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牌の性質を知り形に強くなろう


この記事を書くことになったきっかけ


フリテンにならないためにどうするべきか?と問われた時に「正しい手順を身につけるしかない」としか即答できなかった。そもそも正しい手順を学ぶためには牌の性質、形について日頃考えて強くなる必要がある。突き詰めると敢えてフリテンを残したりするケースもあるが上級編なので別の機会に。
今回はフリテンにならないための最初の一歩となる部分となる牌の性質、さらには麻雀でアガるために必要な4メンツ1雀頭(計5ブロック)の考え方の初歩を書いてみる。まずはここを固めれば効率のいい切り順が少しずつわかるようになりフリテンも減らせるはずだ。

孤立牌の性質

まずは孤立牌の受け入れ種類と形を見ていく。字牌は数牌と違い横への広がりがなく、同じ牌を引くことでしか手が進まないが、役牌の場合対子以上になった時の使いやすさ(仕掛けられることによるアガりやすさや他の役との複合)があるので比較しにくいところではあるが、今回は純粋な受け入れ枚数だけに着目していく。

1 →1.2.3 の3種類。9も同じように7.8.9の3種類だ。
1で11の対子(同じ牌2枚のこと)
2で12のペンチャン(端の3.7待ちのこと)
3で13のカンチャン(間の待ちのこと)

2→1.2.3.4の4種類。これは8→6.7.8.9の4種類と同じ性質になる。

1で12のペンチャン
2で22の対子
3で23の両面(4枚受けが2種類の良い形)
4で24のカンチャン

3→1.2.3.4.5の5種類。7の5.6.7.8.9の5種類も同様に考える。
1で13のカンチャン
2で23の両面
3で33の対子
4で34の両面
5で35のカンチャン

4は2.3.4.5.6の5種類。6の4.5.6.7.8も同様に考える。
2で24のカンチャン
3で34の両面
4で44の対子
5で45の両面
6で46のカンチャン

5は3.4.5.6.7の5種類。
3で35のカンチャン
4で45の両面
5で55の対子
6で56の両面
7で57のカンチャン

これを見てわかることはまず孤立牌の受け入れの枚数が
3.4.5.6.7>2.8>1.9
であることがわかる。
さらに3.4.5.6.7は両面ができる受け入れがそれぞれ2種類あるのが特徴的だ。2.8は両面ができる受け入れがそれぞれ1種類。1.9は両面の受け入れはない。
麻雀のルールを覚えたての頃から両面待ちの大切さを上級者に伝えられてきたと思うが、イマイチどのように作るかよくわからないという方も多い。3.4.5.6.7の孤立牌を1.9.2.8より大切にするというだけでだいぶ変わってくるので覚えておいてほしい。

⚠️受け入れ牌を一部を捨ててしまっている場合の孤立牌はフリテン含みになるので、捨てていない場合と比べて価値が格段に落ちるので注意されたい。
例→9を捨てている場合の孤立牌の7。
優秀な両面の受け入れの8を引いてもフリテンになってしまっているので9を捨てていない場合に比べてテンパイしたときのアガりやすさが全然違う。

待ちの性質

受け入れ枚数が多い3.4.5.6.7を皆大切にする。ということは3.4.5.6.7より2.8が、2.8より1.9が場に打ち出されやすくなる。
そのためテンパイした時の待ちのアガりやすさ(ロンしやすさ)はザックリ言うと受け入れ枚数の時とは逆で
1.9>2.8>3.4.5.6.7となる。

同じ両面待ちでもより端に寄っている方がいい待ちと言える。また同じカンチャンでも最終形としては2.8のカンチャン待ちが3.4.5.6.7のカンチャン待ちよりはまだ良いというのも一応抑えていただきたい。

ターツの優劣

ターツというのはメンツになる前の2枚の牌の組み合わせのことで ペンチャン、カンチャン、両面、対子がある。
麻雀の牌姿の話をする際、12のことをペンチャンターツ、57のことをカンチャンターツ、78のことを両面ターツと呼んだりする。ただ対子のことはターツと呼ぶことはなく、単純に対子と呼ぶことが多い。(対子もあと1枚でメンツになるという点では本質的にはターツではある)

前項では最終形におけるカンチャン待ちの優劣に少し触れたがここではターツごとの手替わりの優劣を見ていく。

ペンチャンとカンチャンの優劣

同じ3を待っている形だとしても12と24でも違いはある。もし今までこのように牌の形について考えたことがない方がいれば、ここで少し止まってどちらの方が優秀か自分なりに考えてから次に進んでほしい。(手役やドラなどの要素は考慮せず純粋に形だけで)




24のカンチャンの方が12のペンチャンより優秀だ。その理由は手替わりした時の形にある。

24はダイレクトに3を引けなくても5を引けば両面ターツに変化する。12は4を引いてもカンチャンターツにしかならないので両面への変化は2手必要になってしまう。
このようにその形だけを見るのではなく手替わりする可能性を常に意識するのが形に強くなるコツだ。そしてここでのターツの優劣とはこの両面ターツへの変化を中心に考えていく。

カンチャンターツの優劣

同じカンチャンターツでも数字が違うとその性質は大きく異なり、またそこにも優劣が存在する。1つずつ両面手替わりを探しながら見ていこう。

13 両面変化は4の1種類。34の2-5待ちに変化するし13のままで2のカンチャン待ちでも悪くない。79も同様に考える。

24 両面変化は5の1種類。45の3-6待ちに変化するが両面の中ではいまひとつ。カンチャン待ちは2の待ちに比べると劣る。68も同様に考える。

35 両面変化は2と6の2種類。23と56の両面への変化だ。23への変化は優秀な両面なのが魅力。57も同様に2種類。

46 両面変化は3と7の2種類。34と67の両面への変化だ。こちらはどちらに変化しても2-5 5-8とまずまずの待ちになるのが特徴。赤でアガりになるかもしれないのが嬉しいポイントだ。

同じカンチャンターツでも両面変化の枚数が違うことがわかった。まとめると

46≧35.57>>>13.79>24.68

このような評価でいいだろう。35.57と46の差はほとんどないがやはり赤がある5が直接の受けになっている分46の方がやや優秀なのではないかと私は思う。

ブロック数を意識する

ブロック数とは麻雀のアガりに必要な4メンツ1雀頭(の候補)のことで配牌か配られてから常に意識しておくべきことだ。実際の牌姿を見た方がわかりやすいと思うのでこちらをご覧いただきたい。

33467m 3488p 233 89s (mはマンズ、pはピンズ、sはソウズ)
ドラ北 3巡目

パッと見で89sを外していく、と感覚的に答えが出た方も多いと思うがなぜそうなるか?自分の打牌を論理的に説明できるようになると麻雀は格段に上達する。
まずマンズで2ブロック 334と67はメンツ2つもしくはメンツと雀頭になるのが有力だ。
ピンズも2ブロック メンツと雀頭(8がもう1枚来れば2メンツ)になりそう。
ここまでで計4ブロックなのであとはソウズで1ブロックあれば良い。233の両面プラス対子の優秀な形の方が89のペンチャンより優秀だし、234や345の三色やタンヤオも狙えるので89s外しが正解となる。

ではこの手牌はどうか?
459m 125p 335赤8s 南北中中
ドラ5m 1巡目 西家
役牌対子がありドラと赤があるアガりにいきたい手だ。マンズは45mで1ブロック、ペンチャンは弱い形なので早い段階で1ブロックとしてカウントしたくないのでピンズはまだ不明、ソウズは335sあたりで1~2ブロック 中対子で1ブロック。無理やりピンズの12pと5pで2ブロックと見積もればギリギリ足りているがあまり褒められた計画とは言い難い。
ここでは孤立牌の9mや8sの周りを引いて1ブロック換算できる材料を増やしていきたい。
よってここは素直にオタ風の南や北あたりから切り出していく。
単純な受け入れ枚数の話とは異なるが、ドラや赤がない場合や点数状況によっては9mや8s、12pあたりを切って他家の安全牌となりやすい南や北を残すのも一考だ。

孤立牌の優劣を牌姿で確認する

1338m 3445p 569s 白白白(mはマンズ、pはピンズ、sはソウズ)
ドラ北 1巡目

133mで1ブロック、345pで1ブロック、56sで1ブロック、白白白で1ブロック。あと1ブロックをどこに求めるか?候補は8m.4p.9sの3種類。最初の孤立牌の性質上1番受け入れが少なく、1手で両面が出来ることがない9sが1番劣っているので打9sが正解となる。

ピンズの3445pの形に注目してほしい。345に孤立牌の4が複合した形で少し見方を変えてみると
34.45の両面2つという風に考えることも出来るのだ。このように孤立牌やターツが他のメンツやターツと繋がることにより受け入れが広くなる例がいくつもある。全ては網羅できないが最後に特に覚えておいて欲しい形をいくつか紹介しておく。


覚えておきたい形10選

【3面張】
・23456 メンツ+両面ターツ 基本中の基本。これが狙える形は基本的には残したい。

【1軒飛び】
・2346 メンツ+孤立牌 3面張のタネになる基本の形。

【中ぶくれ】
・3445 メンツ+孤立牌 上に書いたように2-5、3-6引きでさらに両面で2メンツ作れる優秀な形。孤立牌の周りを自分で使っていて少し枚数が少ないとはいえ両面の作りやすさが魅力。

【端ぶくれ】
・3455 メンツ+孤立牌 4.6引きで両面、2-5を引いてもメンツ+雀頭になる。3引きで4待ちの一盃口になるが1枚使いのカンチャンになるので固執し過ぎには注意。

【えんとつ形】
・34555 メンツ+雀頭(両面+暗刻ともとれる)
端ぶくれに1枚重なった形。メンツ+雀頭としてもいいし他の雀頭があればそれとの3面待ちになる。

【4連続形】【ノベタン】

・4567 メンツ+孤立牌 3-6.5-8引きで両面、もしくは3面待ちが出来る優秀な形、2や9を引くと瞬間残念な感じだがその後の手替わりにも期待できる。また雀頭がない時は4-7を引いても嬉しい(延びた単騎待ち、ノベタンと言ったりもする)至れり尽くせりの形だ。

【手役】
・1235789、123m123p3sなど
2メンツ+孤立牌 イッツーや三色のタネになる孤立牌は見逃さないようにしたい。

【雀頭込み3面張】
・3334 メンツ+孤立牌 他に雀頭がない時ここが最終形になると非常に優秀。2-5の両面+4の雀頭待ちになる。他に雀頭がある場合3を自分で3枚も使ってしまっているので4のくっつきにはあまり期待できないのでそこまで重視しなくてもいいだろう。

【大ノベタン】
・2345678 2メンツ+孤立牌 雀頭がない時は2-5-8待ち 1-4-7 3-6-9どこを引いても両面以上になりイッツーも狙える優秀な形。繋がるほど受け入れが広がることがわかる例だ。

【リャンカン】
・246 カンチャン+孤立牌 3枚で3.5の2種類の受け入れ、最終形になるとイマイチなので両面ほどの強さはないが単独のカンチャンよりは良い。あまりいい形ではないが頻出のためおさえておきたい。


まとめ

短時間で書きなぐったので抜け漏れ誤字脱字があるかもしれませんがご容赦ください。
1度では理解できないかもしれませんが何度も読み返したり実際にその牌姿に出会うことでどんどん吸収していけるはずですので頑張ってください。
兎にも角にも形について考える癖をつけていくことが多くの場面で正着を選べるようになる近道です。この記事が麻雀初心者の皆さんがそのことを知っていただくきっかけになれば幸いです。


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