。迫る開演時間。お金をケチって選んだこだま。急いでるのにこの先めっちゃ駅に止まるという類の地獄。これはのぞみに乗り換えか。そもそも上演できるのか。被害はどんなもんなのか。その前に品川にすら着かない新幹線。隣を悠々と走って行く山手線。
じわじわ進み、品川。また止まる。待ってていいのか。諦めた方がいいのか。乗り換えた方がいいのか。中途半端なところまで進んで戻れなくなるのも困る。三河安城とか。
結局、新幹線は午前は全く動かない事になった。京都には行けない。
何が起こったか理解できない。気持ちがついていかな。辛い物語を見られない辛さ。なんだそれ。そして放心状態のまま買う崎陽軒の弁当(新横浜まで行った)傷心で帰って来た東京駅で追加する牛肉どまん中。微妙に冷静。やけ食いの準備をして茨城に帰宅。酒を飲みながら泣いた。子供みたいに泣いた。地震で怖い思いをした人もいるのに、舞台が見られなかったくらいで泣いてる自分が情けない。でも悲しいもんは悲しい。ものすっごい楽しみにしてた。どうしようもない。虚無。そんな日でも弁当は美味かった。
しばらく「京都」って言葉がトラウマになった。これが私の悲伝。
そんな過去もありつつの、今回の公演。
※思いっきりネタバレ出てきます。
私の初日は11/26
最推しの役者(玉城裕規)も出る。
初演に出た後にキャスト変更になってしまった大好きな役者さん(染谷俊之)も戻ってくる。
だけど、集大成の公演が終わり、間にちょっと変わった内容の公演を挟み、メインで出てたキャラクターがガラっと変わってしまった。
新章の始まりというか、正直どんな感じかな??大丈夫かな??座長の子も全然知らないけど大丈夫かな??でもチケット取りやすくなったからいいかな??推しもいるし??????とちょっと自分の気持ちも読めないまま行った。
ら。
とんでもなく良かった!!!!!
とんでもなく良かった!!!!!!!!
とんでもなく良かった!!!!!!!!!!!!
(大事なところだから3回)
話の内容も、役者達のバランスも、殺陣も、舞台装置の動きも、音楽も、照明も、セリフの一つ一つも、推しも、全部が最高にツボった。本当に面白くて、笑ったし、切なくなったし、感動したし、熱くなったし、とにかくゴーゴー泣いた。今までの舞台刀剣乱舞の話の中でダントツに好きだった。
その時はまだ、推しの役者(玉城裕規)と好きな役者(染谷俊之)その他の役者達って感じで、申し訳ない事に名前すらちゃんと覚えてなかった。
観終わってすぐ、チケットを余らせてる人を見つけ公演を追加した。(2回行く予定を3回にした)
そして2回目。12/24。
推しを中心に全体を見つつ、推しを多めに見つつ、前回そんなに意識しなかった、座長の蒼木陣くんの良さにジワジワと気がつき始める。陣くんが演じるのは、さっき例にあげた坂本龍馬の愛刀の陸奥守吉行というキャラクター。原作のキャラクターが本当にそこに存在していると思える素晴らしい完成度。素晴らしすぎて、あまりにもそのキャラクターに馴染みすぎてたから初回は全く気がつかなかった。凄さに。
そして元のキャラクターの圧倒的な明るさと、彼の雰囲気がとても合っていて良いのだ。鹿島に例えるなら、スンテさんや本山雅志さんのような。明るくて、優しくて、頼りになって、前向きで、みんなを笑顔にしてくれる、太陽のような存在。そんな役だし、きっと彼自身もそんな人なんだろうなと感じさせてくれる、とても気持ちの良い存在。
さらに元々アクロバットが得意な役者さんらしく、とにかくよく動き、走り、飛び、回り、全力で舞台を駆け回ってる。とんでもない運動量で。身体能力おばけ。
そしてその時がきた。
先に言っておこう。私が雷にうたれる瞬間だ。
最後の最後、元の主人の坂本龍馬と戦う事になる。
やだよねぇ大好きな元の主人と戦うなんて絶対無理じゃん。
普通だったらそんな事になったら闇落ちしてウジウジしながら牛肉どまんなかでも食べて数時間泣いてそうだけど(過去の私)このキャラクターは本当に清々しく、自分の守るべきもののために戦うことを選ぶ。とても明るく。悲しくて切なくてかっこよくて美しいのだ。
そして最後、戦いを終えて消えた龍馬の跡に壊れた拳銃が落ちてて、それを拾う場面。後ろの方の席だから、細い表情までは見えない。
舞台の一番高いところに登り、淀んでた空気が晴れて、後ろから日の出のように明るい光。夜明けの様にも感じるし、大好きな人を切ってしまった虚無感の様にも感じる。
そして蒼木陣くんから、ボタっと1滴の大粒の汗が拳銃の方に落ちた。
激しい殺陣と、感情を爆発させた後。
そのほんの一瞬見えた一滴の汗が、後ろからの光に当たってあまりにも美しく、スローモーションで見えて、鳥肌が止まらなくなった。汗のようにも見えるし、涙のようにも見えるし、タイミングと落ちた場所となんか全てが合わさって頭をガツンと殴られたような衝撃。
なんなんだこれ。
何を見てしまったんだ。
あまりの衝撃に、一緒にいた友達にもうまく伝えられず、帰りの電車でもずっとあの汗だけを思い出してた。
あの一瞬が忘れられない。
友達は、汗は全く見えなかったらしい。
雷ドーン。
そんな事を考えながら、蒼木陣くんの事を調べ始めた。
(それはそれはものすごい勢いで)
あれ?魔界転生と弱虫ペダル出てたの??どっちも観劇したけど覚えてないやー。弱虫ペダルは…箱学の黒田役??黒田の記憶が無いなー。黒田脇役だからな…この時の感想が気になるなーでもこの時は知らない役者だったし、覚えてもいなかったし、黒田の話なんかしてる訳ないか…とりあえず友達とのLINEを見てみるか…
と「黒田」で検索する。
私「黒田の子が良かった!!!」
あれ黒田の話してる。
友達「黒田の子、ずっと出てた子からキャスト変更しちゃってショックだったけど、今回の黒田の子、最高!!」
え、めちゃくちゃ黒田の子(蒼木陣くん)の話してるじゃん。
私「黒田の子の汗が!!!汗が良かった!!戦い終わって力尽きた後に歌で、黒田はその時に照明があんまり当たって無いけど、汗がボタボタ垂れててさぁ…泣いたよぉ」
あれ。私、黒田の汗に泣いてる。黒田の汗って…
それ!!!!!!
蒼木陣の!!!!!
汗!!!!!!
2度目ーーーーーーーー!!!!!
同じ人の汗!!!!
汗きっかけで昔の事を調べたら!!!!
ここでも汗!!!!!
無意識で落ちるの!!!!
2度目!!!!!
やばい。面白くなってきた。急いで友達に報告。
友達「そう言えば、いつも汗の話してない?推しのミュージシャンのライヴの後も汗が!汗が!っていつも言ってるよね。安定したブレない変態で安心するw」
おや?様子が変わってきたな。
言ってる。確かに言ってる。
チバユウスケの汗を浴びたからあと50年生きられるって去年の夏に言ったし
汗でびしょびしょになってユニフォーム張り付いてる満男さん最高とか何年も言い続けてたし
舞台に感動した話をしたかったのに、これじゃ私、ただの変態を晒しただけじゃん。
ボタボタに垂れる汗が好きなだけじゃん。
ビッシャビシャに濡れた男子が好きなだけじゃん。
妖怪じゃん。
1/6にも3回目の観劇したけど陣くんが汗をかきそうな場面になったら双眼鏡取り出したよね。(2階席だった)
こうなったら受け入れて前向きに生きていくしかない。
はー新しい推しの汗最高。
次はどんな汗が見られるのかなー。
妖怪汗吸いババァは今日も推しの汗を吸って元気に生きていく。