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宝塚雪組公演『f f f -フォルティッシッシモ-/シルクロード~盗賊と宝石~』【#まどか観劇記録2020 45/60】

昨日(2/26)から雪組『fff/シルクロード』の東京宝塚劇場公演が始まりましたね。おめでとうございます!
4月11日まで、望海風斗さん、真彩希帆さんはじめ退団者の皆様、雪組の皆様が幸せな時間を過ごせますように。無事に千秋楽まで駆け抜けられますように。

※ネタバレあります。むしろネタバレしかありません。
 感想というより好きを並べただけなのでお許しいただける方のみお読みいただければと思います。好きとしか書いていません。

『f f f -フォルティッシッシモ-』
~歓喜に歌え!~
『シルクロード~盗賊と宝石~』


望海風斗がすごい。

・「あ」だけで泣ける歌声
 幸運すぎることに大劇場で生で観劇する機会をいただきました。2階の一番後ろの席だったのですが、そんな距離なんて関係ないほど生で聞く望海さんの声は素晴らしかった。登場の第一声「あ~あ~~♪」だけで涙が出てきてどうしようかと思いました。本物の歌ってこういうことなのでしょうか。

・生き様のもつ説得力
 「やるならやってみよ、運命よ」
 この作品コピーがまさに今の望海さんと雪組のみなさまのお気持ちなのでは、と思ってしまうほどしっくりくるのですが、この1年の状況を乗り越えつつの退団公演というだけですでにこのコピーで胸がいっぱいです。

 そして、ベートーヴェンの物語は決してハッピーではないので、どうなってしまうのだろうと思っていたところにさすがの望海さん。見ていて辛いのだけれど苦しくはない、絶妙な感情移入ができる演技のコントロールが素晴らしいと思いました。そこからのラストの晴れやかなこと! あんなに清々しく喜びの感情に満たされたのは久しぶりでした。

・トップの背中が語るもの
 ショーの後半、黒燕尾を着た望海さんが青い薔薇を手に階段で背中を見せるシーンが好きです。トップの背中はかくも美しく、大きく、凛としているものなのか。様々なものを背負ってこられたのだな、今も背負われているのだなと、感慨深く眺めてしまいました。脇を固める彩風さん、彩凪さんと比べると小柄な望海さんですが、この圧巻の存在感と空気のあたたかさの理由がその背中に集約されているように感じました。このシーン何度でも見たい。大好きです。


真彩希帆がすごい。

・ミリ単位で調整される歌声
 真彩さんの歌声は楽器みたいだと思うのです。なんだってあんな澄んだ声が出せるのか。なんだってあんな音域を構えることなる出せるのか。なんだってあんなにブレがないのか。並々ならぬ努力の結果だとはわかっているのですが、真彩さんの歌は息継ぎの気配すらしない気がして、奇跡と表現したくなります。特にピアノの上に座って登場するシーン。あの柔らかな高音は一体どうしたら出せるのでしょうか。至高の歌声です。

・謎の女が愛おしい
 謎の女は、作中では悲しくて強い女として描かれていますが、真彩さんは強くて美しい、そして満開の笑顔が素敵な女性だなと思うのです。謎の女という役で退団ということで発表された時には驚きましたが、最後の白い衣装での晴れやかな表情も含め、真彩さんにぴったりな役だったのだなと観た今は思います。

 個人的には、謎の女の時の高笑い(?)がとても好きで、くよくよするたびに希帆さんの謎の女に笑い飛ばしてほしいと思っております。あと、あんなにかっこいいのに日常動作がぎこちないのがとてもかわいらしくて愛おしくて、箒のシーンにやにやしてしまいました。そして、ペンよりパン!最高!

・満開の笑顔よ、永遠に
 前述したように、今作は全体的に強い女のイメージが強かった希帆さんなのですが、フィナーレのデュエットダンスの時に、階段にいる望海さんに駆け寄ってぎゅっと抱きつく姿がとても可憐で...! その後の満開の笑顔がまぶしくて...!トップコンビが笑顔で顔を見合わせる姿ほど幸せになれるものってないのだよなあ。


だいきほが尊い。

ただひたすらに尊い。お二人並んでいるだけで後光が差す。
望海さんのほっぺたと真彩さんのおでこが触れ合う造形の完璧なこと!

 そしてお二人の歌! お一人ずつでも奇跡なのに、二人が揃うなんてなんと表現すればよいのか。お二人の声の重なった瞬間の幸福度と言ったら…!最後の喜びの歌の最初のシーン、あまりの美しさに涙が止まりませんでした。ピアノの伴奏と「る~」というだけであれほどの感動を覚えるとは。こんな体験なかなかありません。

宝塚作品をたくさん見ているわけではないので定かではないのですが、トップコンビ退団公演でここまで二人の距離が遠い(物理的に?)ことってあるのだろうかと思ったのですが、それがなりたつのも望海さんと真彩さんの心の結びつきあってのものなのだろうなと勝手に感動しています。


彩風咲奈さんがいとおしい。

・体の2/3が脚…!
 最初に外見のことで恐縮ですが、とにかくおみ足の長さは何度見てもびっくりします。そしてお顔も小さい。何頭身あるんですか…。その素晴らしいスタイルを活かしたダンスが最高です。

・皇帝の威厳から子犬の愛らしさまで
 『fff』での皇帝ナポレオンの堂々とされた姿、そして彩風さんだから出せるどこか無邪気なまっすぐさがこの人の未来なら信じてみたいと思わせる
ベートーヴェンの夢(?)で、ベートーヴェンとナポレオンが二人ぽつぽつと語り合うシーンが好きです。視覚的な動きも聴覚的な盛り上がりもないのですが、心にしんしんと染みてくる、ずっと肩を並べて共に歩いてきたお二人だからこその空気なのかと、、、退団公演は涙もろくなってダメですね。すぐ誰と誰の歴史が…とか言い出します。すみません。

 そんな威風堂々とした彩風さんが、二部のショーでは望海さんと絡めるのがうれしくて仕方ないという喜びがあふれ出ていて、とてもいい笑顔でいらっしゃって、あんなにスタイルがよくていらっしゃるのに喜び回る子犬のようで、あの笑顔がずっと続きますようにと願わずにはいられません。ギャップの最たる…そんな彩風さんが見られてうれしいです。


彩凪翔さんに幸あれ。

・まじめなアドリブエピソードが尊い
 日替わりのアドリブのところが好きで、ファンの皆様がツイートされていたり、まとめてくださっていたのを楽しみに拝見していたのですが、ムラ千秋楽の時に望海さんが、アドリブは彩凪さんと一生懸命に考えて練習してとおっしゃっていたので、より大切にしたいシーンになりました。お二人の芸事に対する真摯な姿勢がとても素敵でなんとも言えません。今日からの東京宝塚劇場では毎日どんなアドリブが出てくるのか楽しみに毎日ツイッターに張り付くことでしょう。

・ビジュアルがよすぎる
 個人的なことで申し訳ないのですが、彩凪さんのお顔もたたずまいも私の好みドンピシャでして…しかし出会うのが遅すぎました。どんな表現者の方と出会ってもそのたびにもっと早く出会えていればという後悔がつきものなのですが、彩凪さんについては、私の後悔はひとしおです。なんで退団されてしまう前にもっと早く気づけなかったのか…。今作は特にチャイナの前を開いて着られているお衣装がお似合いすぎて直視できないです(実際はオペラでガン見)。
 今はただ、彩凪さんとこれまで応援されてきたファンの皆様が千秋楽まで最高の時間を過ごせますことと、この先の彩凪さんにたくさんの幸が降り注ぐことを密やかに願っています。


朝美絢のこれからに期待しかない。

 定かではないのですが、朝美さん歌い方変わられましたか?
 もともと美しいお顔立ちと骨太な男役のたたずまいのギャップ(?)が素敵だなと思っていたのですが、今回は特に朝美さんの歌が心に残りました。最初は別のところを見ていたので、この方の歌い方好きだなとオペラグラスを覗いたら朝美さんじゃないですか!声だけでは一瞬朝美さんだとはわからなくて、こんな歌い方をされていたのだっけと驚いた覚えがあります。
 うまく言葉にできませんが、すごくよかったです。個人的な好みではありますが、私にとっての男役の歌のひとつの理想でした。朝美さんのお姿はこれからも宝塚の舞台で拝見できるので未来の楽しみが出来ました!


最高の雪組に最高の祝福を

望海さんがショーで持たれていた青い薔薇には「夢叶う」という花言葉があるそうです。望海さんの宝塚での生き方を現したような素敵な演出に胸を熱くしたのですが、さらに「神の祝福」という花言葉もあるそうで、これから東京宝塚劇場公演に臨まれる雪組の皆様にはそちらの花言葉も送りたいです。
祝福にあふれた門出でありますように。
宝塚大劇場の千秋楽でのご挨拶で、ファンについて言及される時にあふれる想いで声を詰まらせた望海さんのお姿を拝見したら、今はただただみなさまの幸せを願わずにはいられません。

どうか、雪組に最高の祝福がありますように。

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(初めてのイラストレポ描いてみました)

東京宝塚劇場での大千秋楽は、ライブ中継・ライブ配信があるのでぜひだいきほの最後の瞬間まで見届けましょう~。


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よこやままどか
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