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1550円でポータブルハードディスクを作ってみた

ノートパソコンで動画編集などの作業をしていると必ずぶつかるのが「空き容量不足」の問題である。

うちのMacBook ProはSSDが1TBある。ノートPCのストレージとしては多い方だが、動画編集ソフトを使っていると読込用のレンダリングファイルが裏で増え続け、空き容量があっという間に埋まってしまう。
動画編集や写真のraw現像といった比較的容量を食う作業をするユーザーは、外付けのハードディスクやSSDを買ってそこにデータを移すのが定番だ。しかしここ最近はハードディスクやSSDが値上がり傾向にある。
数年前は6TBのハードディスクが1万円以下で買えたが、今や15000円以上もする。

なんとか安く外付けストレージを増やせないか…そう考えた私はアリエクスプレスでこんな物を注文した。

到着した時点で箱が潰れているのは中華通販あるある
本体と付属のUSBケーブル


これはエンクロージャーといって、本来パソコンの内蔵ストレージ用であるSATA接続のHDDやSSDをUSB接続で使えるようにするパーツだ。
要はこれにHDDかSSDを付ければUSBポータブルストレージになるわけだ。
値段は350円。見た目は綺麗だが不安になる安さだ。
原価はいくらなんだろう…。そして本当に使えるのだろうか?

もちろんこれだけでは使えないので、中身となる2.5インチのHDDかSSDが必要だ。
そこでPCパーツショップが軒を連ねる、秋葉原の通称ジャンク通りに行ってみた。

お目当ての店は「ショップインバース秋葉原」。
ここはジャンクPCパーツやジャンクノートPCが多数在庫している。
裸の中古ノートPCがコンテナボックスの中に山のようにあり、よく分からないメーカーの新品デジカメが山積みで1000円で売られている。このカオスさが実に秋葉原という感じで堪らない。

ショップインバース外観(画像は公式サイトより引用)


ストレージのコーナーを探すと中古SSDを発見。128GBが1500円か…うーん128GBではストレージ用には少ないな。
動画データ置き場の用途なら最低でも500GBは欲しい。
HDDは…2.5インチがいっぱいあるぞ!
500GBが1000円、640GBが1200円、750GBが1500円の3種類。
中古のジャンク品扱いなので故障していても返品交換は原則できない。ならば最安の500GBか、いや最大容量の750GBか。
迷った結果、640GBにした。松竹梅なら竹を選ぶ日本人らしい選択である。
640GBから110GB増えただけで300円上がるのはコスパが微妙だと判断した。

容量が決まったが次は製造メーカーだ。よく見ると東芝製、Seagate製、Western Digital製と色々ある。
2.5インチHDDはどこが信頼性高いんだっけ…3.5インチならWD一択なんだけど。
まあWDでいいか。しかし中身がどんな状態なのか見た目では分からない。
もはやガチャである。

購入したハードディスク。2.5インチは小さくてかわいい


よし、これでガワと中身が揃った。
後はこれを組んでフォーマットすれば外付けポータブルHDDの出来上がり。

エンクロージャー…………350円
640GBハードディスク…1200円  計1550円


はたして使い物になるポータブルストレージは出来上がるのか!?

いよいよ組立て

まずはエンクロージャーの蓋を開けて…開けて…開かない。どうやって開けるんだコレ?
説明書が入ってないからどう開けるのか分からない!
ネジはないし引っかかっている爪のようなものも無いぞ。
透明なプラスチック製だから無理に開けようとすると壊れてしまいそうで怖い!

アリエクのレビューを見ると「ケースはスライドで開閉することができ、工具を使わずにHDDやSSDを取り付けることができます。」とある。
なるほどスライドするのか。でもどっち側にずらせばいいんだ?
恐る恐る力を込めるとスルっと外れた。

外れた!

蓋が外れれば後は簡単だ。
端子の位置を合わせてHDDを差し込み、蓋を戻すだけ。
後はUSBケーブルでパソコンと接続して認識すれば完成だ。

完成したのがこちら。データ消去済みのシールは剥がし忘れた

MacBookにUSBハブを経由して差すとあっけなく認識できた。ひとまずHDDの故障やエンクロージャーの初期不良は無さそうだ。
とりあえず一安心である。

WindowsとMac両方に使えるようにexFAT、マスターブートレコードの形式でフォーマットする。
ストレージ診断ソフトのCrystal Diskinfoにかけてみると、健康状態は正常。電源投入回数は867回、駆動時間は1334時間。不良セクタは無いようなので中古品としては当たりの部類だろう。

Crystal Diskinfoの画面。項目はたくさんあるけど意味はよく分かってない。

試しに3GBほどの動画ファイルをコピーしてみた所、30秒ほどでコピーが完了した。
読み書き中も特にハードディスクの回転音がするとか、発熱する事もない。
これなら充分実用に耐えられそうだ。

とはいえ実用性ではSSDの方が読込も書込みも断然速いし、軽くて衝撃にも強いので、予算に余裕があればSSDを選ぶべきだろう。
今回はあくまで中華製の怪しいエンクロージャーとジャンクハードディスクを使って、どこまで安く出来るかという実験だった。ショップのセール時期を狙えば総額1000円以下も不可能ではなさそうだ。

結果は思ったよりも実用的なモノになったし、スケルトンで中身が見えるポータブルHDDは意外とカッコいい。これから積極的に使って行こうと思う。

前述の通り6TBのハードディスクは15000円はする。
1/10の価格でポータブルストレージが手に入ったのだから今回は成功と言えるだろう。
(容量も1/10だけど)

動作中は青いLEDがちょっとまぶしい

ただ、中古ハードディスクに過信は禁物だ。
いつ壊れてもいいように消えたら困るデータは置かず、バックアップのさらにバックアップぐらいに考えた方がいいだろう。

他にもアリエクスプレスで買ったガジェットが何点かあるので、また別の機会に紹介できればと思う。
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