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劇場に戻れる日を心待ちにしている。

劇場に戻りたい。

昨日、緊急事態宣言の延長が決まりました。
残念に思うと同時に正直なところどこかほっとしているのも事実です。いま宣言が解除されたとしても安心して過ごせることとは違うから。欲しいのは宣言の解除ではなく、宣言が解除できるくらい安全に戻った状況なのです。だからおそらくまだしばらく耐えなければいけないのだなあと。

そんな中、一番考えるのは、劇場に戻れるのはいつだろうということ。
作られる方々も安全で、見る側も安心して、あの場所に集えるのはいつだろう。

舞台やLIVEといった生のエンタメが止まってから二ヶ月が過ぎようとしています。
数々の延期や中止の言葉に胸を痛め、払い戻しになるチケットを悲しく見つめ続けた二ヶ月間。観客の側はまだそれでいいです。でも、仕事ができず、生きる意味を取り上げられた舞台やLIVEやエンタメを担われる方々のことを考えると一刻も早く安全に劇場が開く世界が戻ってほしい。そう願わずにはいられません。

そんな状況でもエンタメの方々は歩みを止めることなく、様々なライブ配信などが行われています。それはとてもありがたい。けれど、どなたかのつぶやきを見ましたが、やはり劇場は特別なんだよなと、私はそれらを積極的に楽しむことができないでいます。
結果、二ヶ月もあったのに、私がオンライン観劇ができたのはたった二件。その二作品はこの状況だからこそのアイディアもふんだんでとてもとても素晴らしかったのだけど、じゃあオンライン観劇にはまりますかといわれたら、そう簡単にはいかないのです。

理由は、やはり、劇場が特別な空間だから。

劇場は一歩足を踏み入れた瞬間から別世界。そこに来ている人はその作品を観るためにずっと前からチケットを買って、朝起きて持ち物の中にチケットがあるかを何度も確認して、開演時間に間に合うために万難を排して集まった人たち。目的が同じ人達と観る空間の心地いいこと。みんなが作品のために存在する共同戦線。

私は気に入った作品は何度でも見に行きます。
同じでしょうと言われるのですが、全く同じじゃない。観客側からいうとおこがましいけれど、舞台と観客とみんなで最後を仕上げて作り上げるから毎回違うんです。役者さんの空気も客の反応で毎回変わる。そんなライブ感。一体感。

これがオンライン観劇だとそうはいきません。次のことばかり気にしてしまう私のような人間は、日常の延長ではエンタメを100%楽しむことができないのだなとつくづく思います。

どれだけ集中できる空間を作ろうとしても再生しているPCには時間が表示され、容赦なく現実に我々を引き戻そうとする。ふと目をやるとシーツがぐちゃぐちゃのベッドが目に入りここが自分の部屋だと思い出し(しかも汚い)げんなりする。そして特効でもなんでもない鳥の鳴き声が聞こえてきてしまったりして。。。オンラインで日常の外にでるのはこんなにも難しい。

空間が変わることは世界が変わること。日常と切り離された劇場という場所で過ごす集中した数時間それこそが求めるものなのです。

一体いつ戻れるのかな。

とはいえ、人間はすごいもので、最初は戸惑ってばかりだった新型コロナへの対策も前に進んでいます。みんながそれぞれに頑張って前に進もうとしている。

だから、劇場に戻れる日は考えているよりは早いのかもしれない。それまで、そしていざその日が来た時のために、私は私でやれることをやろうと思います。

またあの場所で大切なものと再会できますように。

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よこやままどか
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