スペイン親子留学。医学部までの道のり・時は金なり
留学したいけど、お金がない。お金が貯まったら留学する。
よく聞くセリフだ。しかし、過ぎ去った時間はお金で取り戻せない。
スペインに親子留学したと言うと、なぜか経済的に余裕があると思われる事が多い。しかし、それは真実ではない。
むしろ、この貧乏を食い止めるために海外に行くのだ。
日本で良しとされる教育や、家族のお出かけ、家族全員の体裁を整えるのには莫大なお金がかかる。
我が家にはその余裕はなかった。家のローンと生活費でギリギリで、ペットボトル飲料の購入すら躊躇う日々で、夏の旅行は無料キャンプ場。子ども達はむしろ喜んだから、何が幸せかはわからないものである。
その方式で行くと、語学留学についてくるアパートは格安だった。例え、お湯がちゃんと出なくても、エレベーターなしの4階だとしても、現地の生活を疑似体験できる上にスペイン語の授業をフルタイムで受けられ、子ども達が学校でどんな風に授業を受けるのかも体験できるのだ。
数日後に届いたメールと格安チケットの総額は、ママ友達の「アクティビティ付き那須高原食べ放題プラン」や「めんそーれ沖縄リゾート滞在」「プール付きビーチフロントホテル滞在・グアム」などの家族旅行の半分であった。しかも、支払いはクレジットカード。二か月後のお支払いは、後でリボにするなり、銀行からパパの名前で教育ローンで借り換えするなり、どうとでもなる。大事なのはチケットが安い日程に出発することだった。「あさってからスペインにみんなで行ってくるね」と離婚したての元夫に伝えることになった。離婚届けを出して10日以内の出来事だった。